【最終回】『クルマはトモダチ』ハチロクへの『愛着』を「ボロはち倶楽部 走行会」で再確認!・・・山田弘樹連載コラム
みなさんゴキゲンよう!
ちょっと前の話ですが、1月末に筑波コース1000で「ボロはち倶楽部 走行会」が開催されて、参加してきました。
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ボロはち同窓会に集まってくれた仲間たち。楽しい時間をありがとう! ハチロク40周年おめでとう!
以前このコラムで「ハチロク40周年をお祝いしよう!」と呼びかけたんですが、うまいこと人を集められず。
断念しようと諦めかけていたら昔のハチロク仲間たちがいつの間にか「ボロはち走行会やるの!?」「やろうよ!」と盛り上がって、「知り合いの走行会枠に空きがあるよ!」「やるか!」となって、「やるからトーゼン、来るよねッ!?」と、私にも声がかかったのでした(ちょっとスピーディな脚色ありw)。
当日はGR86/トヨタ86ワンメイク走行会の一枠を貸し切って「ボロはち同窓会」を開催。笑っているのは私も四半世紀お世話になっているkmsの輿水サンと、息子の裕矢クン。
ボロはち倶楽部というのは、私の主治医コシミズモータースポーツのお客さんたちが集まって、自然発生したクラブ。だからこの走行会はハチロク40周年を祝うと同時に、コシミズモータースポーツの輿水サンに日頃からの感謝を込めて「ありがとう!」を伝える走行会となったのでした。いわば同“走”会ですね。
奇しくも当日はお友達であるフジイ君が、昔私がボロはち走行会を取材した雑誌「レブスピード」を持ってきていて。今回来ているみんなが写ってるんだけど、これが笑えるほどに若くてピッチピチ!そして振り返ると、みんなオッサン!!
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ハチロクにはまって、N1マシンまで手に入れてしまったフジイ君の2ドアレビンと、彼が持ってきてくれたレブスピード。みんな若くて笑える!
ボロはち倶楽部のりぃだ~☆(本当のリーダーなのかは不明)であるT君なんか、可愛い息子ちゃんまで連れて来たもんなぁ。
ハチロク乗って一生懸命トンガッてたみんな、ほんといいオトナになりました。
AE92や20Vヘッドが貴重ないま、敢えてハチロクヘッドに111用4連スロットルを組んでみた、りぃだ~☆のお手製Eg。T-VIS用のポートは確かにデカくてちょっと下がなくなるけど、「普通に走れますよ!」とのこと。インマニさえ用意できれば、これもありか。
かくいう私も、赤パンでサーキットを走ったのはいつ以来?
ノートを確認すると正に去年の1月にコース1000で走らせてから、とんとご無沙汰でした。仕事では走っていても、プライベートだとなかなか行けないものですね。
久しぶりに走らせたハチロクは、やっぱ最高でした。
パワステあるけど(ちょっと自慢)、ABSはないから、現代のスポーツカーみたいにガツーン! とブレーキ踏んでコーナーに突っ込んでは行けない。それでも突っ込まないとタイム出ないから、ロックするギリギリをつかもうと、“ぷわぁー!”って白煙上げながら、必死に運転するわけです。
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通算4台目のハチロクであり、2012年からだからもう12年の付き合いになる赤いパンダトレの“赤パン”。昔のようにガンガン乗らなくなってはしまったけれど、これからもヨロシクな!
最初は「やっぱさすがに、もうボロいなぁ…」とか「新型ロードスターの方が、断然イケてるよ」なんて思うんだけど、それを乗り越えて「どうやったら速く走れるかな?」って必死で考えて行くうちに、段々と面白くなってくる。
走り終えるたびにダンパーを細かくいじったり、ブレーキのバランスを頭にイメージし直したりして、修正していく。
「次は車高をもう少し高めて見よう!」とか、「そろそろデフはオーバーホールかな?」なんて色々考えて、「やっぱハチロクえーわー!」となるわけです。
赤いトレノは、Gr.A+レースの常勝マシンだったオートエリア号。一度も勝てなくて、これ見ると今でも悔しい(笑)。GRヤリスやkmsのN1スターレットも出走。今回走行会を取り仕切ってくれた“ひつじ”さんは、なんとエキシージ! トヨタエンジンだから、いっか(笑)。
私はモータージャーナリストという仕事をしているので、最新のクルマたちに沢山乗ります。マイナーチェンジの場合などは、以前よりも良くなっている場合がほとんどです。メーカーのエンジニアも、本気で改善してきますからね。
ロードスターやGRヤリスの進化はまさにそれで、だから乗り比べれば当然、「新型の方がいい!」となるわけです。
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ボロはち選手権はできなかったけれど、代わりに輿水サンが同乗走行をしてくれた。いつかまた、みんなで速さ比べやりたいな。
でもね、改めて自分の“ボロはち”に乗って思うわけですよ。
たとえ今のクルマたちみたいには走れなくても、そこを必死に速く走らせようとするのが面白いんだって。
速く走ること“だけ”が、目的じゃない。プロセスが楽しいんです。
だからロードスターにしてもGRヤリスにしても、強い愛着があるなら、別に新型に乗り替える必要なんてない。そう思えました。
ハチロクに不思議な魅力があるとしたら、むしろそれはこのボロさなんでしょうね。デビュー当時からTE71のコンポーネンツを引き継いでまで後輪駆動を維持したクルマだったわけで、当時の開発陣は最新の性能を詰め込むよりも、操る愉しさをなんとかして残そうとした。
そこに4A-Gという切れ味のあるエンジンが載っかって、さらにハッチバックという生活に根ざしたボディが組み合わさったから、みんなが「買おう!」と思えたんだと思います。セダンもあったけどね。
それは、奇跡のパッケージングです。
このコラムでは何回も言ってきたことですが、クルマを楽しむ上で一番大切なのは「愛着」です。みなさんも愛着が持てるクルマとの出会いを、大切にしてくださいね。
というわけで長らく続けさせて頂いた『クルマはトモダチ』も、今回が最終回です。約4年間という長い間、本当にありがとうございました。
また再び、お会いしましょう。
その日まで、みなさんゴキゲンよう!
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赤パンでの今回の走行は、2年目のポテンザ RE-71RSで、ベスト(41秒893)から0.567秒落ちの42秒460をマーク。一年間使わなかったタイヤで、これは立派。タイヤもクルマも、まだまだ使い倒せるぞ!
お隣のピットを覗くと、タイヤカスを取るのにバイク用のローラースタンドを使ってた。頭いーなー。 大きなカスは電動スクレーパー、小さなかすは「のこやすり」で取るのがラクなんだそうな!

自動車雑誌の編集に携わり、2007年よりフリーランスに転身。LOTUS CUPや、スーパー耐久にもスポット参戦するなど、走れるモータージャーナリスト。自称「プロのクルマ好き」として、普段の原稿で書けない本音を綴るコラム。
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