3台のジムニーと、人生を変えた出会い。JB64で見つけた新しい世界
クルマとの付き合い方は人それぞれです。ドライブを楽しむためだったり、家族との時間を過ごすためだったり、あるいは趣味を楽しむためだったり——。
今回お話を伺ったjujuさんにとって、ジムニーは少し特別な存在です。2018年式のJB64をメインカーとして、現在は3台のジムニーを所有。ビンテージアメリカン風に仕上げた愛車でドライブを楽しみ、ときにはオフロードレースにも挑戦しています。
でも、今回の取材で印象に残ったのはカスタムや走破性の話だけではありません。「人とつながることを恐れなくなった」——そう語るjujuさんにとって、ジムニーは新しい仲間や親友との出会いをもたらし、人生にこれまで知らなかった色を加えてくれた存在でもありました。愛車とともに広がった、新しい世界について聞きました。
——まず、jujuさんの愛車について簡単に教えてください。
実はジムニーを3台所有しているんです。その中で、メインに乗っているクルマが2018年モデルの「JB64」です。
——ジムニーを3台ですか!?
どっぷり「ジムニー沼」の中にいます(笑)。
——今回は、メインに乗っておられる一台についてお話を聞かせていただけますか?
はい。JB64の中でも最初に出た「1型」というモデルで、アイボリーカラーのXCというグレードです。
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向かって右端が今回お話を伺ったJB64。中央はJC74 ジムニーノマド。左端がオフロードレース用にカスタマイズしたJB23ジムニー。
——ジムニーオーナーさんはカスタマイズをされることが多い印象ですが。
足回りも外見もフルカスタムしています。見た目では、ルーフを白に塗装してツートンカラーにしました。前後のバンパーやマフラー、とにかくすべて変えてます(笑)。
見た目は「可愛らしい系」に作ってあるんですけど、オフロードを走ることもあるので足回りは「ジャオス」というメーカーのパーツに交換しました。あんまり(ハードウェアそのものに関しては)詳しくないので、足回りのフルキットを買ってプロに取り付けてもらいました。勤務先が車屋さんなので、メンテナンスもしっかりやってもらっています。
——「可愛いだけじゃない」んですね。ちなみに内装は?
内装もちょっと可愛らしくしてあります。ジムニー好きって、DIYでいろいろしますよね。内装用のパネルを作っているジムニー乗りの仲間がいるんです。そのクリエイターさんの手作りパネルで内装はウッド系にしています。あと、運転席はレカロのシートを入れました。
——可愛さと走破性、両方を追求した仕様なのですね。
外観は「ビンテージアメリカン風」にしたので、ちょっと可愛らしい感じなんです。オフロードの雰囲気ではないんですけど、川や山に行くと性格的に「行け~」ってなってしまうんです(笑)。だから、走破性は外見よりもちゃんとしてあります。もう9年目になるので、整備のときは工場のメカニックさんに「過保護にしてやってね」ってお願いしています(笑)。
——過保護に可愛がっている、まさに「愛車」ですね。
大切にしてます。異音とか、ちょっとしたことにもかなり過保護なんです。「何かおかしいんじゃないかな?」と思ったら、すぐ整備工場の人に見てもらっています。
——足回りのカスタマイズは、イメージ通りの走りになりましたか?
そうですね。ジムニーって、オフロードを走る方はかなりリフトアップするんですけど、私はそんなに上げていません。純正のサスペンションより少し硬めとか、私の理想を話しながら仲間と一緒に選んだキットを入れました。とても満足しています。
——「走り」にはこだわっておられるのですね!
はい。JB64ではありませんが、オフロードレースの大会に出たこともあるんですよ。初出場で優勝してハマっちゃいました(笑)。
——すごい!
