【おしゃれなあの人の気になるカーライフ】四駆ライフを送る男前ママは第二の青春真っ只中

「街で出会ったおしゃれな人のあの雰囲気に憧れる〜」。と、ウキウキした経験はありませんか。その人はきっと、ファッションや、行く先、趣味、生活模様だけでなく、クルマの乗りこなしに至るまでも、自然でさりげなくて、その人全体が魅力的なはず。そんな人たちの、おしゃれでさり気ないクルマとの暮らしを、ちょっと覗いてみました。

生活の一部として常に四駆があるライフスタイル

山梨県道志村の林道を下っていった先にある、完成間近のキャンプ場。青空の下、カンカンと釘を打つ音や、木材をカットする音が森のなかに響いている。作業着姿のひとたちがテキパキと動き回るそんな場所で、カオリさんは愛車のランドクルーザー60とジープJ59と共に迎えてくれた。

現在、ご主人と20歳、17歳、12歳の3人の娘さんと共に神奈川県に住むカオリさん一家。前述した2台のほかに、ランドクルーザー40、デリカのキャンピングカーJB500を所有する生粋のクルマ好きで、肩肘張らず自然体でこれらの四駆と付き合っている。

昨年からご主人や仲間たちと道志村にキャンプ場の建設をはじめ、取材でお伺いした時は完成間近。まさに最後の詰めの段階で、慌ただしいタイミングだった。

敷地内から伐採した木は小屋などに使い再利用。カオリさんやご主人、お二人の幼馴染などの仲間たちで一から作りはじめ、約1年がかりで間もなく完成するそう。

「これまでは主婦として子育てをしてきたのですが、長女が20歳になり、ちょっと落ち着いてきたタイミングで、ふつふつと、これまでできなかった色々なことをやりたくなってきたんです。そんなタイミングでこのキャンプ場建設の話を頂いて、昨年の6月くらいから仲間たちとスタートしました」

「最初はほんとに何もない場所だったのですが、仲間たちと少しずつ作業を進め、ようやくキャンプ場らしくなってきました。なるべく自分たちの手で作りあげたくて、できることは全部自分たちでやってきたから結構時間はかかりましたね。私もチェーンソーの扱い方も覚えたし、一通りの作業はできるんですよ(笑)。受付スペースとなる小屋やトイレも間もなく完成します。早くオープンできるように、みんな急ピッチで進めているところです」

元々自然が大好きで、よく皆でキャンプを楽しんでいるカオリさん家族。ランクルで車中泊をしながら旅をしたこともあったそうだが、子供たちも大きくなったことで手狭となり、デリカのキャンピングカーも購入。まさに四駆三昧の日々を送っている。

「私も子供の頃、よく父親の四駆でキャンプに連れていってもらっていて、自然に山が好きになっていました。常に自然が身近にあったから、都会よりもこっちのほうが落ち着きますね。四駆が好きなのは、一つのギアのように扱えるから。いつもブーツについた泥はパンパンってタイヤを蹴って落としています(笑)。でも、それができるくらい、ラフで武骨な感じが好きなんです」

「休日は家族とクルマで出かけるか、主人と一緒にクルマをいじっているかのどちらか。主人がクルマ関係の仕事をしていることもあり、分からないことをは教えてもらいながら自分たちで整備しています。何かあっても自分たちで修理できることが大前提なので、必然的に電子制御が入っていない旧いクルマばかり(笑)。でも、手をかけた分だけ愛着が湧きますし、いじっている時間も楽しいんです」

旧い四駆が世界を広げてくれた

  • 険しい林道も難なくジープで走破。クラッチ操作もお手のもので、スイスイと悪路を乗り越えていく。このジープJ59は旦那さんのお父さんが買ったものを譲り受けたそう。

4台の旧い四駆を自由に乗り分けているカオリさん。四駆に乗るようになったことで仲間が増え、自身の世界観が広がったことも良かったことという。

「元々四駆は好きだったのですが、今みたいなマニアック路線が開花したのは数年前なんですよ(笑)。こういう旧いクルマ好きの人たちのコミュニティがあって、主人がミーティングイベントに参加する際に私も一緒について行っていたんです。最初は足回りがどうしたとか皆が話している意味が全然分からなかったのですが、知り合いが増えていくうちに段々と楽しさが分かってきて、気付いたら私もどっぷりとその世界に引き込まれていました。同じクルマ好きで、同じ趣味嗜好をもつ人たち同士なので感覚が合うし、話していても面白い。旧い四駆に乗り始めたことで仲間が増え、私自身の世界が広がったのも四駆が好きで良かったことです」

