【連載全11話】第6話 ポルシェ911・・・“長寿の車名”を持つクルマ

長年親しまれてきた車名は、そのクルマが多くの人に愛されてきた証しでもあります。今回は、途中でブランクを挟んだものも含め、車名が何代にもわたって使われている11車種をピックアップし、週替わりで紹介します。

ポルシェ911

ポルシェの名を冠した最初のモデルとして1948年に誕生し、スポーツカーメーカーとしての名声を確立した356の後継モデルとして、1963年にデビュー。以来、水平対向6気筒エンジンによるRRという基本レイアウト、そしてひと目見てそれとわかるボディーのフォルムは不変のまま、進化を重ねてきたスポーツカーのエバーグリーン。2023年に生誕60周年を迎えたが、スポーツカーとしてはこの連載の第2話で紹介したシボレー・コルベットに次ぐ長寿の名称となる。

1963年に登場したのは、通称ナローことタイプナンバー901型。当初は最高出力130PSを発生する空冷水平対向6気筒SOHC 2リッターエンジンと5段MTを搭載したモノグレードだった。

1965年に着脱式トップを備えたタルガを加えたのを皮切りにバリエーション追加、シャシー改良や排気量アップなどの変更を重ねた後、1974年には北米の安全基準に対応して衝撃吸収バンパーを備え、印象が大きく変わった通称ビッグバンパーこと930型が登場。翌1975年には太いタイヤをクリアすべくリアフェンダーを拡幅したワイドボディーにターボチャージャーを備えた3リッターユニットを積んだポルシェ初のターボ車である911(930)ターボを市販化。フェラーリやランボルギーニなどに独占されていたスーパースポーツの牙城にも斬り込んだ。

この930型の時代に、ポルシェは新世代モデルたる水冷エンジンによるFRの924や928をリリース、911をフェードアウトさせるべく計画していた。しかしFRモデルは期待に反して伸びず、いっぽう911の人気が根強かったことから方針を転換。以後も911はポルシェの主力車種として964型、993型へと発展。誕生以来30年以上を経た1997年に初の本格的なフルモデルチェンジを迎え、全面的に新設計されたシャシーに水冷化されたフラット6ユニットを積んだ996型が登場した。

以降も997型、991型へと進化を続け、現行モデルは2018年に登場した992型。ベースグレードとなる911カレラは、初期901型の3倍近い最高出力385PSを発生する3リッターのフラット6ターボユニットと8段PDK(2ペダル式デュアルクラッチトランスミッション)を組み合わせた仕様となっている。

[GAZOO編集部]

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