【連載全16話】第11話 スズキ・アルトワークス…日本生まれのホットハッチ特集

2020年9月の発売以来、トヨタの高性能ハッチバック「GRヤリス」が人気を集めています。そこで今回は、クルマ好きの記憶に残る日本生まれの“ホットハッチ”16車種をピックアップ。週替わりで紹介します。

スズキ・アルトワークス

第7話で紹介したマツダ・ファミリア フルタイム4WDターボGT-Xは、4バルブのツインカムターボ+フルタイム4WDといった、その後の国産高性能車のトレンドとなるメカを導入した先駆だった。その流れは2年を経ずして軽にまで飛び火した。1987年に2代目スズキ・アルトに加えられた、その名もアルトワークスである。

車体後部には、リアウィンドウを囲むバックドアスポイラーを装備。ダウンフォースを稼ぐというこのスポイラーを含め、エアロパーツで武装した。Cd(空気抵抗係数)=0.34を誇る3ドアハッチバックボディーに積まれる543ccの直3 DOHC 12バルブユニットは、インタークーラーターボを備えて64PSというハイパワーを発生。この軽初となるツインカムターボユニットは、スズキとしてはもっとパワフルにするつもりだったが、運輸省(現国土交通省)とすり合わせた末の落とし所がこの数値だったそうで、以後64PSが軽の自主規制値となった。

駆動方式はフルタイム4WD(RS-R)のほかFF(写真のRS-Xと、廉価版のRS-S)も用意され、専用チューニングが施された足まわりには、軽初となる13インチのホイール/タイヤ(145/65R13)を装着する。バケットシートがおごられた室内の、黒とピンクでまとめられた配色もインパクトがあった。このワークスを見た他社も追随し、市場では1960年代後半以来およそ20年ぶりに高性能軽バトルが再燃したのだった。

[ガズー編集部]

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