不滅の名車 第2世代「日産スカイラインGT-R」を解説・・・懐かしの名車をプレイバック
一世を風靡(ふうび)した大人気モデルや、サーキットを沸かせたスポーツカーなど、忘れがたい日本の名車にスポットライトを当てるこの特集。今回紹介するのは、世界に衝撃を与えたハイパフォーマンススポーツカー「日産スカイラインGT-R」だ。
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R32型 日産スカイラインGT-R(1989年~1994年)
ボディーサイズをスリム化し、最新のシャシー技術を取り入れて走りを磨いた8代目「日産スカイライン」。そのハイパフォーマンスグレードとして「GT-R」が登場したのは、1989年8月のことであり、実に16年ぶりの“GT-R復活”だった。
往年の「スカイライン2000GT-R」と同様、新生GT-Rもレースでの勝利を目的に開発されており、エンジンには強力な2.6リッター直6 DOHCターボ「RB26DETT」を搭載。競技車両では600PSオーバーの高出力を絞り出したという。
この大パワーを余すことなく路面に伝えるため、ドライブトレインには電子制御トルクスプリット4WDの「ATTESA(アテーサ)E-TS」や、4輪操舵機構「スーパーHICAS」を採用。ベース車の性能がものを言うグループAでこのマシンにかなうライバルはなく、全日本ツーリングカー選手権の上位カテゴリーは、後にGT-Rのワンメイクレース状態となってしまった。
結果としてR32 GT-Rは、グループA規定が終わりを迎えるまで全日本ツーリングカー選手権で29戦全勝。ベルギーやオーストラリアでの耐久レースでもライバルを圧倒し、その名を世界にとどろかせた。
R33型 日産スカイラインGT-R(1995年~1998年)
ベースモデルであるR33型「日産スカイライン」が、R32世代よりサイズアップしたことから、GT-Rもボディーが大型化。車重も重くなったものの、エンジンのトルクアップやボディー剛性の強化、トレッド幅の拡大などにより、走行性能はむしろ向上していた。特に独ニュルブルクリンク北コースでは、7分59秒887というタイムを記録。これはR32 GT-Rより実に約21秒も速いものだった。
ドライブトレインも進化を遂げており、上級グレード「Vスペック」の駆動システムには、左右後輪間の駆動力を可変配分する、アクティブLSDつきの「ATTESA(アテーサ)E-TS PRO」を設定。ハイテクによる高い運動性能に磨きをかけた。
また、R32世代では見られなかったユニークなモデルが存在するのもR33世代の特徴だ。例えば英国では、ルマン24時間レースのホモロゲーションを獲得するため、「NISMO GT-R LM公認用ロードカー」を1台だけ販売。オーテックジャパンが製作した4ドアモデル「スカイラインGT-Rオーテックバージョン40th ANNIVERSARY」や、NISMOの手になる最高出力400PSのコンプリートカー「NISMO 400R」などは、今ではマニア垂涎(すいぜん)のGT-Rとなっている。
R34型 日産スカイラインGT-R(1999年~2002年)
R32世代、R33世代を超える動力性能を実現するべく、R34型「日産スカイラインGT-R」ではボディー剛性を徹底的に強化。ベース車であるR34型スカイラインの2ドアクーペも高いボディー剛性を実現していたが、GT-Rではさらにリアまわりとアンダーフロアの剛性を強化することで、「世界トップレベルの高剛性ボディー」を実現した。
エンジンにも改良を加えており、最大トルクを40kgf・mに高めるとともに、新型ツインボールベアリングセラミックターボの採用によってレスポンスを改善。トランスミッションには独ゲトラグ社と共同開発した6段マニュアルトランスミッションを搭載した。またラインナップに関しては、グランドツーリング性能を高めた「Mスペック」の設定が、過去のモデルにはない大きなトピックである。
結果的に第2世代のトリを飾ることとなったR34 GT-R。2002年にファイナルバージョンとして設定された、N1エンジン搭載の「MスペックNur」「VスペックII Nur」は、今日ではコレクターズアイテムとして、熱心なファンの間で取引されている。
(GAZOO編集部)
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