『東京湾アクアライン』おすすめポイントと苦手な方の対策方法

  • 写真:AC

首都圏の道路で景色が良いところといえば、必ず上位にあがるのが『東京湾アクアライン』(以下 アクアライン)です。

アクアラインは、神奈川県川崎市から千葉県木更津市を結ぶ自動車専用道路で、1997年の全線開通当初、海の中道を横断する道路は画期的だったことに加え、アクアラインに設置された「海ほたるPA」から見える東京湾の景色がキレイだと話題となりました。

現在も、通勤・物流・観光などさまざまな目的で、たくさんの方に利用されています。さらに、アクアライン終点に近い木更津金田IC周辺では、新興住宅地や大型商業施設が建設され、これからますます需要が高まることでしょう。

そんなアクアライン、運転していて「怖い」と感じることもあり、かなり気をつかって運転することもあります。それには、アクアラインならではの構造が関係しています。

アクアラインには、運転する上でのポイントや怖さ対策がいくつかあります。清々しい景色を満喫するためにも、構造を理解し、対策をしっかりしましょう。

アクアラインの特徴

アクアラインというと、景色が素晴らしい橋の上を走行するイメージが強いですが、実際は、主にトンネルと橋梁で道路が構成されています。

東京湾アクアトンネルは日本で4番目に長いトンネル(全長約9.5㎞)で、東京湾アクアブリッジは日本一長い橋梁(全長約4.4㎞)です。

また、アクアトンネル内は、一般国道のなかで最も標高の低い位置(海面下60メートル)を通る道路となっています。(アクアラインは、道路法上では、国道409号線の路線に指定される自動車専用道路です。)

海上を走るため、強風が多発

アクアラインは海の上を走るため、都市部や山間部を走行する高速道路よりも、天候の影響を受けやすいです。そもそも海の上ということで、風が強い日が多いのですが、近年は異常気象も多発し、統計でも強風が増えたことで、より強風の中のアクアラインを走行せざるを得ないことが多くなりました。

そのため、ハンドルがとられたり、突然ふらついたりなど不安定な運転になることがあり、アクアラインや強風のなかでの運転経験が少ない方にとっては、怖いと感じてしまうのです。

天候の影響を受けにくいトンネルなら安全か、というと決してそうではありません。トンネルの長さが約10キロ弱と長いうえに、ほぼ直進という道路形状から、速度が出やすい場所でもあります。

アクアトンネル内は、明るめにラインが照らされていますが、それでも日中の屋外に比べたら圧倒的に暗く、そのなかを約10㎞も走らないといけないため、かなりの集中力が必要です。

アクアライン走行時の注意点と対策

  • 写真:AC

アクアラインが怖いといわれる理由を理解したうえで、その怖いイメージを克服するべく、ポイントを押さえながら対策していきましょう。

アクアラインを走行する際は、4つのポイントがあります。

①ハンドルをいつもより強く握る

まず、強風の中を走る機会が多いため、通常よりもハンドルを強く握るようにすることです。ほんの少し強く握るだけで、ハンドルをとられにくくなり、ふらつきも抑えられます。

②滑り止めの付いた手袋を装着

ハンドル操作を助けてくれたり、手汗などによってハンドルが滑ることを防いでくれるドライビンググローブを使うとより安心です。

③普段より車間距離を長くとる

突然の強風に対応できるように、前車や側方、後方にいる車とも車間距離をとるように心がけることも大切です。

自分が突然ふらつく可能性もあれば、周囲の車が急にふらつくことも考えられるため、お互いを守るためにも、車間距離をとりましょう。

④速度を常に意識する

基本的に時速80キロに制限されていますが、トンネル・橋梁含めて、ほぼ一直線の道路で速度が出やすい構造です。また、強風の影響で、路上に落下物があることも多いです。

当たり前のことではありますが、スピードメーターを確認しつつ、状況に応じて大幅に減速するなど、速度コントロールをより意識することが重要です。

また、天候や風速によって時速80㎞未満に速度制限されたり、場合によっては通行止めになったりすることもあります。
事前に天候やNEXCO東日本(関東)が出している最新の交通情報を確認することも大切です。
(全国の高速道路交通情報サイト:ドライブトラフィック (drivetraffic.jp)

交通量や料金は?

