悔いの残らない人生を!オデッセイとハイエースに詰め込んだ、バンド機材と自分の夢
熊谷さんが若い頃は、クルマというのは一種のステータスで、イケてるクルマに乗っている人がモテていたということです。そんな青春時代を過ごしてきたため、絶対にスライドドアのクルマには乗りたくない!と決めていたのだとか。
ところが、お子様が産まれたことをキッカケに、スライドドア搭載のMPVを購入すると……もうこのドア無しでは生きていけないと笑いながらインタビューに答えてくれました。
今回は、熊谷さん×オデッセイ×ハイエースのお話をお届けします。
―――取材していると、「ミニバンには乗りたくなかったけど……」という方も、確かにいらっしゃいます。
あはは(笑)。どっちかというと、僕もその口でした。でも、今では家族がゆったり乗れるオデッセイと、仕事道具がたくさん積めるハイエースが1番です。
―――ちなみに、それまでの愛車歴は?
昭和49年式のセリカLB、昭和59年式のコロナハードトップ。ほかには、チェイサーアバンテ、スープラ2.5GTツインターボRなど、MPVとはかけ離れた見た目のクルマに乗っていました。
ちょっと走れるぞ!というデザインが好きだったから、MPVは少しでも自分好みに寄せていこうと、スポーツパッケージにしたのを覚えています(笑)。リアもフロントも、怒ってるみたいな顔つきがかっこいいと思っているんですよ。
昔はライトを無理やり吊り目にしたりとか、メッキをギラギラさせたりとか、結構威圧的な顔になるカスタムをしていたんですけど、それが今のノーマルだなって個人的に思っています。
「あ〜、昔やってたな〜」というデザインが、えっ!?これがノーマルなんだ!みたいなことは結構あります(笑)。
―――現在の愛車のオデッセイとハイエースに、そういったカスタムはされているのですか?
オデッセイの方は車高をちょっとだけ落として、スポークが細くてスポーティーなホイールを履かせています。本当はメッシュがカッコいいんですけどね。
ハイエースの方はLED化したり、ホーンは軽トラみたいな「ピーッ」というのが付いてたので、ヨーロピアンホーンに交換しました。昔やってたカスタムとは程遠いですが、自分好みのパーツに交換しています。
―――ちなみに、そこまでスポーティーなクルマが良ければ、ミニバンに拘らなくても良いのでは?
それがね〜。乗ってみると、使い勝手が良すぎて離れられなくなっちゃったんです(笑)。
下の子が産まれた時にチャイルドシートの装着が義務化されたんですけど、当時のチャイルドシートって取り付けると上の子が座れなくなるくらい大きかったから、4人乗りが3人乗りになるわけですよ。
だから、家族がゆったり乗るためには ミニバンのようなクルマがベストだったのと、僕が1番グッときたのは荷物が積めることです。特にオデッセイは3列目が床に収納出来るから、荷物もけっこう積めますし!
ハイエースを購入したのは、建築関係の仕事をしているから荷物が沢山詰めるということと、バンド道具が余裕で乗って、さらにバンド仲間を乗せて東京に行けるくらい広々としているからです。やっぱり、オデッセイだと収納スペースが足りないんですよね……。
―――バンド?
そうそう!皮パンツ、皮ブーツ、革ジャンで“キャロル”というグループのコピーバンド“ANNA(アンナ)”をやっているんです。僕はボーカルとベース担当で、京都では月に1回、加えて1年に1回ほど東京遠征もしています。
こういうのも、オデッセイやハイエースじゃなかったら、なかなか出来ないですからねぇ。地元の京都でやるよりも、東京で開催する方が人気があるから、この遠征が辞められない(笑)!そして、何故なのか分からない……!
―――あはは(笑)。それは辞められない!ちなみに、バンドを始めるキッカケは何でしたか?
音楽が好きということと、人生を思いっきり楽しみたいからですかね。というのも、20代から30代と10の位の数字が変わるごとに、この先どうやって生きていくかを考えるようになったんです。
振り返ったら20年が一瞬で、その次に瞬きしたら60才、その次は棺桶に入る直前だろうから、やれることはやっておかないとと思ったわけですよ。実際に、40歳の頃に始めましたが、気付けば60歳を越えているわけだから、やっぱり人生というのは一瞬なんです。
コピーバンドだからいつまでもやったらダメだと思っているし、見た目もある程度綺麗に保っておかないといけない、あとはお金が儲かるわけでもないので……、月1回のライブのために日々節制しています(笑)。中華料理や寿司をグッと堪えて、豆腐ともやししか食べないという日もありますよ。
―――み、見習います……。
あはは(笑)。でも、大前提として、これがすごく楽しいんですよ。だから、続けられていると思います。そんなバンド活動の相棒としても、オデッセイとハイエースには壊れてどうしようもなくなるまで乗ろうと思っています。
オデッセイは今年で11年目に突入しましたが、故障もなく、最近は孫をチャイルドシートに乗せて色々なところに家族を連れていってくれています。もちろん、バンド活動も相変わらずに応援してくれています。
去年購入したハイエースは、仕事やバンドなど、これからもまだまだ活躍してもらいますよ。
そして、インタビューに答えていて思いましたが、僕のクルマの選び方も変わったんですね。走行性能や見た目重視だったのに、今では自分のライフスタイルに合うクルマを選ぶようになっている。
そう考えると、今の僕にこの2台以外は考えられません。あと何年バンドを続けられるかは分からないですが、可能な限り頑張ります!
そう話してくれた熊谷さん。これからも、この2台と自分らしいカーライフを送っていくということでした。
また、お孫さんを乗せてドライブという新しい楽しみも見つけたからには、熊谷さんのミニバンライフはまだまだ続きそうです。
(文:矢田部明子)
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