トヨタ勝田貴元ラリージャパンDay3に4つのステージで優勝、最終日Day4はトヨタの1-4位独占を目指して全力プッシュ

ラリージャパン2023のDay3が愛知県新城市、岡崎市、豊田市で行われた。雨は降らなかったが、冷たい風が吹きつけ、まるで真冬のような寒い一日であった。そのような中、今年一番の熱い走りを見せてくれたのが、TGR-WRT18号車の勝田貴元選手だ。

勝田選手の2023年の現状の成績はランキング7位でラリー別では第2の故郷フィンランドでの3位表彰台が最高の成績だ。10戦目以降は表彰台までもう一歩という状態が続いており調子は悪くない。しかも今年は昨年の3位以上の成績を目指したいと公言している。しかし2日目SS２に雨を原因としたクラッシュをしてしまい、SS3を終えた時点で24位、トップと5分29.1秒差となった。ところが大雨によりSS4がキャンセル、午後のステージに向け豊田スタジアムに戻ることができ、勝田選手にとっては幸いな展開となった。メカニック達の懸命な作業によりマシンの戦闘力は戻り、午後のステージに臨むことになり、SS5、SS6、SS7でステージ優勝をはたした。その結果Day2を終えた時点で9位、トップと5分7.9秒差までタイムを縮めた。

Day3は寒いが路面は終日ドライ。最初のSS9で観客がコースに入ったという理由で赤旗中断となり勝田選手は影響を受けたもののハンディタイムもあり2位となった。その後、山中で行われた4つのステージ（三河湖2ステージ、額田の森、新城市）ではなんと全て優勝した。ステージが特に短いスーパーSSの岡崎市SSと豊田スタジアムSSSでは６位、7位、4位であった。その結果Day3終了時点で6位、トップとの差はDay2終了時点より87.7秒縮め3分50.2秒となった。

Day3のSS15終了後に勝田選手は、「1日振り返ると朝のステージがなくなったのは正直残念で、そこでかなりタイムを縮めていく作戦でした。最初のセクションだけちょっと抑えて、その後プッシュを始めようというところで、赤旗が出たので残念だったんですけど、次のステージはトップタイムで行けて、フィーリングもすごく良かったです。現在のポジションは自分としては望んだ位置ではないですけど、最初のミスでこんな結果になって、残念な気持ちはまだまだいっぱいありますけども、明日は一旦忘れてトヨタがワンツースリーフォーを取れるように、最後まで駆使します。そして明日はコンディションがまた不安定になると思うんで、朝のループで確認しないといけないかな。」とインタビューに答えた。
一方で14.9秒差の5位タナク選手について「タナク選手は元ワールドチャンピオンですし、タイムを出したいところで間違いなくタイムはだしてきますので、タイム差はそんなにないんですけど、簡単にキャッチできるとも思えないです。とにかく、自分はベスト尽くせば結果でついてくると思うんで、自分ができる限りのことやるだけです。」とも答えている。

Day4が行われる愛知、岐阜県の山中は夜中に雪が降る予報がでており難しいレースになることが想像される。また2023年のドライバー、マニュファクチャーのチャンピオンも決まっているなか、3位と4位のタイム差が88.7秒と大きく空いている。そのため上位の選手達は順位を守る走りをしてくる可能性が大きい。一方で勝田選手は全開でプッシュするため4位ゲットも夢ではない。2023年の集大成としてトヨタの1-4位独占を期待したい。

（GAZOO編集部 岡本）