もっと高速道路に興味がわく!高速道路にあるインター番号のしくみ
高速道路を走る楽しみといえば、周辺の景色を眺めることやサービスエリアでの休憩などがありますが、高速道路に設置されている案内看板などをみるのも、意外と楽しいことです。
なかでも、特に多く設置されているのが、インターチェンジやジャンクションについての看板です。次のインターチェンジやジャンクションまでの残りの距離や、インターチェンジが近づいてくるとインターチェンジ周辺の主要な地名まで表示されています。
そんなインターチェンジについての看板には、大体数字が記載されているのですが、高速道路を走行したことのある方でも「仕組みは知らない」と伺ったことがあり、「意外だな〜」と驚いた経験があります。
インターチェンジの看板に記載されている数字は、インター番号と呼ばれるもので、各インターチェンジそれぞれに付けられていて、意味をもっています。
今回は、幼少期からインター番号に興味津々で、大好きな中央自動車道のインター番号を夢中で覚えていた私・のっぴーが、高速道路におけるインター番号のしくみについて、詳しくお話ししていきます。
各路線の起点が「1」で順次数字が増えていく
まず、インター番号の基本的な仕組みから。
インター番号は各路線の起点に「1」の数字が割り当てられます。東名高速道路(以下:東名)なら「東京IC」が、中央道なら「高井戸IC」がインター番号1番です。
そして、起点から次のインターチェンジやジャンクションが「2」、その次が「3」と順次数字が大きくなっていきます。これにより、インターチェンジやジャンクションが起点から何番目のポイントなのかが、あらかた分かります。
インター番号は、路線ごとに完全に分かれて割り当てられ、ジャンクションの分岐で、他路線に入った場合は、新しい路線のインター番号に変わります。
たとえば、中央道〜長野自動車道(以下:長野道)へ入った場合、分岐点となる「岡谷JCT」のインター番号は「21」ですが、長野道最初のインターチェンジとなる「岡谷IC」は、インター番号がまた「1」から始まります。
また、中央道と長野道のようにNEXCO管轄高速道路同士のジャンクションのインター番号は、主要路線側のインター番号が優先でつけられますが、東北自動車道や常磐自動車道のように、起点がジャンクションで、首都高などの都市高速との分岐点の場合は、起点のジャンクションにインター番号「1」がつけられています。
ちなみに、主要高速道路でも名神高速道路だけは、東名からのインター番号を引き継いでいます。
そのため名神最初のインターチェンジ「一宮IC」のインター番号は、東名最後のインターチェンジである「小牧IC」の「24」の次のため、「25」となっています。
開通後に設置されたインターチェンジやジャンクションには枝番がつけられる
前述のとおり、高速道路のインター番号は起点を「1」として、終点に向かって順に数字が増えていきます。ここで、1つ問題が思い浮かびます。新たに運用開始されたインターチェンジやジャンクションへのインター番号は、どのように割り当てられるのか。
新しく運用開始されたポイントから、インター番号を新しく割り当てることも可能ですが、そうするとそのポイント以降のインターチェンジやジャンクションのインター番号を全て修正する必要があります。となると、工事費や時間もかなり費やさなくてはなりません。
そのため、新しく運用されたインターチェンジやジャンクションについては、ポイントの前にあるインター番号に枝番が割り当てられることになっています。
たとえば、東名の「横浜青葉IC」は横浜市青葉区周辺の利用者が多いことを見込み、東名開通後の1998年3月より新たに運用開始されましたが、インター番号は1つ前の「東名川崎IC」の「3」に枝番をつけた「3-1」が割り当てられています。
最近では、サービスエリアやパーキングエリア、バスストップ併設のスマートICが全国的に増えており、それに伴って枝番のインター番号もどんどん増加しています。
枝番のインター番号については、前のインターチェンジやジャンクションとの間にまた新たなポイントが設置された場合は、番号が修正され新たなインター番号が割り当てられます。
東名の「裾野IC」は1988年3月の運用当初、「7-1」が割り当てられましたが、2012年4月に手前のポイントに新東名との分岐となる「御殿場JCT」が運用開始され、それに伴い「7-2」へ変更。さらに2020年3月には「駒門PA」にスマートインターが設置されたため、「7-3」にインター番号が変更されました。
