愛車を知り、守り、走らせる。1999年式トヨタ・アルテッツァRS200 Z EDITIONが教えてくれた愛車ライフ

  • トヨタ・アルテッツァRS200 Z EDITION


1998年にデビューしたトヨタ アルテッツァは、軽快なハンドリングと210馬力を発揮する2リッター直列4気筒エンジン「3S-GE」を搭載。久々に登場したFRセダンとして話題を集め、今でも根強いファンを持ちます。

今回はこの1999年式のアルテッツァのホッテストモデル「RS200 Z EDITION」に24年間乗り続けるブラウンさんのカーライフを紹介します。

―――それにしても、24年という歳月を感じさせない美しさですね

イベントなどで「なぜ、こんなにきれいなんですか?」と驚かれることがよくありますね。カーポートで保管し、紫外線や風雨から車体を守るためにボディカバーを使っています。ドライブ後には軽く水拭きも心がけていますし、雨の日は必ずドアやボンネット、エンジンルーム、トランクを開けて水滴を拭き取るようにしています。

こうして短い時間でもこまめに掃除をする習慣のおかげで、きれいな状態を維持できているのだと思います。

  • トヨタ・アルテッツァRS200 Z EDITIONのサイドビュー

―――その習慣、見習いたいです。アルテッツァの存在はいつ頃知ったんですか?

発売された当時から知っていました。メディアでもかなり話題になっていましたし、FRだったこともあって「AE86の再来」とも呼ばれていました。

それで気になって、すぐに試乗したんですよ。ボディはかなりコンパクトな印象で、ワイド&ローなデザインもカッコ良かった。レビューでは「重い」と指摘されていましたが、走らせてみると体の一部になるような感覚で、210馬力のパワーや乗り心地のバランスも良く、とても好印象でした。素直に「欲しいな」と思いましたね。

  • トヨタ・アルテッツァRS200 Z EDITIONの3S-GEエンジン

―――そんなブラウンさんは、歴代の愛車ってどんなクルマに乗られてきたんですか?

最初の愛車はシリーズ2代目のスズキ・アルトでした。当時の軽自動車はドラムブレーキが多かった中、私が乗っていた「Sグレード」は、専用装備としてディスクブレーキ、タコメーターが装備されていました。シートもバケットシート風。このアルトで「スポーティーな仕様が好み」という礎ができました。

そして、シリーズ3代目のソアラを新車で購入。2.5リッターツインターボが痛快で、5速MTに乗っていました。

  • スズキ・アルトとトヨタ・ソアラ

―――ATが人気だった気がするんですが、あえてMTで?

ソアラはスペシャルティカーですが、性能はスポーツカーのようなところもあったので、走りを楽しみたかったんです。5速MTは受注生産で、当時はかなり珍しかったようです。

―――なるほど。その次に、いよいよ今のアルテッツァとの出会いが?

いえ、その前にマークⅡ ツアラーV(JZX100)に乗っていました。実は購入して3年で盗難に遭ってしまったんですよね……。

―――なんと……!言葉にならないですね

本当にショックでしたね……。そんな中で今のアルテッツァに出会ったんです。盗難からしばらく経ったある日、友人の付き添いで中古車販売店に行ったときに、ブルーマイカ(カラーナンバー8M6)で3000キロしか走っていないほぼ新車のアルテッツァが展示してありました。

私はもともと白いクルマが好きなのですが、そのとき「このクルマは自分のところに来るべきだ」と直感したんです。「購入前提で」という条件で試乗させてもらいましたが、もうすでに気持ちは決まっていましたね(笑)

  • トヨタ・アルテッツァRS200 Z EDITIONの運転席

―――まさしく、ビビッときた運命の出会いですね!納車日のことは覚えていますか?

もちろんです。「本当に自分がこのアルテッツァのオーナーになったんだなあ」と感慨深くて……。うれしくて、自宅の周辺を延々とドライブしたことを覚えています。

―――それから24年が経過したわけですが、長く乗ってきてライフスタイルに変化はありましたか?

はい、SNSを始めたことでクルマ好きな友人が大勢できたんです。イベントや集まりで、気の合うクルマ仲間と集まったり、ツーリングしたりする時間が増えました。BBQに誘っていただくこともあります。

―――愛車がきっかけでつながる縁、最高ですね!

ミーティングといえば、ハチマルミーティングにも2015年から2020年まで6回参加しています。SNS上で知り合った方々とお会いしたり、いろいろな旧車を見学したりしながら楽しく過ごすことができました。こちらのイベントではアルテッツァは最も新しいクルマの1台で、5年間アルテッツァは私だけでした。

  • トヨタ・アルテッツァRS200 Z EDITIONのオフ会の様子

―――そのほかのオフ会にも参加されているんですか?

