【連載全18話】第1話 トヨペット・コロナ 5ドアセダン・・・懐かしい日本の5ドアハッチバック

みんなで乗れて荷物も積みやすい“使い勝手に優れたクルマ”といえば、5ドアのハッチバック車。今回は日本車のなかから、独自のボディーが与えられた5ドアハッチバックを週替わりで紹介します。

トヨペット・コロナ 5ドアセダン

1964年9月にフルモデルチェンジを迎え3代目となったコロナ(RT40)。それまで乗用車販売台数1位の座を独占していた日産のブルーバードとの「BC戦争」と呼ばれた激しい販売合戦を制し、翌1965年初頭には念願のベストセラーに輝いた。同年7月には国産初となるセンターピラーを取り去った2ドアハードトップを加えて首位の座を固め、さらに11月には、これまた国産初となる5ドアハッチバックを5ドアセダンの名で追加した。

4ドアセダンの1500デラックスをベースにボディー後半部を当時世界中で流行していたファストバックスタイルにアレンジし、テールゲートを設けていた。荷物の出し入れが楽で、後席の背もたれを倒せば広いカーゴルームが出現。レジャーからビジネスまで使える多用途性がアピールポイントだった。機構的には1500デラックスと同じで、パワーユニットは1.5リッター直4 OHV、変速機はいずれもコラムセレクト式の3段MTと2段ATが用意された。

世界的にみても、このクラスの5ドアハッチバックは、同じく1965年に市販化されたルノー16くらいしか見当たらず、コロナ5ドアセダンはかなり進んだアイデアではあった。当時の日本では5ナンバーの乗用ワゴンと同様に商用ライトバンの類いと誤解されてしまったこともあってセールス的にはふるわなかったが、そうした未成熟な市場であっても、あえて商品化された一台だった。

[GAZOO編集部]

【連載全18話】懐かしい日本の5ドアハッチバック

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