修羅場や禁煙を乗り越え、愛車として迎え入れることができた憧れのセリカとカリーナ
「昔憧れていたクルマを、2台も持てるなんて思ってもみなかった!」と話してくれた「よっさんさん」。
“タバコを辞めること”を条件に、なんとか迎え入れることが出来たそうです。
愛車のセリカとカリーナは、どちらも幼少期の頃の大事な思い出がたっぷり詰まったクルマなのだとか。ハンドルを握る度にフラッシュバックする光景とは?
今回は、よっさんさん×セリカ×カリーナ のお話をお届けします。
――なぜ、セリカとカリーナを愛車として迎え入れたのですか?
どちらも、子供の頃の思い出が沢山詰まったクルマだったからです。
――セリカには、どんな思い出があるのですか?
小学校高学年のときに、母の知り合いが乗っていたんです。僕がクルマが好きなことを知っていたから、エンジン音を聞かせてくれたり、当時珍しかったデジタルメーターを見せてくれてね。
それがものすごくカッコよくて、その当時のワクワクした気持ちがいっぱい詰まっているクルマなんです。
――カリーナは?
親父が、職場からよく借りてきたクルマでした。家にはクルマが無かったから、エンジン音が聞こえると、「あっ! カリーナ借りてきたんや! 乗せてもらおう!」みたいな感じで嬉しかったのを覚えています。
だから、2台とも少年時代に好きだったクルマなんですよね。
――その2台に乗ることとなったキッカケは何ですか?
まずはセリカを納車して、その2年後にカリーナを納車しているんですけど、順を追って話しますね。では、セリカから!
セリカは確かに少年時代に憧れていたクルマではあったんですけど、だからっていつか手に入れて乗ろうなんて思ってはいなかったんです。
ところが、14年前に愛知県にあるトヨタ博物館に行ったときに、当時の雑誌があってパラパラとめくっていたら、僕が昔乗せてもらったセリカの写真があったんです。
そしたら、うわぁ!懐かしいなーってなってね。
不思議と覚えているもので、ここでエンジン音を聞いた、回想シーンが頭の中を流れていくわけです。で、乗りたいと思うようになりました。
――そう思ってすぐに乗り替えたのですか?
いやいや。なかなか良い個体が見つからなかったし、その頃はエスティマに乗っていたから、わざわざ買う必要なんてなかったですから。だけど、一応チェックしておこうかなということで、ほぼ毎日ネットサーフィンしてました。
本当は1日に何回も中古車サイトをチェックしたかったんですけど、ガラケーだったから家のパソコンじゃないと見れないんですよ。だから、仕事が終わって家でチェックしては、無いなぁ……の繰り返しでしたね。
――え、それは一応探すじゃなくて、かなり本腰を入れて探してませんか?!
いやいや……、そんなことは……。家族であっちこっちにお出かけするのが好きだからエスティマが我が家にピッタリだったし、乗り替えは検討していませんでしたよ。
ただ、万が一にもということで、旧車ショップ巡りはしていましたけどね。
例えば、お出かけついでに「そういえば、ここら辺の近くに旧車ショップがあるらしいよー。ちょっと寄ってみようかー」って、ついでに感を出しながら足を運んではいました。
――よっさんさん……。それは無理がありますって!完全に旧車ショップに行きたいのはバレてますって!
え……。
――いや、気付いてなかったなら……。どうぞ続けて下さい。
はい。それでも見つからなくて諦めかけていたんですけど、専門ショップを松山で見つけたんです。大阪からで距離はあったけど家族で見に行くと、デジタルメーターで、あのエンジン音のするセリカがあったんです。
嫁はんに欲しい!と言うと猛反対で、離婚しかけましたからね。それでもやっぱり諦められなくて、次は娘と2人で行きました。
試乗OKとのことで、ノンクーラー、窓全開でエンジン音に聞き入っていたところ、同乗していた娘から「暑い、クーラーかけて」と言われて「アカン、今音聞いてんねん‼️」と言ったのを覚えています(笑)。
――どんな音がしたのですか?
2速に入れて、低速からグーンと立ち上がる時の音が何ともいえない音色なんですよ。ターボが効き始めるとターボ音で消えてしまうから、時間にすると何秒かなんだけど、確かに僕が聞きたかった2000GTの音でした。
ドッカンターボじゃなくて、タービンが回るとお尻からぐっと持ち上げられるような加速で楽しいですしね。
と、ここまでがセリカの話です。次はカリーナですね!
――はっ!? そうだ! カリーナがありましたね!
忘れないで下さい……。カリーナは、セリカを納車してからオフ会に行くようになると、兄弟車だからということもあり会場に沢山いてね。
僕にとっては親父を思い出すクルマで、セリカとはまた違った懐かしさがあるから欲しくなってしまったんです。それで、妻にダメ元でお願いしたところ、タバコを辞めたら買っていいよとのお許しが出たので、禁煙して購入しました。
――実際に、思い出のクルマ達に囲まれたカーライフはどうですか?
楽しいですよ。やっぱり好きなクルマに乗ることって大事なんだなと改めて思います。
あとはね、好きなクルマを2台も買ってもらったから、もうこの先はクルマを買えないんです。だから、故障しても何とか修理して乗り続けないと、僕は徒歩移動になってしまうんですよ。
とにかく現状維持で、死ぬまで乗り続けます!命懸けですよ(笑)。
よっさんさんの影響でクルマ好きになった息子さんは、この春から整備士として働き始めるそうです。セリカとカリーナでツーリングに行くこともあるそうで、より楽しいカーライフになってきたと楽しそうに話してくれました。
(文:矢田部明子)
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