今年に入ってからはアルテッツァの全国ミーティングに初めて参加しました。200台以上のアルテッツァが集まっていて、カスタマイズも多種多様で新鮮な気持ちになりましたね。

  • トヨタ・アルテッツァRS200 Z EDITION

―――愛車をカスタマイズするにあたってのこだわりをお聞かせください

純正のイメージを崩さないことにこだわっています。後期型のオプションパーツを取り入れ、“分かる人には分かる”仕様にしています。

フロントスポイラー、マッドガード、メイクアップヘッドランプ、ダークスモークメッキテールランプ、マルチディスプレイ付センタータコメーター、メーター照度コントローラー、1枚革巻ステアリング、カラードルーフドリップモール(上級グレードL Edition専用装備)などです。

―――こだわりがすごい!特に1枚革ステアリングは、シームレスで質感も良さそうですね

はい、とてもいい触り心地です。それから以前、社外のエアログリルを付けていたんですが、カーボン調のプリントが剥がれてきたので、純正のスポーツグリルに交換。他にもグリルにTRD Sportsのエンブレムを取り付けていますが、これはもう新品では手に入りません。

  • トヨタ・アルテッツァRS200 Z EDITIONのヘッドライト

―――「分かる人だけに分かる仕様」、こだわりが伝わってきます!特にお気に入りのポイントを教えてください

まずは、メイクアップヘッドランプです。ヘッドランプ、テールランプは特別仕様車や仕様違いで、数種類のパーツがありますが、これは後期型の純正オプションで、通常メッキのガーニッシュ部が艶消しブラックになっています。

さらにリフレクターが薄いブルーにコーティングされていて、ブラックのガーニッシュとの相乗効果で精悍な顔つきに引き締めてくれています。もう新品では手に入らないのでリペアして、ヘッドライト表面のクリアコートを削り落として新たにクリア焼付塗装をし直しました。

  • トヨタ・アルテッツァRS200 Z EDITIONのメイクアップヘッドランプ

―――まるで新品みたいにキレイになっていますね!

もう1点、マルチディスプレイ付きの後期型用のセンタータコメーターもポイントなんです。
マルチディスプレイはスピード、航続可能距離、瞬間燃費を切替表示できる機能があります。前期型であっても、配線を一部追加すれば装着できますよ。

  • トヨタ・アルテッツァRS200 Z EDITIONのマルチディスプレイメーター

―――そして、ホイールとキャリパーも美しいです

今履いているホイールはキャリパーやローターがよく見えるデザインなので、錆が出ないように塗装しています。ローターは車検のたびに錆止めをし、下回りにも錆止めを施していただいています。

  • トヨタ・アルテッツァRS200 Z EDITIONのホイールとブレーキ

―――今後さらに手を加えたいところはありますか?

カスタムよりも予防整備に力を入れたいですね。これまで大きな故障はありませんが、旧車の領域に入ってきているので、何が起こるかわかりません。ある程度の覚悟をして乗っているつもりです。年式的に燃料ポンプ、イグニッションコイル、オルタネーター、ラジエーターも劣化する頃なので、近いうちに交換予定です。

―――そんな愛車と、どのように過ごしていきたいと思いますか?

「24年間、大きな故障や事故もなく走ってくれてありがとう」と言いたいですね。ここまで来たら、どちらかが走れなくなるまで一緒に走り続けたいです。

―――最後に、ブラウンさんが感じているアルテッツァの魅力についてお聞かせください

キャッチコピーに「FRの走りの快感とセダン・フォルムの幸せな融合」とあるように、その言葉通りの魅力があります。パワーを持て余すことなく使い切れる楽しさがあり、一体感を味わえるクルマだと思います。

また、パーツやボディカラーのバリエーションも豊富で、ブルー系は特別仕様車を含めると、5種類のカラーが揃います。社外品パーツも豊富に揃っています。
走りもカスタマイズも楽しめて、奥の深いカーライフが送れるクルマですね。

  • トヨタ・アルテッツァRS200 Z EDITIONと海

24年間、大きな故障や事故もなく走り続けてきたアルテッツァ。「いつか別れが来るかもしれない。それでも、どちらかが走れなくなるその日まで一緒にいたい」というブラウンさんの言葉からは、長く付き合うからこそ生まれる愛車へ感謝と覚悟が感じられました。

ブラウンさんとアルテッツァが紡ぐ“愛車ライフ”が、今後さらに輝くものであることを願わずにはいられません。

【X】
ブラウンさん

(文:野鶴美和)