【おしゃれなあの人の気になるカーライフ】休日はカメラを片手にロードスターに乗るデザイナー

「街で出会ったおしゃれな人のあの雰囲気に憧れる〜」。と、ウキウキした経験はありませんか。その人はきっと、ファッションや、行く先、趣味、生活模様だけでなく、クルマの乗りこなしに至るまでも、自然でさり気なくて、その人全体が魅力的なはず。そんな人たちの、おしゃれでさり気ないクルマとの暮らしを、ちょっと覗いてみました。

自由気ままなドライブはフリーランスの特権

鮮やかな黄色のロードスターでさっそうと現れたフリーランスデザイナーの武藤絵美さん。シンプルなコーディネートのファッションに、鮮やかな黄色いロードスターの相性がとてもおしゃれ。そんな絵美さんの日常には、いつもロードスターが一緒でフットワークはとても軽い。たとえばふっと思い立ったときにパソコンと、クルマの鍵を手に取り、愛車のロードスターに乗り込み家をあとにする。前から気になっていたカフェへ行くときもあれば、偶然その日に見つけたカフェへ入ることもある。

「住んでいる場所がちょうどよい田舎なんです(笑) 田舎から田舎だと道も空いているしクルマは走らせやすいし、駐車場を気にすることもありません。田舎道をぐるぐる巡るドライブは楽しいですね。ときに穴場のスポットを発見することもあって、そんなときはよろこびもひとしおです」
会社員という肩書を無くしてからは不安と隣り合わせの部分はあるけれど、人と人との出会いに助けられながらも、自分の力でひとつひとつ積み上げていく過程は楽しいという。

「仕事はグラフィックデザインやWEBデザインがメインで、女性のためのクルマ生活を応援するサイトのデザイン、執筆も携わっています。基本的に仕事は自宅が作業場ですが、今日は気分を変えて外で仕事をしよう!と思ったときにクルマに乗って仕事場所を探せるのはフリーランスとクルマのある暮らしの特権です。仕事の息抜きをするためにクルマを走らせることもあれば、ひとりでご飯を食べたいときや、あと、コーヒーが好きなのでおいしいコーヒーを飲みたいときもクルマに乗り込みます。こうやって話すと、本当に自由気ままなライフスタイルですね(笑)」

撮影協力:クロワッサンファクトリー五井店
http://www.croissant-shop.jp

きっかけは、テレビCMに魅せられて

風吹くままに心のままに、クルマ生活を楽しんでいる武藤さんがクルマに興味を持ったのは大学に入り芸術学部で学んでいたとき。スープラやスカイラインのテレビCMを見たときに心が動きました。

「ちょうどどういう道に進もうかと模索しているときに、CMや広告のグラフィックデザインで表現されているクルマを見て、かっこいいなって惹かれたんです。もともと男性的な表現が好きだったこともあるのですが、当時はもし、あのクールな世界観に女性の要素を入れたとしたらどうなるかな?と想像してはわくわくしていました。そこからだんだんと自分でもクルマを所有してみたいという思いが沸き起こり、21歳のときに免許を取得。社会人になったときにクルマ通勤となったので、マイカーとしてシビック(EK3)を購入しました」

就職先は希望通り、クルマに携わることができるパーツメーカーにてグラフィックデザインを担当。就職と同時に本格的にクルマのある暮らしがスタートすることになりました。
「最初は首都高も高速道路も恐る恐る乗っていましたし、周囲に迷惑をかけてクラクションを鳴らされることもありました。いろいろと難ありでしたが運転が嫌いになることはなく、それよりも早くクルマに慣れたくて、休日はわざと遠いカー用品店に行って洗車グッズを買いに行ったり、目的地を決めて遠い場所まで出かけたりと、ひとりでよくクルマと出かけました。今思うとそれがひとりドライブのはじまりですね」

<現在のロードスターとの日々 旅、カメラ>
今日は西へ、次回は東へ。方角だけ決めてひとり、クルマ旅

運転が怖くてびくびくしていたペーパードライバーからの脱出を試みていた頃は、もう遠い昔の話。シビックからMINI(R56)に乗り換えて、現在の愛車はロードスター。車体の低さ、体をすっぽりと包み込むシートから眺める車窓の風景がとても気に入っているという。
「低いアイポイントがわたし好み。シフトノブの位置も気に入っています」

外で仕事をするときはパソコンでしたが、プライベートではカメラを手にしてひとりドライブを満喫しているという武藤さん。クルマとドライブに行くときに必ずカメラを用意するようになったのは、MINIに乗り換えてしばらく経ってから。いまではデジタルだけでなく、フィルムカメラでの撮影にもはまっている。

2枚の写真は武藤さんがフィルムカメラで撮影したもの。写真左は千葉にあるカフェ、写真右は千葉にある武士の道

「ペーパードライバー脱出を図って運転の練習をしていたときは、事前にドライブルートを慎重に確認してからのドライブをしていましたが、いまは方角だけを決めてクルマと出かけています。今回は西の方へ行こうかなとか、次は東の方角へ行こうとか(笑) 出かける前に行きたい場所を一箇所だけは決めますが、そこから先は現地でスマフォを活用して心にピンっときた、スポットからスポットへ自由な探索ドライブを楽しんでいます。わたし自身とてもマイペースなので、誰かと一緒に行くのも楽しいですが、やっぱり少し気を遣ってしまうところがあるので、完全に自分のペースで行くことができるひとりドライブはとても好きです。お茶がしたくなったらカフェを探して、写真が撮りたくなったらフォトスポットを探すというような気ままなドライブ。偶然隠れ家的なカフェを発見したときや絶景と遭遇したときは本当に心が満たされます」

一日で400kmを超えるロングドライブをしても、運転中は疲れを感じることがないという。「ただただ走っていることに集中している感じなんですが、とにかく心地良いんですよね」

<今後の目標>
ロードスターが教えてくれた、わたしが未来にやりたいこと

あちらこちらへクルマとともに出かけるようになってから、武藤さんの胸の内にふと、こんなことが将来できたら楽しいかもしれないというあるひとつの想いが生まれました。
「ロードスターでいろいろな地域に行くようになって、撮影を重ねているうちに、わたしが知らない魅力的な土地がたくさんあることに気がつきました。同時にどんどん過疎化が進んでいる現実を見るととても寂しく悲しい気持ちにもなったり。デザイナーとして地方を盛り上げるような企画があったら参加したいなっていう思いが沸々と湧いてきています」

そんな温かい想いと熱い情熱が沸き起こったのも、ロードスターのある暮らしを送っていたことがきっかけ。これからも武藤さんの未来は、クルマとともに紡いでいくように感じたエピソードでした。

プロフィール/武藤絵美さん
むとう・えみ/1982年生まれ。福岡県出身。パーツメーカーにてグラフィックデザイナーを経て独立。現在はデザイナーとしてweb、雑誌、商品づくりなどを手がける。また女性のクルマ生活を応援するbeecar(https://www.beecar.jp/)副編集長も担う。


シャツ/KBF、パンツ/coen、靴/オニツカタイガー、指輪/アニクラポ、ピアス/雑貨オウル

(取材・文/鈴木珠美(officetama,Inc.) 写真/村上悦子)

[ガズー編集部]

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