四駆を好きになるきっかけを与えてくれたロクマル

そんなカオリさんがファミリーカーとして乗っているのが、ランドクルーザー 60。実はこのロクマル、2代目だそう。

「主人がロクマル好きで、私も一緒に乗っているうちに大好きになりました。元々はディーゼルのロクマルに乗っていたのですが、調子が悪くなり買い換えたんです。違うクルマも考えて色々と探したのですが、これ以上にしっくりとくるクルマがなくて、結局、同じロクマルにしました。だから我が家では2代目ですね」

「たまたま中古車情報誌で見つけて一目惚れしたのですが、このロクマルはオーストラリアからの逆輸入車なんです。フロントにはカンガルーバーがついていた形跡があり、トランシーバーもついているのでレンジャーの方が乗っていたのかもしれませんね。この状態を大切にしたいので、ほぼ何もいじっていません」

「特に気に入っているのがボディーラインのはっきりとしたプレスと、独特な色合いのデカール。前オーナーの方が貼ったものだと思いますが、このヤレた感じが堪りません。鉄チンの純正ホイールが付いているのもこだわりポイントです」

「プラモデルのようなスイッチ類ほか、前席のベンチシートもお気に入り。トランシーバーは使えませんが、そのまま残しています。三角窓もオーストラリア仕様ならではのもの。ファブリックの風合いも好きなので、そのまま何も変えていません。基本的に改造はせず、どこか不調があれば自分たちで整備するだけです。旧いクルマならではの風合い、ヤレ感を大切にしたいと思っているので」

時計はタフなG-SHOCKを愛用。このランクルのロゴと型式をあしらったキーホルダーは、友人に作ってもらったものだそう。

「旧いクルマでもしっかりと整備して、大切にすれば快適に動いてくれます。このロクマルも乗り続けられる限り、ずっと乗り続けていきたい。できれば一生を共にするのが理想です。いつか前オーナーのお孫さんとかが私たちのSNSを偶然見て、“あ、おじいちゃんのクルマだ!”って言ってもらえないかな(笑)。それくらい好きなクルマだし、私にとっても、家族にとっても大切な1台なんです」

おばあちゃんになっても、四駆に乗っていたい

四駆に乗ったことで世界が広がり、ライフスタイルも大きく変わったというカオリさん。これからやりたいことも沢山あるそう。

「長女が20歳になり、子育てもひと段落したところで第二の人生じゃないけど、まだまだ沢山やりたいことがあって。まずはキャンプ場を完成させて、カッコいい場所として沢山の人に知ってほしいし、来てもらいたいです。

あと、今年ガレージハウスを購入して絶賛リノベーション中なので、そっちも主人と一緒に頑張って作らないと。ちょっと落ち着いたら、バイクの免許をとってモトクロスをやってみたいとも思っています。キャンピングカーで北海道に旅にも行きたいな。とにかくやりたいことが沢山(笑)。今を精一杯楽しんで、四駆を乗り回す元気でカッコいいおばあちゃんになりたいです」

四駆好きなカオリさんの、素敵でカッコいいライフスタイル。きっと何年、何十年たっても傍には武骨でタフな四駆があるに違いない。

プロフィール/SATO KAORIさん
さとう・かおり/1980年生まれ、神奈川県出身。夫婦共に生粋の四駆好きで、現在四駆ばかり4台所有。山梨県道志村にてキャンプ場WOODSMANを運営。SNSでも積極的に情報発信しており、ランクルに関する投稿は#ランドクルーザー60、ジープに関する投稿は#カオリのジープ、キャンプ場に関する投稿は#woodsmancampgroundで検索すると見ることができる。キャンプ場WOODSMANの情報は(https://woodsman.jp/)から。
Instagram @sugar.fragrance(https://www.instagram.com/sugar.fragrance/

ジャケット/POLO RALPH LAUREN(古着)、スウェット/REHOCER、デニム/ZARA、ブーツ/TIMBERLAND、時計/G-SHOCK

(取材・文/野村和幸 写真/入江達也)

[ガズー編集部]

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