「非日常を演出してくれる」真っ赤なホンダ・トゥデイは僕のカーライフのスパイス!
現在26歳のマサキさんは、これまでボルボ・C70やローバー・ミニ、そしてBMW・E36に乗ってきたという。
今は、BMW・E36をメインカーとして乗り、サブカーに1986年式のホンダ・トゥデイ(JW1)を迎え、2台体制でカーライフを楽しんでいるのだとか。
とある場所で展示されていたトゥデイを見たのをきっかけに購入したというが、彼が国産車のトゥデイをセカンドカーとして選んだ理由は、一体何故だったのでしょう。
今回は、トゥデイ×マサキさんのお話です。
――愛車遍歴をお聞きして思ったのですが、マサキさんは輸入車に惹かれることが多かったのですね?
確かに、今まで乗ってきたクルマは輸入車ばかりなんですけど、決して輸入車だから好きというわけではなく“好きになったクルマがたまたま輸入車だった”っていうだけなんですよ。国産車でも、自分が気に入るクルマがあれば、いつかは乗ってみたいなってずっと思っていましたね。
――そうだったのですね。トゥデイを購入するきっかけは何だったのでしょう?
1年半くらい前、モビリティリゾートもてぎのホンダコレクションホールで、トゥデイを見たことがきっかけです。そのトゥデイに一目惚れしちゃって…。素直にカッコ良いなって思ったんですよね。その場で「このクルマにいつか乗ってみたい」って思うくらい惹かれてしまったんですよ。
その後、個人売買サイトでたまたまトゥデイを見つけて購入したのが、今のトゥデイなんです。
――具体的には、トゥデイのどういうところに惹かれたんでしょう?
デザインですね。真っ赤な色にめちゃくちゃ惹かれました。多分、トゥデイのカタログカラーにもなっていたと思うんですが、乗るなら絶対赤色のトゥデイに乗りたいって思ったんです。サイトに出品されていたトゥデイも赤が綺麗に映えて、非常に状態が良かったので「これは買うしかない」って思って購入しました。
――元々、トゥデイのようなネオクラシックカーに興味はあったのでしょうか?
正直言うと、最初は興味がなかったんですよね。目で追っていたのはずっと新車ばかりでした。中学生の時から大学生の前半くらいまではずっとそんな感じだったんですが、周りの友人たちがネオクラ車を買い始めた時期があって、その時に昔のクルマの魅力に気づき始めたんです。
見た目だけじゃなくて、乗り心地とかも含めて、アナログの味わい深さというものが分かってきて、それでどんどん惹かれていったんですよ。ネオクラ車って自分が生まれるよりも前のクルマで、現代にない情緒を持っているんですよね。乗ると独特な空間に包まれて、まるでタイムスリップしたかのような感覚になるのが本当に好きなんです。
――トゥデイが出品されているのを見た時は、即決という感じだったんですか?
現車確認までは順調に進んだんですけど、実は見に行った後の1ヶ月くらいは「本当に増車して良いのか?」って悩んでいました(笑)。軽自動車なので、維持費は安いけど「2台分のお金がかかるしな」って、主に経済的な理由で悩んでいましたね。
――最終的に購入したのは、どういった経緯だったんでしょう?
実は当時、増車しようと思えたのは、友達と共同所有しようっていう話があったからなんです。だけど、いざ友達と見に行くと、友達が共同所有を考え直したいって言ったんですよね。それで、その話は白紙になったんですが、実車のトゥデイを見てしまった僕は、諦めきれない心境になってしまって(笑)。結局、その友達に自分1人で買っていいかって聞いてから購入に至ったという感じです。
――すっかり虜になってしまったわけですね。購入後、トゥデイに初めて乗った時のフィーリングはどうでしたか?
今メインで乗っているBMWってFRで速くはないんだけど、思い通りに動くクルマなんですよ。一方でトゥデイに乗った時は、FFでホイールベースが軽にしては長かったからか、最初は「曲がらないな」とか「カーブでめちゃくちゃロールするな」って感じていました。
それと、550ccの2気筒なのでめちゃくちゃ遅くて、それも含めて最初は不安だったんですが、今ではロールの感じとか遅さとかが、不思議と全然苦にならないんですよね。むしろ味わい深さがあるとすら思っています。
今までに感じたことがなかった“景色をゆったり見られて、余裕が生まれる”っていう感覚は新鮮で、かなり面白いと思いました。
以前乗っていたローバー・ミニは排気量こそあったけど、遅くて小さいので、その時の感覚と少し似ているなとも思いましたね。マフラーの音はローバー・ミニの方が存在感はありますが、トゥデイはひらひらって感じで軽やかに動く感じで、それが愛おしいです。
――トゥデイを買って周りの反応はどうでしたか?
トゥデイ自体、プロダクト的に優れたクルマということで、それを知っているクルマ仲間は「すごく良いものを買ったね」って言ってくれました。上の世代の人からは「昔乗ってたんだよ!」っていうリアクションとかもしてもらえて、本当に嬉しかったです。
トゥデイはこれまで乗ってきたどのクルマよりも、リアクションしてもらえる機会が多いなって思いますね。今思ったんですが、もしかしたらこのクルマの穏やかな雰囲気が、声をかけやすくしてくれているのかもしれないですね(笑)。
――トゥデイに乗るようになって変わったことは何かありますか?
軽自動車への見方が変わりました。自分が乗るようになって「クルマってこれで良いよな」って気付いたんですよね。必要最低限の装備とか、4人乗せても十分走れるし、小さくてもパワーがある感じとか。小さいからこそ感じる良さをトゥデイに乗って体感することができました。
――トゥデイに乗り始めてから、何か印象的な出来事はありましたか?
実は、このトゥデイと一緒に、乗るきっかけになったもてぎに行ったんですよ。あの時見た、真っ赤なトゥデイがいまだ展示されているのを見て、あらためてマイカーになったことを噛み締めたり、これからのカーライフへのワクワクを感じたりして、原点でもあるココに来て良かったなって思いましたね。
――マサキさんがトゥデイに求めているものは何ですか?
購入当時から、トゥデイには非日常感を求めていると思います。普段とは違ったカーライフを体験してみたいっていう思いもあって購入したのでね。
色々な場所へ行くのが好きなんですが、どこかに行く時、移動手段の中の1つに、映画みたいな雰囲気を感じられるトゥデイがあるって最高だなって思うんですよ。
――今振り返ってみて、マサキさんにとってトゥデイはどんな存在になっているんでしょうか?
なんかこう…たまに無性に食べたくなる、ちょっとクセのある食べ物とかスパイスっていう感じでしょうか。すごくリッチな気分になるわけじゃないんだけど、普段と違う味を楽しみたい時に食べる、そんな感覚に近いと思います。
これから先、例えどこかの調子が悪くなっても、直しながらずっと乗っていきたいですね。
マサキさんは幼少期から絵を描くことが好きで、中学生の時はノートの端っこにクルマの絵ばかりを描いていたという。
最近では知り合いから声がかかり、ギャラリーで初の個展を開催したのだとか。
クルマの絵を描き続ける理由を問うと「ただ好きだからです。あと、描かなきゃと義務的になるのではなく“気が向いたら描く”というスタイルだからこそ続けられるのかもしれない。」と話してくれた。
トゥデイが発売された当時のCMの「キミとなら仲良くできる」というキャッチコピー。それは、好きなものへの距離感を大切にする彼が、トゥデイを選んだ理由、共鳴するところでもあるのではないだろうか。
【Instagram】
マサキさん
(文:秦 悠陽)
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