高速道路の出口渋滞の要因と回避策
高速道路の出口渋滞は動きも遅くイライラしがち。しかも出口渋滞は危険地帯でもあります。何故出口渋滞が発生するのか、その回避策はあるのか解説します。
そもそも高速道路を走行していると、厄介なのが渋滞です。高速道路で一度渋滞が発生すると、時速約100㎞との速度差が大きいため、所要時間が大幅に増えてしまい、このあとのスケジュールがくるわされることもしばしば…。
色々な種類の渋滞がありますが、インターチェンジ(IC)の出口手前より混雑するいわゆる「出口渋滞」に遭遇すると、交通量だけでなく構造上の課題も多分にあるので、高速道路上での渋滞よりイライラ。
しかも、ICで高速道路を降りる人に影響を及ぼすだけでなく、本線の流れにまで影響を及ぼすこともありますよね。
出口渋滞のサイン
出口渋滞が発生していると、通常の渋滞と同様で高速道路上に設置されている電光表示板などにアナウンスされます。その為、高速道路の走行中は電光表示板をしっかり確認しましょう。
出口渋滞の特徴は、高速道路上の渋滞よりも渋滞の長さを事前に把握しにくいことです。というのも、IC出口から道路端の路肩に渋滞が延びるケースが多く、最後尾がわかりづらいためです。
多くのケースは、IC出口手前の1〜2㎞辺りに出口渋滞の最後尾があります。最後尾を見逃さないようにするには、IC出口手間の3㎞辺りから、左車線を走行した方がよいでしょう。
また、出口渋滞が発生しているIC出口付近を通過する場合は、出口渋滞が本線の路肩まで延びていると想像して警戒しましょう。また、慌てて出口方面に車線変更する車がいるため、急のつく運転をする車が増えます。
出口渋滞の3パターン
●料金所を先頭に渋滞が発生
日本の高速道路のICの多くには、従来は全ての車が現金を支払っていた料金所があります。関所みたいな場所です。通過には減速または停車しないといけないため、高速道路の交通量が多いと料金所を先頭にインターチェンジ(IC)では出口渋滞が発生するのです。
●一般道合流地点を先頭として渋滞が発生
ICで一般道と高速道路を分断しています。そのため、料金所の先で合流する一般道が混雑している場合にも出口渋滞が発生します。
【参照】首都高速道路株式会社 「渋滞が発生するメカニズム」
https://www.shutoko.jp/traffic/traffic-info/mechanism/point_4/
●ICの構造が良くないため発生する渋滞
ICの構造は大事です。本線のIC出口から料金所・一般道との接続ポイントが短いと、一般道への流出路が必然的に短くなるため、出口渋滞が高速道路本線まで延びやすくなります。
首都高などの都市高速では、出口に料金所の設置がないランプ(都市高速ではICのことをランプと呼ぶ)も多く、一般道との接続ポイントに信号が設置されているところが多いため、その分出口渋滞が発生しやすくなっています。
出口渋滞の列が長い場合は次のインターチェンジまで行くべきなのか
出口渋滞の対策としては、大きく時間を短縮できるような有効な手段はないです。割り込みはダメですよ。コスト度外視で思い切って次のICを利用する方法はいかがでしょうか。
出口渋滞はひどい場合、IC出口のかなり手前から延びていることもあり、そうなると料金所通過から一般道に出るまで、かなりの時間を費やしてしまいます。
高速道路の流れが順調であれば、走行し続けて、次のICで降りた方がスムーズに行けることもあります。もちろん、目的地の位置にもよりますが、降りる予定のICと次のICの中間地点に目的地がある場合などは、意外と活用できる方法です。
ただし、こちらの方法は、次のICまでの距離が10㎞前後くらいまでなら有効な方法になり、それ以上距離がある場合やその地域の一般道のルートがあまり整備されていない場合などは、出口渋滞を我慢して本来降りる予定のインターで降りる方が、適切だといえます。
出口渋滞を我慢するか、次のICまで走るかは、運転経験の長い方やその地域に精通している方でも、かなり判断を迷うところです。早めに判断できるに越したことはありませんが、私の個人的見解としては、運転においてもどんどんチャレンジし、自分の行動範囲を広げることは大切なので、もしチャレンジできるようでしたら次のICまで行って、そこから一般道を利用するのも楽しいものです。
ETCレーンだけが混んでいる場合に一般レーンを通過して良いのか
出口渋滞に並んだ場合も、時間を短縮させることができるかもしれません。但し、劇的に変わるわけではありませんし、注意事項もあるので知識として知っておくだけの方が良いかもしれません。
出口の料金所にて、ETC搭載車でETCレーンが混んでいて、対する一般レーンがはるかに空いている場合、ETC搭載車でも一般レーンへ進入することはできます。但し、追い抜きや割り込みは禁止です。
一般レーンの料金所で、ETCカードを車載器から取り出して係員の方に渡すと、ETCカードで高速料金の支払いができます。
ただし、高速道路の入口の段階で、一般レーンで通行券を取った後、高速出口で一般レーンにてETCカードを渡して高速料金を支払した場合、ETC専用の休日割引や深夜割引などの割引制度が受けられなくなるので注意が必要です。
というのも、ETC割引はETCカードをETC車載機に挿入している状態で、高速入口のETCの無線システムを通過したときのみ適応になるため、あくまで高速道路に乗る際はETCレーンを通過していることが条件となります。
また、出口の一般レーンで係員の方にETCカードを渡す際、「ETC車載器を搭載している」旨を伝えないと、一般レーンでの金額を支払うことになるので、こちらも注意が必要です。
さらに、首都高や阪神高速などの都市高速では、料金所で均一料金(都市高速によって料金は異なる)を支払いますが、一般レーンでETCカードを渡すと割引が受けられず、通常料金を支払うことになります。都市高速での使用はやめた方がよいでしょう。
出口渋滞のポイントまとめ
私は、ある程度高速道路走行において経験が豊富なので、次のICまでの距離をみて、それほど遠くなければ次のICまで行くという判断ができます。しかし、たまにだけ高速道路を走るという、ドライバーの方々はなかなか判断が難しいと思います。でも、仮の目的のインターを通過しても、ナビの案内に従えば迂回ルートでも迷うことはないでしょう。
事故にあわないために、出口渋滞の最後尾に並ぶときは、ハザードランプをつけておくことも重要です。そうすることで、後続車に出口渋滞が発生していることと、出口渋滞の最後尾を知らせることができます。
色々書いてきましたが、高速道路の出口渋滞に遭遇したら、完全に避けるということはできません。次のICまで行っても、その判断が正しかったどうかもわかりません。もちろん横入りは絶対NGです。そう考えると、一番の解決策は出口渋滞に遭遇しないようにするしかありませんので、交通量の少ない時間に移動する以外、対策はないのかもしれません。
(写真:AC、テキスト/写真:のっぴー、編集:GAZOO編集部)
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