【連載全16話】第9話 マツダ・コスモAP・・・日本生まれの懐かしいスポーツモデル

今回は、一見ごく普通のクルマのようでありながら、優れた走行性能や運転の楽しさで知られたFR(フロントエンジン・リアドライブ)の日本車をピックアップ。1970年代のモデルを中心に16車種を週替わりで紹介します。

マツダ・コスモAP

マツダ初のロータリーエンジン搭載車でありイメージリーダーだったコスモスポーツの生産終了から約3年を経た1975年に登場。2座スポーツカーから5座の高級スペシャルティーカーへとコンセプトを変更し、“Anti Pollusion(反・公害)”の頭文字であるAPを加えた車名のとおり、全車「昭和51年排ガス規制」をクリアしたエンジンを搭載していた。

Cd値(空気抵抗係数)0.38というクーペボディーはウィンドウグラフィクスが特徴的で、これを支えるシャシーは、フロントサスペンションがストラット/コイルの独立式、リアは5リンク/コイルの固定軸。フロントがベンチレーテッド式となる4輪ディスクブレーキを全車に標準装備していたのは、セリングポイントのひとつだった。パワーユニットは2種類のロータリーエンジンが中心に据えられ、排気量573cc×2の12Aは最高出力125PS、トップグレードのリミテッドに搭載される同654cc×2の13Bは同135PSを発生。ほかに、1.8リッターの直4 SOHCレシプロエンジン(同100PS)も用意された。

公表された加速データ(2人乗車時)は、13B搭載車の5段MT仕様で0-100km/h=9.4秒、0-400m=15.9秒。ロータリーエンジンは排ガス対策による影響がレシプロエンジンよりも小さかったため、排ガス対策で軒並みパワーダウンを余儀なくされたレシプロエンジン搭載のライバルに対して、動力性能では優位に立った。1977年にはレシプロの2リッターエンジン搭載車、またルーフをノッチバックに改め、オペラウィンドウを設けたレザー張り「ランドウトップ」のコスモLを追加。従来のクーペと合わせて選択肢を広げた。

[GAZOO編集部]

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