都内でちょい乗りに使える超小型電気自動車のシェアリングサービス「Times Car PLUS × Ha:mo」
(※画像出典:https://www.toyota.co.jp/jpn/tech/its/hamo/より)
前回、愛知県豊田市で展開している超小型EVを使ったシェアリングサービス「Ha:mo RIDE」を紹介したが、今回は同じ仕組みを使い、東京都内で利用できる「Times Car PLUS × Ha:mo(タイムズカープラスハーモ)」を紹介したい。
こちらは、現時点では実証実験という形で、2015年10月から開始されているもの。その名前からわかるとおり、トヨタ自動車と「Times(タイムズ)」を運営するパーク24グループとが協業で行っているプロジェクトだ。
1人乗りの4輪EV「COMS」(写真左)と、同じく1人乗りながら3輪でバイクのような感覚で走れる「i-ROAD」(写真右)
基本的な使い方は豊田市の「Ha:mo RIDE」と似ているが、借りられる車両は少し異なる。
講習不要で乗れる1人乗りの「COMS(206円/15分)」は同じだが、それ以外に、3輪の「i-ROAD」(412円/15分)がある。
i-ROADは後輪操舵で運転に少しコツがいるので、初回のみ講習が必要だ。現在COMSは約120台、i-ROADは5台で運用中である。
また、実質的な運営をパーク24が行っているので、利用するには同社の運営するタイムズカープラス(カーシェアリングのサービス)への入会が必要だ。個人会員の場合、月額基本料金として1,030円かかるが、これは利用料金に充当できる。タイムズカープラスに入会後に、「Times Car PLUS × Ha:mo」の利用規約の確認・同意をすることで、利用可能になる。
利用時にはスマホアプリ「Ha:mo RIDE」にて、出発地と目的地のステーションを指定すると、利用可能な車のナンバーが充電量とともに表示されるので、ここで「確認する」を選ぶだけで、一般的な予約にあたる利用登録は完了。これで30分間取り置きすることになる。
利用しないまま30分経つと自動的にキャンセルされる。レンタカーとは違って、厳密な時間指定で乗るのではなく、検索して空いている車両があれば利用登録してスグ使うというスタイル。返却時間の指定も必要なく、15分単位で課金される。最大の特徴は、レンタカーのように借りた場所に返す必要はなく、ワンウェイの乗り捨てができることだ。
アプリでは、ステーションをマップから指定でき、出発地と目的地のステーションを指定して「確認する」をタップすると利用登録となる
行った先で空いている駐車場を探す必要がなく、駐車代もかからない
- トヨタ自動車株式会社 コネクティッドカンパニー MaaS事業部 モビリティサービス事業室 松本佐織さん
サービスについて、トヨタ自動車 コネクティッドカンパニー MaaS事業部 モビリティサービス事業室 松本佐織さんにお聞きしてみた。
松本さんいわく、「現在(2019年2月)都内に約80カ所のステーションを展開しています。公共交通機関の不便なエリアや、浅草・スカイツリー、東京ドームなど人気の観光スポットなどにあります」とのこと。すでにかなりの規模になっているようで、商業施設を目的地にしてのショッピングも楽しめそう。ほかにも、お台場の「パレットタウン」や有楽町の「イトシア」にもステーションがある。都内の複数の商業施設をHa:moではしご、なんていう使い方だって考えられる。
とくに便利なポイントを聞くと、「ステーションの大部分はタイムズ駐車場の一角ですが、アプリでの利用登録時に、すでに目的地の駐車スペースが確保されていることになります。レンタカーと違って乗り捨てですので、当然駐車料金もかかりません」とのこと。最初に目的地となるステーションを指定してあるので、現地で空いている駐車場を探す必要がないというのは、都内では重要なポイントだろう。
ちなみに充電器のあるステーションでコンセントにさして返却すると、充電特典でポイントが貰えるという、シェアリングサービスならではの工夫もある。ただしすべてのステーションに充電器があるわけではないので、中には充電切れになってしまう車両もでてきてしまう。そうした車両の充電や、あるいはステーションごとの配車状況の調整、車両点検などに、きめ細かい対応が必要で、ここをどう効率的にするかが今後の課題と言えそうだ。
なお、ステーションはタイムズ駐車場のほかにも、歩道の切り欠きに駐車スペースを作る、国土交通省「道路空間を活用したカーシェアリング社会実験」にも参画している。これは、国道1号線地下鉄大手町駅近くと、国道15号線新橋駅近くに設置されている。駅近くにあると、鉄道と連携して活用できる。ちょっとした空きスペースを活用できるのが、パーソナルモビリティのメリットだ。
「道路空間を活用したカーシェアリング社会実験」で歩道に作られたステーション。リモコンで可動ポール(ライジングボラード)を昇降させる
(※http://www.mlit.go.jp/common/001155092.pdfより抜粋)
i-ROADは走ること自体が楽しみ
まだ珍しいi-ROADについて聞いてみると、「i-ROADは、移動そのものよりも走る楽しみを目的として乗られる方も多いです。タイムズカープラスのステージ2以上の会員で、事前に講習も必要と少しハードルがありますが、ぜひ見つけて乗ってみて欲しいですね」とのこと。前2輪の3輪で、動きが少し4輪車と異なるし、周囲からも注目されそうだ。ステージ2になるには、カーシェア等の利用や、車内美化、給油、エコドライブなどで貯まるプラスポイントを貯める必要がある。タイムズカープラスをある程度コンスタントに利用している人は、ぜひ試しに乗ってみて欲しい。
- 3輪のi-ROADは都内で5台のレア車両。後輪操舵で、バイクのように傾けながら曲がるちょっと特殊なクルマで、乗るには講習も必要
生活圏とステーションがマッチすれば手放せないサービスに
都内の電車移動では少し不便な短距離の移動に、とても便利そうなサービス。ステーションに乗り捨てができるので、電車と同じように通勤など目的地への移動に向いている。
道路の激しい渋滞が予想される時間帯は電車で移動し、帰路のみ利用するといったフレキシブルな活用もアリだろう。電車やバスと異なり24時間いつでも使えるのもメリット。
都内も意外と坂が多いので、そうしたロケーションなどでうまく活用するとよさそうだ。都心部は地下鉄も多く、密に電車網が整備されているのだが、少し離れると手薄なエリアも多い。湾岸エリアあたりとか、南北方向の移動などが思いつく。
まだそれほどメジャーな移動手段ではないが、自分の活動圏内で利用できることを知ってしまうと、手放せないサービスになりそうだ。もし、職場の近くや、ショッピングなど遊びに行く先にステーションがあるなら、試しに活用してみてはいかがだろうか?
「Times Car PLUS × Ha:mo」のステーション
(※https://plus.timescar.jp/tcph/から抜粋)
[ガズー編集部]
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