新車で買って37年。いつの間にか、娘が運転するようになったセリカXX
独身時代に購入し、気付けば37年間もセリカXXと時を一緒に過ごしているという「smokyさん」。
当たりの個体だったのか、1回だけメインコンピューターが飛んで突然動かなくなったことがあるそうですが、それ以外は何事もなく走ってくれていると話してくれました。
娘さんはこのクルマが大好きで、運転するためにマニュアル免許を取ったとのこと。
今回は、smokyさん×セリカXX のお話をお届けします。
――随分と長い間乗ってらっしゃるんですね。
そうですね。就職して、ちょっと稼げるようになってきたかな~というタイミングで購入して、結婚して、娘が産まれて、その娘が免許を取って乗ることもあるくらいですから、軌跡を辿っていくと長い付き合いですよね。
思い出すと懐かしいなぁ~。チャイルドシートに乗せて、アカチャン本舗っていう所にオムツを買いに行ったりしましたよ。あの頃は、「パパ、パパ♡」って来てくれたなぁ。
――今は違うんですね?
ハッキリ言いますね……。今も……、「駅まで迎えに来て~」とか言われるんですよ。
――なるほど。足代わり……、いえ!お父様とドライブを楽しみたいんですね!
そうに決まっているじゃないですか! 断じて、パシリなんかじゃありませんよ!
娘はお腹の中にいる時から乗っているからなのか、このクルマが大好きなんです。もう1台ある他のクルマで迎えに行くと、「なんでセリカじゃないのっ!」って機嫌が悪くなりますから(笑)。
このクルマを運転したいからとマニュアル免許を取ると言い始めてね。送迎を僕がすることもあったんですけど、教習所で「今どき、マニュアル免許なんて珍しいね」、と言われたと笑っていました。
とまぁこんな風に、セリカに2人で乗ると家にいる時には話してくれないようなことを色々話してくれるんです。だから、足車としてだけじゃなくて、娘との潤滑剤のような役割も果たしてくれています(笑)。
――足車ってことは、普段使いされているんですか?
はい。買い物や家族旅行なども、普通にセリカで行っていますよ。もう1台のクルマは妻や娘が乗るので、37年間私は専らこのクルマです。
――すごいです。故障などはなかったんですか?
あるにはありますが、途中で止まってしまってJAFを呼ぶしかない……となったのはコンピュータートラブルの1回だけですね。
燃料ポンプが壊れたりもしましたが、これは止まる前に調子が悪いことに気付いて、ディーラーの人に取りに来てもらったので、何とかセーフでした。
発進する時に、ちょっとカクンとなるような違和感を感じて、あっこれは……と。長年乗っていると、少しの変化でも分かるようになるんです。
あとは、オートバイやキャブ車に乗ってきたので気付きやすいというのもあるかもしれません。他にもちょこちょこ故障はしていますが、その度に修理しての繰り返しです。
――大事に乗っているんですね。
それがそうでもないんですよ(笑)。ノーマルにこだわっているわけでもないし、単純にセリカXXが好きなだけなんです。
最近、旧車イベントに行くようになって、セリカオーナーの方と話す機会があるんですけど、あまりのセリカ愛に驚くことがあります。
推測するに、僕は旧車乗りという感覚がないんだろうなと。新車の感覚が抜けてないというか、ずっと乗っていた自分からすると古くなったなー程度なんです。
逆に若い頃に乗ってて、また戻ってきた方々の熱量は目を見張るものがあります。
――なるほど。Smokyさんは途中で降りずに、なぜ乗り続けたのですか?
セリカが好きというのもありますし、クルマに限らず物を長く使うというタイプなんです。母が倹約家で小さい頃になかなか買ってもらえなかったので、1回買うとずっと大切に抱え込む習性があるというか。
なかなか捨てられないから、これを買って飽きないかな? と、かなり吟味します。それこそ、2年とかくらい(笑)。
例えばオーディオがそうで、友達に調子が悪いからと10年落ちの型を譲り受け、専用の洗浄剤で汚れを落としたりホコリを拭き取ったりしながら、今も使っています。だから、50年くらい使っていることになるのかな。でも、良い音をさせてますよ。
――それでいくと、セリカを購入する時もかなり悩んだのですか?
悩んだというか、セリカからセリカに乗り替えているんですよ。今の愛車であるセリカXXの前は、初代セリカ1600STに8年間ほど乗っていたんです。
僕にしては早いスパンで乗り替えたのは、スポーツカーっぽい見た目に反して走るのが遅かったからです。ボディーはカローラより大きいのに、エンジンは同じだから遅い……。なんせ遅い……!
――それなら、DOHCエンジンの方を選択することは考えなかったのですか?
確かに、DOHCエンジン搭載車を買っていたら、そのまま乗り続けていたかもしれません。だけど、当時学生で親の援助だったから予算が無くてちょっと妥協しちゃったんです。
でも、これがあったからこそ、XXを買おうと思えたんですよ。当時、結構なお値段がしたんですが、セリカのスタイルも気に入っていたし、使い勝手なども分かっていましたから。
2台は全く同じではありませんが、8年間乗って良さは証明されていましたからね。
長年乗っていると、買った当初にディーラーにいたスタッフがどんどんいなくなり、今では扱えないと言われてしまったため専門ショップに行くようになったのだとか。
なんだかんだありつつも乗りたいと思えるのは、このクルマがご自身にとって特別な存在だからということです。運転できなくなるまでハンドルを握りたいと話してくれました。
【みんカラ】
smoky8507さん
(文:矢田部明子)
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