今後開通予定のICのために、欠番になっているところも
実は東名と中央道は、インター番号「2」が“欠番”となっています。
これは、東名や中央道が開通するより後に、外環道と接続してジャンクションが運用される予定となっているため、欠番となっているのです。
インター番号に欠番があるところは全国的にもかなり珍しいので、私も気になり、それについて調べているうちに、他のインター番号のしくみにも興味がでてきました。
ちなみに、中央道はかつて「6」も欠番となっていました。これは、圏央道との接続に伴うジャンクション運用開始のために空いていた番号で、2007年6月に「八王子JCT」が運用開始され、インター番号「6」が無事に割り当てられました。
中央道では、インター番号「7」の「相模湖東IC」が、下り線の出口専用インターチェンジのため、東京方面へ向かう上り線については、八王子JCTが開通するまでインター番号「8」の「相模湖IC」の次が「5」の「八王子IC」となっていたため、インター番号が2つ飛ぶというかなり珍しい区間でもありました。
圏央道と外環道の特殊なインター番号のつけ方
首都圏の環状線高速道路である圏央道と外環道は、環状線という性質からジャンクションが多めに設置されます。先程までのインター番号の割り当てとは違う、特殊なインター番号の割り当て方がされています。
圏央道のインター番号について
圏央道のジャンクションのインター番号については、接続される路線の方のインター番号が優先で割り当てられます。
- 東名との分岐点である「海老名JCT」なら「4-2」
- 東北道の分岐点である「久喜白岡JCT」なら「3-2」
となります。
外環道のインター番号について
外環道は、ジャンクションのポイントごとに1桁の位が繰り上げされます。たとえば、「川口中央IC」はインター番号「64」ですが、次の東北道との分岐点である「川口JCT」はインター番号「70」となっています。
1桁の位が繰り上がるインター番号
そして、圏央道・外環道ともにインターチェンジのインター番号は、ジャンクションで1桁の位が繰り上がり、2桁+「1」から順次に割り当てられていきます。
このあたりが少しややこしいのですが、例えば・・・
圏央道の「高尾山IC」がインター番号「35」で、次の中央道との分岐点となる八王子ジャンクションで1桁繰り上がり、次の「八王子西IC」はインター番号「41」が割り当てられています。
環状線の高速道路といえば、中京圏の東海環状自動車道もありますが、こちらは東名や中央道などと同様のインター番号の割り当て方がされているので、圏央道と外環道だけが全国的にみても特殊なインター番号の割り当て方だといえます。
インター番号の活用方法
最後に、そのインター番号の活用方法や楽しみ方についてお伝えします。
インター番号の仕組みを理解し、名称とインター番号をセットで覚えることで、インターチェンジやジャンクションの位置をより正確に把握することができます。また、路線ごとのインターチェンジのおおよその距離感の目安にも使用できます。
〇インター番号とキロポストと合わせた活用方法
中央道のインター番号「15」の「甲府昭和IC」は、キロポストで見ると起点から約113㎞、対して中国自動車道のインター番号「15」の「落合JCT」は起点から175㎞のところに位置します。
これにより中央道の方が、インターチェンジやジャンクション間の間隔が短いことがわかります。
また、単純に高速道路の走行がおもしろくなることが一番大事だと考えています。
日本最長の長さをほこる東北道は、終点近くの青森県までいくと、インター番号が50番台にまでなるため、特殊なインター番号のつけ方をする圏央道や外環道でしかみないような、大きな数字がみられます。
このように高速道路を走ったからこそ見つけられる楽しみ方があります。
今回は主に、インター番号の仕組みや活用方法についてお話ししました。インター番号を活用し、みなさんの高速道路の走行がより快適に、そして楽しくなることを願っております。
(写真:AC、テキスト/写真:のっぴー、編集:GAZOO編集部)
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