【連載全20話】第2話 トヨペット・クラウン ハードトップ・・・懐かしい日本の2ドアハードトップ

昔に比べて少なくなった、国産の2ドアクーペ。なかでも過去の車型となってしまった“ピラーレスの2ドアハードトップ”を、週替わりで紹介します。

トヨペット・クラウン ハードトップ

1967年にデビューした3代目クラウン(RS50/MS50)で、トヨタは“白いクラウン”のキャッチフレーズを掲げたキャンペーンを展開。黒塗りの法人用車あるいは営業車(タクシー)のイメージから脱却し、オーナードライバー用としての需要拡大に手応えをつかんだ。その路線をさらに活気づけ成功に導いたのが、3代目コロナや初代コロナ マークIIに続いて、1968年秋に3代目クラウンに追加設定された、5ナンバーフルサイズ車としては初となる2ドアハードトップ(MS51)である。

4ドアセダンをノッチバックの2ドアハードトップ化したボディーは、ヘッドライトをセダンやワゴンなどの丸型4灯に対して角型2灯とすることでマスクの印象も一新。当初のグレードはセダンのオーナーデラックスに相当するハードトップ(標準モデル)と、前輪ディスクブレーキやタコメーターを備えた、セダンのSに代わる高性能版のSL。パワーユニットは2リッター直6 SOHCで、前者はシングルキャブで最高出力105PS、後者はSUツインキャブを備えて同125PSを発生。変速機は双方に4段フロアMTと3段フロアATが用意された。

1969年にはマイナーチェンジを実施してフロントエンドのデザインなどを変更。同時に115PSを発生するストロンバーグのツインキャブユニットを搭載し、パワーステアリングを標準装備とするなどSLよりはおとなしいが装備の充実したトップグレードのスーパーデラックスが追加された。ハードトップの追加によって、それまでも堅持していたクラストップの座をいっそう盤石としたトヨタの看板車種であるクラウン。だが成功作にもかかわらず、3年4カ月という短いモデルサイクルで1971年には世代交代を迎えた。

[GAZOO編集部]

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