自ら直して乗るAE86は、長年連れ添う「いてくれなくちゃダメな存在」
“大事にしているか?”と聞かれると“そうでもないのかもしれない……”と、冗談混じりに答えてくれたのは「TAKAさん」。とは言いつつも、20代の頃から今日に至るまで、気付けば常にAE86というクルマが側にいると話してくれました。
愛車歴はAE86レビンを3台乗り継ぎ、現在はそこにAE86トレノも加わったとのこと。
今回は、TAKAさん×AE86のお話をお届けします。
―――AE86に乗ろうと思った理由は何ですか?
20代の頃に、レビンに乗っていた友達が事故をしてしまって「修理できないから、どう?」と言われたのがキッカケでした。
―――あの……素朴な疑問なんですけど……、走らないクルマを、なぜ迎え入れたのですか?
クルマいじりが好きだったから、修理して自分なりに乗ってみようと思ったんです。それこそ、今は“頭文字D”と旧車ブームの影響で価格が高騰していますが、当時は安くてそれなりに楽しめるクルマということで、クルマ好きが取りあえず買うという感じそれもあってね。
乗り潰す人も多かったから、解体屋に行けば沢山積んであったし、部品にも困らなそうだからやってみようかなと。
―――それで、修理出来たのですか?
いや、ダメでした(笑)。
―――えええええ!
いやぁ〜。いけると思ったんですけどねぇ(笑)。だからなのかな?たいして乗りたいと思っていたクルマじゃなかったのに、何か悔しくてレビンをもう1台購入してしまうという……。
そのクルマの後にももう1台レビンを乗り継いでいます。
そして、気付けば今から4年前にトレノも購入しているんだから、人生何が起こるか分からないですよね。
―――トレノを購入したのは、やっぱりリトラクタブルヘッドライトが良かったからですか?
いや、それでいくとね、僕はレビンの方がカッコイイと今でも思っているんです。
僕の周りだけかもしれないけど、昔はレビン派の方が多かったように思いますしね。友達の中には、リトラが付いていてカッコ悪いとか言って、顔だけレビンにしていた人もいたくらいでした。
だけど、今となって思うのは、どっちも魅力的だということです。何がすごいって、出会って何年も経つのに、エンジンをかけた瞬間ドキドキワクワクするんです。とくに速いというわけじゃないのに、ずっとアクセルを踏んでいないとダメだったり、上手く走らせればそれなりに応えてくれたり。
明確ではないけど、面白いと感じさせる“何か”があるんですよ。
それと、トレノを愛車に迎え入れようと思ったのは、20代の頃は断念したけど、“コイツは修理して公道復帰させたい”という思いが強かったからかもしれません。
―――4台目のAE86であるトレノは、走行不可能な個体だったのですか?
はい。知り合いの方が、出来れば息子さんに乗って欲しいと長年車庫保管しておられたんですけど、息子さんが興味無さそうだからと譲って頂きました。2万kmの純正4A-G型エンジンが載っているとのことでしたが、エンジンがかからなかったので燃料系から見直してエンジンが掛かるようになりました。
その後、エンジンを降ろしてタイミングベルトなどを交換し、綺麗に塗装しなおしました。
―――調子はどうですか?
元気に走ってますよ〜。信号にひっかからないように、農道を通って、大通りをぐるっとまわって車庫に戻ってくるという15分くらいの“お決まりコース”があるんですが、毎日とはいかないけど、乗りたいと思ったときにフラッと行くんです。
たった15分なんですけど、不思議なものですごく満たされるんですよね。
―――それこそが、TAKAさんがAE86に乗り続ける理由なのではないでしょうか?
言われてみれば、そうかもしれません。大声で言えたことじゃないんですけど、「大事にしているか?」と聞かれると、決してそんなことはないんです。
あまり洗車をしないから倉庫の隅の方で埃をかぶっていることも多いし、ミーティングに参加するということもないし。きっと、もっともっと情熱を持って接している方は沢山いらっしゃると思います。
だけど、20代の頃から常に側にいてくれたクルマだから、乗らなくても居てくれないとダメなんですよ。部品も高いし、出にくいし、維持するのもそれなりに大変なんですけど、走れる状態で駐車場にいることが僕にとって重要なんです。
例えるなら……長年連れ添った奥さん?みたいな感じですかね。
そう、穏やかな声で話してくれたTAKAさん。これからも、毎日オークションサイトや中古パーツ販売サイトをチェックしつつ、自分らしく共に走っていくと話してくれました。
「僕は、情熱はあまりないかもしれません……」と答えてくれましたが、毎日予備部品をチェックしているということを聞くと、おそらく自分では気付いていないだけで、かなりの情熱を注いでいるのではないでしょうか?
(文:矢田部明子)
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