愛車との幸せな関係とは? レクサスLFAは、自分に寄り添ってくれる素敵な相棒
日本を代表するスーパーカーの1台であるレクサス LFAに乗るのは「nさん」。レクサスブランドで展開されるプレミアムスポーツ「F」シリーズの頂点にあたるモデルで、世界限定500台、日本向けは165台のみという希少価値の高いクルマです。
2007年の東京モーターショーで展示されていたプロトタイプに一目惚れし、購入を決めたのだとか。
今回は、nさん×LFA のお話をお届けします。
―――日本向けは165台のみとのことですが、どうやって手に入れたのですか?
2年間ディーラーに何度も何度も足を運び、情報収集の末に購入という感じでした。
―――なんか、想像してたよりもずっと健全でした。もっと裏ルートとか接待とか……、そういう感じだと思っていました。
いやいや(笑)!レクサスが販売しているのに、どんなクルマなのよ!そして私はどんな人なのよ(笑)!
―――えへへ、すみません。ただ、かなり倍率が高かったのでは?
そうですね。仕組みとしては、各店舗1台ほど販売することが出来るんです。私が住んでいる県はレクサスディーラーが5店舗あって、足を運んだディーラーの倍率は5倍だったと伺いました。
1台も申し込みがなかった所もあったし、東京はかなり倍率が高かったとのことでしたよ。
―――競争率の高いところでも購入できたんですね。おめでとうございます!当選発表の時の心境はどうでしたか?
ありがとうございます! いやね、未だかつてないくらいドキドしましたよ。
2009年のモーターショーでアンベールされた瞬間からディーラーでの申し込みが始まったんですけど、すぐに申し込みたい気持ちを抑えて8日後の10月29日に申し込んだんです。
―――それはなぜですか?
その日が誕生日なんです。げんを担ぐじゃないけど、めでたい日に申し込んだ方が御利益があるんじゃないかなと思いまして(笑)。
その効果はあったのかって? 無事に当選しましたからね♪
結果発表までに3ヶ月くらいかかったんですけど、担当の方が「いま5人申し込みました」と教えてくれる度に、うわぁ〜、もうやめて〜って焦っていたのは良い思い出です。
だけどその分、愛車として迎え入れることが決定した時はかなり嬉しかったです。
―――ズバリ聞きますが、そこまでしてLFAを手に入れたかった理由は何ですか?
2007年のモーターショーで、プロトタイプのエンジン音がスピーカーから流れていたんですけど、F1を彷彿とさせるその音に一聞き惚れしてしまったんです。
子供の頃はまさにスーパーカーブームで、憧れだったクルマに近しいものを買うことが出来るんだ!とドキドキしちゃってね。
その2年後に見たLFAは、スポーツカーの中でもド派手ではなく、でも洗練されている佇まいに息を飲むほど虜にされてしまったんです。
―――走りはどうでしたか?
ハンドリングがどうこうで、加速はどうとかそういう専門的なことよりも、音がすごく良かったの一言です。体の奥にずっしりくる、少年時代のキラキラしたクルマに対する想いが蘇るような……そんな音でした。
納車が芝浦のトヨタテクノクラフトだったんですけど乗ったら楽しくなっちゃって、そのまま海ほたるまでドライブしちゃいました。海底トンネルを走るとエンジン音が反響して、それもまた良かったです。
ディーラーの人には申し訳ないんだけど「まだ帰っていない、何かあったのでは!?」と心配されるくらい、何時間もドライブをしてしまいました(笑)。いやいや、悪いことをしてしまいました。
―――話している声が、すごく楽しそうです。
このクルマは、自分の中ですごくすごく思い入れのあるクルマなんです。もう、目に入れても痛くないくらい!そんな存在です。
シートのステッチの色、内装を皮にするのかアルカンターラにするのか、外装色はどうするのか?など、自分の思うようにオーダーして、お気に入りの1台に仕上げたこともそうですが、匠の方が一生懸命造った、色々な人の愛情がギュッと詰まった1台だと思っています。
―――今後はどういう風に乗っていきたいですか?
サーキット走行をしたいです!と言いたいところですが、私のペースでゆったり乗ろうと思っています。
もしかしたらLFAからすれば物足りないと思っているかもしれないけど、私がオーナーの時はそれで良いのかなと思っているんです。
この名車は、この先もずっと誰かに受け継がれていくだろうから、こういうオーナーがいてもきっと大丈夫なはずですよ。焦らなくても、この先ずっとどこかを走っているだろうからね。
LFAに乗るようになってから、色々な人との出会いがあったと話してくれたnさん。これもまた、LFAがもたらしてくれた素敵なことだと話してくれました。
「速く走るだけがクルマじゃないと思うんです。一緒に寄り添ってくれる、幸せになれる瞬間がある。やっぱりこれですかね」と笑う声を聞くと、筆者の口元も緩みました。
(文:矢田部明子)
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