  • 写真:AC 海ほたるPAは、全国的にも珍しい「Uターンができるパーキングエリア」です

交通量について

アクアラインはその需要の高さゆえに、交通量が多い道路で、渋滞も頻発します。渋滞は主に週末に発生し、土日の午前中は木更津方面に向かう下り線が、午後~夕方にかけては川崎方面に向かう上り線が渋滞する傾向にあります。

特に土日の下り線の渋滞が大規模で、朝6時を過ぎると渋滞が始まり、東京都心や横浜から、アクアラインの海ほたるPAにたどり着くまで、所要時間2時間以上ということも珍しくないのです。

アクアラインのルートとは別に、東京湾の海岸沿いを通っている首都高湾岸線や東関東自動車道もあるので、アクアラインの渋滞があまりにもひどい場合や、強風で通行止めになっている場合は、そちらのルートを使用するのも1つの方法です。

料金について

「川崎浮島JCT~木更津金田IC」が、普通車で通常料金3140円/ETC割引800円となります。

アクアラインでは、海ほたるPAを目的地に訪れる方も多いことから、海ほたるPAを利用後にUターンできる構造になっています。Uターン利用時にもETC割引が適用され、川崎浮島JCT~木更津金田ICと同料金での利用が可能です。

当初、このETC割引の適用は、2022年3月31日まででした。しかし、ETC割引制度が導入されて以降、交通量増加や経済・観光の発展など、一定以上の功績がでたことから、今後ますますの活性化を図る目的で、国土交通省・千葉県・NEXCO東日本より、ETC割引制度を2025年3月31日まで延長することが発表されました。

ただし、状況に応じて、ETC割引制度の見直しが今後行われる可能性もありますので、アクアラインご利用の際は、最新の情報をチェックするようにお願いいたします。

参照
東京湾アクアラインの通行料金800円を3年間継続します | NEXCO東日本 (e-nexco.co.jp)
国土交通省資料

海ほたるPA~木更津金田ICの景色は必見

  • 写真:AC

アクアラインの良いところは、なんといっても素晴らしい景色です。

特に、アクアラインの「海ほたるPA~木更津金田IC」を走行する際の景色がおすすめポイントです。

アクアラインが東京湾のど真ん中を通っていることもあり、東京湾の景色と向こう岸に見える街並の景色の両方を堪能でき、この景色みたさに、遠方から足を運んで、ドライブされる方もいるほどです。

素晴らしい景色は、日中の晴れている時間帯では、いつでも眺められますが、個人的におすすめなのが、早朝~朝にかけての時間帯。少し薄暗く、若干霧がかった風景からみえる、東京湾と向こう岸の街並は、ほんとうに最高です。

とはいえ、先ほどもお伝えしたとおり、アクアラインでの運転は気をつけなければいけないため、運転には細心の注意を払いつつ、景色を楽しんでいただければと思います。

アクアラインを走行する高揚感、たまりません

  • 写真:AC

アクアラインは、楽しさと怖さを兼ね備えた道路です。怖さに関しては、対策をすれば不安をやわらげることができるので、対策方法を取り入れながらの走行がおすすめです。

アクアラインは首都圏のなかでも、かなり特徴的な道路で、アクアラインを何度か走行した経験がある私でも、毎回通るたびにワクワクしています。

アクアラインでの走行が初めての方や、そんなに走行したことのない方にとっては、よりワクワク感を味わって、楽しんでいただけること間違いなしです。

東京湾アクアラインのトンネルからPA、景色を楽しめる橋梁まで、運転に気を付けながらまるごと楽しんで、ドライブしていただければと思います。

のっぴードライブログ

(テキスト/写真:のっぴー、編集:GAZOO編集部)