【連載全20話】第13話 マツダ・ルーチェ ハードトップ・・・懐かしい日本の2ドアハードトップ


昔に比べて少なくなった、国産の2ドアクーペ。なかでも過去の車型となってしまった“ピラーレスの2ドアハードトップ”を、週替わりで紹介します。

マツダ・ルーチェ ハードトップ

1972年11月に初のフルモデルチェンジを迎えたマツダのフラッグシップであるルーチェ。スタイリングは先代のカロッツェリア・ベルトーネ(スタイリストはジウジアーロ)による優美な欧州調から、社内デザインによるアグレッシブなアメリカンテイストへと変身を遂げた。ボディーは4ドアセダンと2ドアハードトップの2種だが、セダンのボディーにハードトップのマスクを移植したモデルをカスタムの名でラインナップし、都合3シリーズとした。

この連載の第3話で紹介した先代のロータリークーペは、2ドアハードトップボディーに13A型ロータリーエンジンを積んで前輪を駆動する専用設計のモデルだった。それに対して2代目のハードトップの中身は基本的にセダンと同じである。当初のパワーユニットは弟分のカペラと同じ573cc×2の12A型ロータリーエンジンのみだったが、新たにAP(Anti Pollution=反公害)と名乗る日本初の公害対策仕様も設定され、話題を呼んだ。

翌1973年4月に、先代に使われていた1.8リッター直4 SOHCのレシプロエンジンを積んだ1800シリーズを追加。同年12月には新開発されたAP仕様で最高出力135PS(グロス)を発生する654cc×2の13B型ロータリーユニットを積んだ、さらなる上級グレードのグランツーリスモをハードトップとカスタムに設定。そして同じエンジンを商用バンと基本的に同じボディーに積んだロータリーワゴンを追加。ハードトップでは、公称で最高速190km/h、0-400m 16.0秒というパフォーマンスと低公害の両立をうたった。その後1975年11月にマイナーチェンジを実施したのち、1977年10月に3代目への世代交代を迎えた。

[GAZOO編集部]

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