【おしゃれなあの人の気になるカーライフ】2輪と4輪を意のままに操縦するモータージャーナリスト
「街で出会ったおしゃれな人のあの雰囲気に憧れる〜」。と、ウキウキした経験はありませんか。その人はきっと、ファッションや、行く先、趣味、生活模様だけでなく、クルマの乗りこなしに至るまでも、自然でさりげなくて、その人全体が魅力的なはず。そんな人たちの、おしゃれでさり気ないクルマとの暮らしを、ちょっと覗いてみました。
バイクに乗り始めたのがきっかけで今の道に
撮影現場に小気味よい、いかにも速そうなエンジン音を奏でながら来てくれた彼女。フェミニンなパープルのセーターをざっくりと着こなしている姿がスポーティーな車体に意外にもマッチし、クルマ好きな女性であることが雰囲気からも伝わってくる。
フリーランスのモータージャーナリスト、ライターとしてさまざまなメディアで活躍する彼女の愛車はトヨタの86。シフトレバーとクラッチを巧みに操作し、軽快にクルマを操る姿もかっこいいが、バイク歴はもっと長いそう。
「大学を卒業して、社会人になるタイミングでどうしても移動手段がほしくて、ビッグスクーターに乗り始めたのが最初です。その頃は普通に日常の足として乗っていました。で、当時の仕事の関係で、偶然Moto GPというバイクレースを目にすることがあったのですが、レーサーたちがコーナーで車体を傾けて、バンクして曲がる姿がすごく美しくて、印象的だったんです。カーブに差し掛かると同じタイミングでパタパタって車体を傾けて、同じタイミングでサッと起き上がる。それを見て、なぜか分からないけど、私も絶対あれやりたい! あの列に入りたい!って思ったんです」
サーキットに通いライディングテクニックを磨き、“膝擦り”と言われるコーナーリングもできるように。この経験が、彼女の後の仕事にも繋がっていく。
思い立ったら即行動に移すという先川さん。当時AT限定の二輪免許しか持っていなかったが、すぐにMTで取り直し、KAWASAKI Z250を購入。本格的にバイクに乗り始めたそう。
「バイク好きの人たちにツーリングに連れていってもらうことから始め、徐々にサーキットにいって練習するようになりました。やり始めるとのめりこんでいって、遂には車体を傾けてスムーズに曲がれるようになったんですよ。でも、サーキットってすごくお金がかかるから、なかなか行けない。でも、もっと乗りたい。それでどうやったらもっと乗れるのかを考えて、バイクの仕事をしようと。単純な発想かもしれませんが、ほんとにそうなんですよ(笑)。まさか、あの日見たバイクレースがきっかけで、今の仕事に繋がるとは思ってもいませんでした」
そんなあの人のクルマとの関係
その後、バイクのメディアなどで記事を書き始めた先川さん。仕事の幅を広げる意味もあり、4年前にトヨタの86を購入したという。どうしてこのクルマを選んだのだろう。
「バイクからクルマまで仕事の幅を広げようと思ったのですが、どうせなら乗れないクルマがないほうが良いと思い、マニュアル車を選ぼうと思ったんです。それで現行で買える車種で、マニュアル仕様があって、ある程度荷物が積める後席があり、頑張ればサーキットも走れるクルマ。その条件を完璧に満たしてくれるのがこの86でした」
トヨタ86は2016年にマイナーチェンジが行われ、それ以前の前期型と現行の後期型が存在。先川さんは後期型のデザインがとても好みだったそう。
「最初は中古で探していたのですが、探しているうちにマイナーチェンジが行われて外観が変わり、その顔つきがとても私好みだったんです。いかにも速そうで、スポーティーで、ロー&ワイドスタイルになっていて。これは新車で買うしかないなと。前期型を中古で買うのと、そんなに大きく価格が違わなかったというのもあります」
媒体の企画で取り付けてもらったというTOM’S のホイールやマフラーもお気に入りポイント。リアウイングはSARD。お世話になっているというオイルメーカーのステッカーも貼られている。
「カスタムの幅が広いのもこのクルマの魅力です。購入と同時に付けたのがSARDのリアウイング。カーボン製で簡単にレーシーな雰囲気をプラスでき、大き過ぎず小さ過ぎないサイズ感も理想でした。ホイールも純正で充分にカッコいいですが、変更したことで見た目の印象が変わりました。マフラーはエンジンにとって重要な機能パーツで、見た目だけでなくサウンドも変わります。TOM’Sの4本出しチタンマフラーを付けていますが、青い焼き色が大好きでずっと憧れていたこともあり、付けてもらった時はとても嬉しかったですね。オイルをサポートして頂いているペトロナスさんのステッカーは、レース車両などによく貼られている、スポンサーステッカーをイメージして貼っています。ノーマルの状態も大好きでしたが、カスタムすることでより愛着が湧き、もっと好きになりました」
仕事柄、長距離移動も多いというが、どんなに遠距離でも、移動はほぼ自身の愛車で行くという先川さん。東京から大分のオートポリス(片道約1200km)もこの86で行ったそう。
「モーター系のイベントやサーキットでの取材などで遠方に行くこともしょっちゅうですが、ほとんどは自分で運転して現地までいきます。片道5時間くらいならいつものことですし、鈴鹿くらいならすぐそこだと思っています(笑)。一番の長距離は大分県にあるオートポリスというサーキット場。東京からだと片道1200kmくらいありますが、このクルマで行きました。運転することが大好きなので、どんなに遠くても全然苦ではないんです」
「ミッション車を選んだのも正解でした。もちろん最初からスムーズに運転できたわけではなくて、購入した時もエンストばかりしてクルマ屋さんから出られなかったほどだったんです(笑)。でも、今は信号待ちの時に隣のクルマより少し早く発進できたとか、クラッチが自分の思うように滑らかにつながった時とか“よし”って感じで、運転していても全然飽きない。自分の意思とクルマがシンクロして、意のままに操縦している感覚がとても楽しいんです」
乗り物がある生活の楽しさや、自由さを伝えたい
「今となってはクルマもバイクも私の生活に欠かせない、ライフスタイルの一部になっています。クルマがあることで行動範囲が広がり、誰に頼らずとも自分が行きたい時に、自分のタイミングで、どこにだって行くことができる。それって単純なことだけど、とても素敵なことだと思うんです。私自身、クルマやバイクを所有したことで自立心が養われ、生活や考え方も変わりました。これからも多くの人に、こんなに面白いんだよ、素敵なんだよってことを伝えていけたらいいなと思います」
プロフィール/先川知香さん
さきかわ・ちか/1985年生まれ。兵庫県出身。モータージャーナリスト、ライター。クルマとバイクの運転と、モータースポーツが大好き。愛車はバイクがカワサキ Z400、クルマはトヨタ 86。バイクやクルマのメディアや雑誌ほか、幅広いフィールドで活躍中。
Instagram @chika_kemari
( https://www.instagram.com/chika_kemari/ )
(取材・文/野村和幸 写真/入江達也)
[ガズー編集部]
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