いえいえ、規模の小さい大会の女子の部なので参加者も多くなかったんです。でも、とてもうれしかったのを覚えています。
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オフロードレースでは優勝も経験しているjujuさん。
——楽しそうですね。
楽しいです! 48(歳)で初めてそういうところに行ったんです。私にとっては大きな挑戦でしたけど、ほんとうに楽しかったです。ジムニーって、今までできなかったことを「やりたい!」って思わせてくれるクルマです。元々スポーツはしていたんですけど、久しぶりに「火がついた!」って思いました。練習すればするほどタイムが伸びて、学生時代のノリが戻ってきた感じです。楽しくて仕方なかったです。
——オフロードレースにハマったのは、ジムニーとの出合いがきっかけなんですね?
そうです。ジムニーに乗るようになって仲間がたくさんできたんです。その人たちに「性格的に向いてるんじゃない?」って誘ってもらったのがきっかけでした。
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ジムニーが広げてくれた友達の輪。
——ジムニーの前は、どんなクルマに乗っていたんですか?
最初はパジェロミニ(三菱)でした。パジェロミニを2台乗り継いでライフ(ホンダ)に乗り替えました。子育て中は自転車を積むこともあったので、実用性の面からタント(ダイハツ)。その後で、ジムニーを買いました。初めてのクルマがパジェロミニなんで、やっぱり「そういうクルマ」が好きなんだと思います。
——元々オフロード系がお好きなんですね。
でも、ジムニーを買った当時はオフロードに興味があったわけではないんです。四駆らしい形が好きだったんです。パジェロミニに乗っていたころはオフロードに行ったことはなくて、ただ形が好きだったんです。
——形が気に入ってジムニーを選んだら、友だちの輪が広がってオフロードレースに出合ったというわけですね。
子育ても一段落して、自分の時間が増えたのも理由のひとつだと思いますが、ジムニーのおかげでいろいろと「行ってみようかな」って思う機会は多くなりました。友達の輪が広がって「多分、向いてるよ」って連れていってもらったのがオフロードでした。
——お話していても、とても社交的な印象ですね。
いえいえ、一人で子育てしながら働いていたので、毎日手一杯で「365日仕事」っていう感じでした。で、気づいたら40歳半ば。息子が大学生になって少し時間ができて…。
——そんなときに、ジムニーと出合ったわけですね。ジムニーのおかげで、いろんなことが変わったのでしょうか?
そうなんです。ジムニーのおかげで人と関わりを持つとか、人とつながることを恐れなくなりました。
結構、人見知りだったんです。離婚も経験しているので、傷つきたくなくて、人と深く関わることを恐れるようなところもありました。それが、年齢を重ねて少しずつ変わっていったんでしょうね。元々は人と仲良くなりたいタイプだったんです。そんなときにジムニーに乗るようになり、みんなで「わいわい」やれるようになっていったように思います。「やっと一人の時間ができて、好きなクルマに乗ってる。そういうところ(オフ会など)にも参加してみよう」と思ったんです。
ジムニーの集まりに参加するようになってからも、はじめは、ちょっと遠巻きに見ていた感じでした。「ママ友の輪に入れない」みたいな(笑)。でも、ジムニーと一緒なら話題もたくさんあるし、とりあえず人と関わることを恐れずに、オフ会に参加するようになりました。
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ジムニーのおかげで、オフ会などにも積極的に参加するようになったとのことです。
Instagramを通じて助けられることもありましたね。SNSだと、ちょっと本心が出せたりして…。今の型のジムニーに乗ったのが割と早かったので、インスタに投稿すると「ポンポン」っていう感じでフォローしてくださる方が増えました。
まずはSNSで文字のやりとりを繰り返して、それからオフ会に行きました。そうしたら「あ、ジュジュさんですね」って声をかけていただくことも増えました。人とつながることや、親しくなるために自分から声をかけるということを恐れなくなりました。ちょっと大げさな言い方かもしれませんけど「ジムニーと一緒だったら怖くない」って感じました。
——新しい世界の扉を開けてくれて、その後も一緒に楽しんでくれる。jujuさんにとってジムニーはそんな存在ですね。
ほんとうにそうです。私を表現してくれたりもするし、何より「人とつながることを恐れなくていいよ」って言ってくれるような友達と一緒にいる感覚です。
——とても素敵なエピソードですね。jujuさんの人生を明るく温かくしてくれたのがジムニー。
タイミング的なことも含めて、ジムニーとの出合いには大きな意味がありました。子育て真っ只中のときに乗り始めていたら、今と同じようなことはできなかったと思います。タイミングと縁と、いろんなことが重なったときに「この子(ジムニー)」に出合えたのがよかったんだと思います。
——ジムニーが人とのつながりを広げてくれた中で、とくに印象的な出会いはありましたか?
