「愛着は信頼から生まれる」。クルマのエキスパートが惚れ込む“隠れた名車” 2003年式ダイハツ・テリオスキッド カスタム スターエディション(J131G型)

愛車への思い入れはオーナーによってさまざまだが、故障がないことや対応の良さを通じて、「メーカーへの信頼感」も「愛着」へとつながるといえるかもしれない。

今回の主人公は、48歳の男性オーナー。職業は整備士で、レストアが難しいとされる車種も数多く手がける。その技術は、クルマのプロフェッショナルも一目置くほどだ。

そんなオーナーの愛車遍歴から、まずは伺うことにした。今回は、整備士という仕事柄乗ってきた車種が多く、今回は軽自動車のみの愛車遍歴をご紹介したい。

「最初はスズキ・アルトに乗りました。それからダイハツ・ミラターボTR-XX、スズキ・ワゴンR RR、ダイハツ・ムーヴ、スズキ・キャリィ、ホンダ・アクティ、ダイハツ・ミラのNAモデルなどに乗ってきました」

その中でも特に印象深かったクルマは?

「断然、ダイハツ・ミラターボTR-XXですね。このクルマは本当に速かった。軽自動車ですが4気筒エンジンでした。スポーツマフラーを装着して乗っていたんですけど、まるでハチロクなどに積まれている4A-G型エンジンのような音がとても気に入っていました。ボディの剛性も高くて、本当に良いクルマでした。良い個体が見つかればもう一度乗りたいんですが、今は価格が非常に値上がりしているうえ、個体数もきわめて少ないですね。余談ですが、ダイハツにはストーリアX4(クロスフォー)というラリーベースのクルマを販売していた時期があったんですが、このX4のエンジンのベースが、ミラターボのエンジンなんです。当時120馬力くらい出ていたと思います。ダイハツにはこうした“隠れた名車”が多いんですよ」

「ダイハツは隠れた名車が多い」と語るオーナーが、現在所有しているダイハツ・テリオスキッド カスタム スターエディション(J131G型/以下、テリオスキッド)に、今回はスポットを当てたい。

テリオスキッドは、コンパクトSUV「テリオス」の軽規格版として1998年から2012年まで生産されたモデルだ。ボディサイズは全長×全幅×全高:3395×1475×1740mm。排気量659ccの直列3気筒DOHCターボエンジンは、インタークーラー付きとの2タイプがラインアップされた。また、駆動方式は4WDに加えてFRが追加されていた。

オーナーの個体は2003年式で、2013年に購入してから5年半が経った。仕様はFRの4AT。特別仕様車のカスタム スターエディションとは、エアロパーツをまとったエクステリアはそのままに、装備を見直して購入しやすい価格に設定されたモデルだ。

まずはオーナーに、テリオスキッドに乗ろうと思ったきっかけを伺った。

「ダイハツというメーカーだったから、という理由が大きかったですね。ミラターボに乗っていたときも感じていましたが、ダイハツの軽自動車が持つ高い耐久性はメーカーのなかでも群を抜いています。家族の普段使い用でもあるため、妻の好みもふまえたうえで中古車サイトを使って検索し、この個体は現車を確認してその場で即決してしまいました」

決め手は何だったのだろうか?

「走行距離ですね。2万キロしか走っていない極上車でした。しかもダイハツのディーラーで売られていた中古車でもあったので、安心感があると思いました。それと、実際に足を運んだ際、こちらのディーラーの対応がすばらしかったんです。中古だし、決して高いクルマを買ったわけではないのに、保証がついていて諸費用も安い。接客も丁寧で、従業員の教育に力を入れていることがわかりましたね。優秀なセールスだからといって、強引なプッシュをすることはありません。アットホームな雰囲気が心地いいディーラーでした。クルマへの思い入れは、購入先の対応で左右されるといっても過言ではないかもしれないですね」

実際に乗ってみての感想は?

「めちゃくちゃ良いですね。買い物はもちろん、遠出にも使っています。ターボエンジンなので走りもいいし、高速道路でも安定していて疲れません。私は、このクルマが、普通車モデルのテリオスと共通のボディだということに、乗ってから気づきました。インナーフェンダーを装着する穴がそのままになっていたので、これは普通車のモデルがベースなんだなと(笑)。ああいう形状の軽自動車自体、珍しいですよね」

意外にも多くの人が、テリオスキッドの良さに気づいていないのではないだろうか。オーナーの見解を伺ってみた。

「テリオスキッドは、見た目は可愛いけど、実は硬派なクルマなんですよね。多くの人が、このクルマの良さに気づいていないのではないでしょうか。そもそも、縦置きエンジンにFRであるところから、他と違いますよね(笑)。ステアリングは女性でも扱いやすいように軽くてクイックですが、まるで “重ステ”のように自分で戻さなければならないという一面も持っています。テリオスキッドには、まるで精鋭たちがつくりあげたようなクラフトマンシップを感じます」

このテリオスキッドで気に入っているポイントを伺ってみた。

「乗り心地の良さと質感の高い内装ですね。エアコンがアナログ操作である点も好きです。今のクルマはモニタータッチで操作しなければならないので、逆に煩わしさを感じてしまいます(笑)。そして何より故障しないことです。消耗品のメンテナンスをしているだけで、5年半故障したことはありません」

最後に、今後愛車とどう接していきたいかを伺った。

「致命的な故障がない限りは、永く乗っていきたいですね。そして、こういう“隠れた名車”が、もっと脚光を浴びたらいいなと思います」

消耗品を交換するだけで、トラブルもなく走りたいときにきちんと走ってくれる。シンプルだが、クルマとオーナーの理想的な関係がここにあった。「愛着は信頼から生まれる」。このテリオスキッドは、優秀なメカニックであるオーナーのもとで、今後もいきいきと走り続けていくに違いない。

(編集: vehiclenaviMAGAZINE編集部 / 撮影: 古宮こうき)

[ガズー編集部]

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