運命のセリカリフトバックは「大変なんだけど楽しい」特別な存在
セリカXXになんとか乗りたい……と、中学生の頃から思っていたという「城谷さん」。ところが、いざ乗ろうと思った時には価格がかなり高騰してしまい、こんなはずではなかったのに……、と話してくれました。
そして、色々な事情により現在乗っているのは、セリカリフトバック。でも運命を感じる出会いがあり、絶対に手放したくない存在になっているそうです。
今回は、城谷さん×セリカリフトバック のお話をお届けします。
――セリカXXに乗りたいと思ったのは、何故ですか?
中学校の部活動の顧問が、初代のセリカXXに乗っていたんです。そうすると、職員の駐車場に停めてあるから毎日見るわけですよ。
角張ったボディ、横から見た時のリアにかけて下がるラインなど、カッコいいなって惚れ惚れしてしまって。
それで、大人になったら乗りたいな〜、面白そうなクルマだな〜、良いなぁ〜って、ずっと思っていたんです。
――あれ?でも、乗っているのは2代目のセリカリフトバックですよね?
そうなんです。なぜなら、セリカXXの方が30㎝くらい長いですからね。
――ん? それとこれと、なんの関係が?
これがね、多いに関係あるんですよ。家に入るまでの道が昔ながらの道で、普通車サイズは絶対にNG、軽自動車がギリいけるかな?くらいの狭さなんです。
そして、そこを通れたとしても最終関門があって、迷路のように入り組んだ道をクリアしなければいけないんです。
さらに、その関門をクリアし辿り着けたとしても、家の駐車場には親の軽が2台あり、そこに3台目をとなると隙間何㎝かの間隔で駐車しないといけないんです。セリカリフトバックで、本当にギリギリ!
――す、す、すごい……。運転スキルが自ずと鍛えられそうです
あはは(笑)!確かに!パワステがないから、敷地内で切り返しするのも結構大変ですしね〜。でも、アルトのMTで何年間か練習を積んでいたから、ぶつけただとかのトラブルは無いです。
――アルトって、スズキの?
そうそう。免許を取ってすぐにセリカに乗ろうと思っていたんですけど、乗りたいという気持ちだけで、なにも調べていなかったんですよ(笑)。
で、購入するぞとなってからマニュアルなのかとか、オモステなのかとか知ったんです。となると、あの道を免許取り立てで運転するのは至難の業だぞ……、よし、練習しよう!ということで、アルトを購入しました。
というか、運転の練習以前に、「今どきマニュアルなんて乗らないだろ!オートマ限定にしなさい!」と言う親の説得からでしたから(笑)。セリカを買うどころじゃなかったです。
――なるほど(笑)。ちなみに、アルトには何年乗ったのですか?
アルトは4年間練習兼通勤で使って、セリカ購入後も通勤のために乗っていたから……トータル8年乗ってますね。
――長い研修期間、お疲れ様でした。そしていよいよ、本命だったクルマに乗れるというわけですね。
いや、それがですねぇ……。いざ乗ろうかと思った時には、旧車ブームで車両価格が大変なことになっていたんです。え?こんなに高かった?って躊躇するレベルでした。
――それはそれは……。心中お察し致します
ありがとうございます(笑)。でもまぁ〜色々ありましたが、リフトバックとはいえ自分が乗りたかった角目4灯のセリカに出会えたから全て良しとしているんです。
ついに長年の夢が叶った、とただただ嬉しかったのを今でも覚えています。
実際にハンドルを握ると、心配していた重ステとマニュアルがすごく良かったんです。ハンドルを切ると、タイヤがどういう風に動くのかとか、FRということもあって、しっかりと走らせる楽しさを感じました。
矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、大変なんだけど楽しいんです。
あと、僕の場合は稀なケースかもしれませんが、免許を取ってからマニュアル車にしか乗っていないから、最新のクルマがちょっと怖いんです……。
以前ワゴンRのターボを運転したことがあるんですけど、少し踏んだだけでスピードは出るし、ありえないくらいのスムーズな加速をしてくれるから怖くて……。
あれを乗りこなせるなんて……すごいですよね。
――多分それ、逆に多くの人が城谷さんに思ってるはずです(笑)。どちらにせよ、乗りたいと思えるクルマに出会えて良かったですね。
はい。実は、このクルマが僕の元に来たのは、運命なんじゃないか?と感じることがあったんです。それもあって、絶対に手放したくないなと思っています。
――運命ですか?
僕がアルトで修行中のときに、いいなぁ〜いつか欲しいな〜って、中古車ネットをちょくちょくチェックしていたんです。その時に、このセリカが出ていたんですよ。
ボディカラーもカッコいいし、状態も良さそうだし乗りたいなと思ったんですけど……今は無理だなと1度諦めた個体だったんです。
ある時、そのセリカはページから消えて、買われたんだなと察しました。その後、関東に行き、大阪に行き、愛知に来た時に、僕が購入したんです。
ボディーカラーやラジオデッキの純正とは違う音量のツマミを見て、あっ……この個体は……って運命的な何かを感じました。
――そんな偶然ってあるんですね。
あるんです。そういった意味でも、セリカは僕にとってクルマ以上の存在です。
今後は、ノーマル重視で、自分の理想に近づけるようにメンテナンスをしていきたいと話してくれた城谷さん。
「まあ、どうなるかは分かりませんけどね」というイタズラっぽく笑う声も印象的でしたが、本当にセリカリフトバックのことが好きなんだなって伝わってきました。
【みんカラ】
H.N城谷サッシーさん
(文:矢田部明子)
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