ジムニーにいちばん感謝しているのは、親友ができたことなんです! ジムニーに乗ってる女の子なんですけど。
——ジムニーがなかったら、出会わなかったんですね。
出会ってないです。仲間もできて親友もできて、ジムニーって私の人生になかった「いろんな色」をくれるクルマなんです。
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親友との出会いもジムニーのおかげだそうです。
——ジムニーが教えてくれた「新しい色」について、息子さんは何かおっしゃっていますか?
子供がいちばん驚いてます。私の父と母に「ママが元気になった。うれしい!」って言ったそうです。あと「日曜日に家にいなくなった!」って(笑)。一緒に暮らしていると息子も似てくるみたいなんです。おとなしくて色も白いほうだった息子がサッカーのサークルに入って、真っ黒に日焼けして…。今は大学院に行っているんですけど、いろいろなことに挑戦するようにもなったんです。
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ジムニーはご本人の人生だけでなく息子さんの生き方も変えてくれたように感じるとjujuさんは言います。
——息子さんの人生にも影響を与えているんですね!
だと思います。息子も自分自身の努力でいろいろなものをつかんでいるので、ちょっと「おこがましい」かもしれません。でも、とにかく彼は私の変化にとても驚いてます。
——今後、ジムニーで挑戦してみたいことはありますか?
この3年くらいで克服したんですけど、知らない場所を運転するのがちょっと苦手なんです。少しずつ距離を伸ばして、富士山までは行けるようになりました。3時間が限度みたいです。なので、もうちょっと先の関東方面に行きたいと思っています。その次の目標は、ジムニーで九州まで行くことです。
——このインタビューでも、九州、とくに阿蘇は皆さんきれいだっておっしゃいます。
そうですよね。SNSでもよく見かけます。あの風景を、ジムニーと一緒に見たいんです。
——九州には、お住まいから割と近い神戸からフェリーで行けますし。
そうらしいですね。あと1年で息子が大学院を卒業するんです。それまで、もう少し一生懸命働いて、余裕ができたら九州に行きたいと思ってます。あと「みんなで集まりましょう」って、オフ会的なものを時々やってるんです。そういうのを、もう少しコンスタントに開いていきたいなっていうのもあります。
「仲間もできて、親友もできて、ジムニーって私の人生になかったいろんな色をくれるクルマなんです」。取材の終盤、jujuさんはそう話してくれました。
ビンテージアメリカン風にカスタムしたJB64は、もちろん大切な愛車です。けれど、その価値はクルマとしての魅力だけではないようです。人とのつながりを取り戻し、新しい挑戦へ背中を押してくれたこと。息子さんが「ママが元気になった」と喜ぶほど、毎日を前向きに変えてくれたこと。
jujuさんにとってジムニーは、ただの移動手段ではなく、人生の景色を少しずつ変えてくれた「もうひとり」の親友なのでしょう。今日もまた、jujuさんはその親友と一緒に、新しい景色を探しに出かけていくのでしょう。
これまでの人生ではいろいろとご苦労があったようですが「大好きなジムニーを3台手に入れられたことは、私にとってちょっと誇りなんです」と語ってくれました。
【Instagram】
jujuさん
(文:石川 徹 写真:jujuさん提供)
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