【連載全18話】第15話 アンフィニMS-6・・・懐かしい日本の5ドアハッチバック

みんなで乗れて荷物も積みやすい“使い勝手に優れたクルマ”といえば、5ドアのハッチバック車。今回は日本車のなかから、独自のボディーが与えられた5ドアハッチバックを週替わりで紹介します。

アンフィニMS-6

バブル期におけるマツダの拡大路線の象徴だった“販売5チャンネル体制”のひとつであるアンフィニ店が、1991年に発足した。それに合わせてデビューしたのがアンフィニMS-6だ。5代目カペラの後継モデルとして同年に誕生したマツダ・クロノスの兄弟車種のひとつで、5ドアハッチバックボディーはこの連載の第7話で紹介したフォード・テルスターTX5の2代目と基本的に共通。だが顔つきは4ドアセダンだったクロノスに準ずるという成り立ちで、欧州市場ではカペラ時代から名乗っていたマツダ626の5ドアハッチバックとして販売された。

1989年に実施された税制改定によって自動車税がエンジン排気量によってのみ課税されるようになり、ボディーサイズの制限が撤廃されたため、5ドアハッチバックボディーの全長は4695mmとほぼ5ナンバー枠いっぱいであるものの、全幅は1770mmと3ナンバーサイズになった。搭載されるパワートレインは、当初はクロノス兄弟に共通の新開発された2リッターV6 DOHCと1.8リッター直4 DOHCを積むFF仕様の2種だったが、翌1992年に2リッター直4 DOHCユニットを積んだフルタイム4WD仕様が加えられた。

1993年にはマツダ独自の技術だった「プレッシャーウェーブスーパーチャージャー」付きの2リッター直4ディーゼルユニット搭載車が追加されたが、販売は低迷。バブル崩壊から5チャンネル体制の雲行きが怪しくなり、1994年にクロノスの後継として5ナンバーサイズに回帰したカペラの復活と前後してMS-6の販売は終了した。一方、以前から5ドアハッチバックバックが好評だった欧州向けに生産は継続され、1997年まで販売された。

[GAZOO編集部]

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