【懐かし自動車ダイアリー】1999年(平成11年)~クルマで振り返るちょっと懐かしい日本

トヨタ・ヴィッツ
トヨタ・ヴィッツ

1999年(平成11年)| 自動車 ~ 日産がルノーのカルロス・ゴーン主導で再建を開始

トヨタが1月に発売したヴィッツは、それまでのコンパクトカーが持っていたイメージを一新した。ボディーは小さくても内外装の質感が高く、丸みを帯びたデザインが欧州車的な印象をもたらした。基本デザインは1989年に設立されたベルギーのデザインセンターEPOCが担当し、1998年のパリモーターショーにヤリスとして出展されていた。8月には派生モデルのプラッツとファンカーゴも発売される。

ホンダは4月にFRオープンスポーツカーのS2000を発売。超高回転型の自然吸気エンジンを搭載し、かつてのS500/600/800を思わせるモデルの復活がホンダファンを歓喜させた。11月にはインサイトがデビュー。プリウスに2年遅れでホンダが送り出したハイブリッドカーは、2シータークーペだった。

日産は1月に発売したR34型スカイラインGT-Rが好評だったものの経営危機が深刻化。3月にルノーからの資本受け入れとグローバルな提携を発表する。6月にルノーのカルロス・ゴーンが日産のCOOに就任し、10月に日産リバイバルプランを掲げて再建計画をスタートした。2兆円の有利子負債を抱えていた日産は、ルノーとプラットフォームやエンジンを共用化し、大幅なリストラを進めることで復活を目指す。

世界的な自動車会社再編はさらに進み、フォードはスウェーデンのボルボを買収。すでに傘下としていたアストンマーティンやジャガーなども加えたプレミア・オートモーティブ・グループ(PAG)を発足させる。BMWはロールス・ロイスを、フォルクスワーゲンはベントレーのブランドをそれぞれ手に入れた。

  • トヨタ・プラッツ
    トヨタ・プラッツ
  • トヨタ・ファンカーゴ
    トヨタ・ファンカーゴ
  • ホンダS2000
    ホンダS2000
  • ホンダ・インサイト
    ホンダ・インサイト
  • 日産スカイラインGT-R
    日産スカイラインGT-R

1999年(平成11年)| 世相と文化 ~ AIBO、i-modeが人気、渋谷にヤマンバが出現

前年にデビューした宇多田ヒカルと浜崎あゆみがヒット曲を連発。チャートをにぎわせたが売り上げ第1位となったのはNHK『おかあさんといっしょ』から生まれた『だんご3兄弟』だった。後藤真希が加入したモーニング娘。は『LOVEマシーン』が大ヒット。「日本の未来は世界がうらやむ」と歌う底抜けに明るいダンスチューンだった。

ソニーが発売したAIBOは犬型でコミュニケーション機能を備えており、エンターテインメント志向ロボットの先駆けとなった。NTTドコモは世界初の携帯電話IP接続サービスのi-modeを開始。メールだけでなくウェブブラウザーやゲーム、電子書籍なども使えるようになり、日本独自の携帯電話多機能化が進んでいく。

コギャル文化は細分化しながら発展し、日焼けサロンで焼いた肌の黒さを競うガングロが増加。髪の色を脱色したヤマンバも出現し、集団で渋谷センター街を歩いた。一方で“美白の女王”こと鈴木その子も支持を集める。ヘアメイクで対決するバラエティー番組『シザーズリーグ』が人気となり、“カリスマ美容師”が大量に発生。他の分野でもカリスマを名乗ることが流行する。

乙武洋匡の『五体不満足』がベストセラーに。累計発行部数は500万部に迫る。オオカミ、ペガサス、ヒツジなどのキャラに分けて性格診断を行う動物占いが大流行したが、ベースとなっていたのは中国古来の四柱推命だった。

プレイバック1999年(平成11年)

★アカデミー賞
『アメリカン・ビューティー』
★日本アカデミー賞
『鉄道員(ぽっぽや)』
★NHK朝ドラ/大河ドラマ
『すずらん』『あすか』/『元禄繚乱』
★日本レコード大賞
『Winter,again』GLAY
★日本ダービー馬
アドマイヤベガ
★日本カー・オブ・ザ・イヤー
トヨタ・ヴィッツ/プラッツ/ファンカーゴ
★新語・流行語大賞
「ブッチホン」「リベンジ」「雑草魂」

[ガズー編集部]

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