【LAND CRUISER`S MEETING 愛車紹介】若きファーマーが旅の相棒として選び日本縦断に挑むランドクルーザーHJ60V

10月27日から28日にかけて、大野路ファミリーキャンプ場(静岡県裾野市)で『LAND CRUISER'S MEETING』が開催された。広大な会場にはおよそ800台近くの新旧ランクルが集まり、お互いに情報交換をしたり、ランドクルーザーの魅力について語り合ったりしながら楽しんでいた。
また、オフロードコースが設置してあったり、熱気球が飛ばされたりと、家族連れやキャンプが苦手な人、初めてこのイベントに参加する人も楽しめる内容となっていた。

ランドクルーザー誕生のキッカケは、戦後まもない頃に警察予備隊のために製作されたトヨタ・ジープだったという。それから長い年月をかけて何度もモデルチェンジが行われ、1980年に登場したのがここで紹介する60系だ。

北海道の農家で働いているというリュウセイさん(22才)の愛車は『ランドクルーザーHJ60V GXグレード』。
それまでの無骨なイメージを変えるためにスタイリッシュなデザインへと路線変更がおこなわれ、はじめて装備などの違いを持たせたグレード設定を設けることで、アメリカでは特に大きくセールスを伸ばしたモデルだ。
直6ディーゼルの2H型エンジンを搭載し、ガソリン車にはない振動や匂いが魅力的な、ランドクルーザーファンにとってはたまらない1台となっている。
ボディーはオリジナルペイントを保ち、赤色のストライプ柄デカールも特徴的。また、後期型から設定されたハイルーフ仕様が人気だったことから、逆に今となってはタマ数が少なく珍しいと言われるノーマルルーフ仕様というのもポイントだ。
リヤゲートも、このモデルから追加設定された上下開きタイプではなく、旧来の観音開きタイプというのが、なんともツウ好みではないだろうか。

なぜ遠方からわざわざランドクルーザーズミーティングに参加したのかと伺ってみると「実は1ヵ月ほど前から、このランドクルーザーで日本縦断の旅をしていて、その途中なんです。地元である北海道を出発して、オール下道でまずは鹿児島まで行き、そこからは自転車だけ持って沖縄にも行ってきました。そして今は北海道へ戻るために北上していて、静岡を経由したら面白そうなイベントをやっていると聞きつけたので立ち寄りました」とのこと。

農業をしているリュウセイさんは、オフシーズン(寒くて作物が育たない期間)を利用して自分探しの1人旅に出たのだという。クルマの中には、服やお風呂道具、自作のカーテン、ギター(まだ一回も弾いていない)が積んであった。ちなみに、ここまでの旅程でいちばん良かったことは熊本県のコインランドリーでキレイなお姉さんに話しかけられたこと。
逆に、狭い道でフロント部分をぶつけてしまった茨城県は苦い思い出として心に残っているそうだ。

なぜ、旅の友にこのHJ60Vを選んだのだろうか?
「ランドクルーザーというクルマは丈夫で、どんな道も進むというイメージがあったからですかね。僕は今年の3月にクルマに乗り始めたばかりなので詳しくなかったのですが、まわりの人がすごくカッコいいクルマだ!っていうので、だったら乗らなくちゃ!と購入したんです。旅先でも、クルマがいいねってよく声をかけられました。僕じゃなくて」

そんな、オーナーよりも大人気という愛車のお気に入りポイントを聞いてみると「サイドに貼ってあるデカールですね」とのこと。
購入時にはオールペンも検討していたが、まわりから『こんなにキレイに残っているのにもったいない!』と怒られてしまったため断念。それ以降も、多くの人からあまりにも褒められるので、もしもこのデカールが剥げてしまったら自作してでも貼り直そうと思うほど、今ではアイデンティティのひとつになっているという。

外装だけではなく、身長180㎝でも寝転がれる車内や、渋くてレトロな雰囲気の内装も自分のファッションスタイルと合致したお気に入りポイント。
ちなみに、先代までのイメージを払拭して本格的なステーションワゴンとしてのスタイルを目指した60系は、居住性やラグジュアリーな雰囲気が重視されたインテリアも特徴のひとつとなっている。

わずか8ヵ月で3万㎞を走破したランドクルーザーHJ60Vは、北海道産まれのリュウセイさんにいろいろな景色と経験を与えてくれた。
南国にしか生えていないと思っていたヤシの木が静岡にもあること、人との繋がりや優しさがこんなにも嬉しいこと、そして自分も誰かに返したいと思わせてくれたこと。
知り合いのツテを頼って旅の途中でエンジンオイル交換などのメンテナンスも行うことができたし、このミーティングではおなじ北海道のランクルオーナーたちと交流を深めることもできた。これ以上ないほど内容の濃いカーライフを送っているといっていいだろう。

「何かあってもこのクルマだから何とかなるだろう、っていう安心感があるんです。次はこの愛車といっしょに海外に行きたいですね。もっといろんな景色を見て感じて、どんどん自分に取り入れていきたいです」とリュウセイさん。
海外市場を意識しながらも日本で製造され日本の道を走り続けてきたランドクルーザーHJ60Vが、時を経て外国の大地に降り立つ日は、そう遠くないかもしれない。
このコンビの旅は、まだまだ始まったばかりだ。

[ガズー編集部]

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