カスタムは個性だ、カスタムは∞だ!! 僕のC-HRは“秘密基地”のようなカスタム
24年間乗っていたイプサムのエアコンが故障し、C-HRへの乗り替えを決意したという たかやまさん。ミニバンかSUVにしようと、ハリアーやRAV4、ヤリスクロスなど色々なクルマに試乗した結果、コンパクトで外装デザインが自分好みだったというC-HRを購入したそうだ。
24年ぶりの新車についていたパノラミックビューモニターなどの安全機能や運転支援機能を体感し、技術の進歩に感動したと浦島太郎のような唖然とした表情をしながら話してくれた。
そんな たかやまさんが愛車として迎え入れたのは、C-HRハイブリッド G“Mode-Nero Safety Plus”。
かくして、たかやまさんのカスタムライフが幕を開けることとなる。
そして今回の取材を通じて、「愛車を自分好みにカスタムする」ということが、人生の脂の乗った男性をもこんなにウキウキワクワクさせる、そんなポテンシャルを改めて感じさせてくれた。
たかやまさんのC-HRが取材会場に入って来た時、ドキッとするほど鮮やかな赤色に目を奪われた。
「小さい頃に母が赤いズボンを履かせてくれていたからなのか、親しみのある色なんですよ。あとは、高校生の時にTV放送が始まった、初代ガンダムのシャアが、赤いモビルスーツに乗っていたからというのもあります。カッコよかったんだよなぁ〜」
そう話す たかやまさんは、スニーカーもしっかり赤色だ。どことなく〝ガンダムっぽさ″のあるC-HRは、2016年に発売を開始すると、従来のSUVにはないメカメカしいデザインが功を奏し、一気に人気車種の仲間入りを果たした。
1つ1つの箇所を見ていくと、折り紙を折ったかのように立っているエッジや、引き締まったボディに反してグッと張り出したフェンダーの存在感。リアドアのハンドルが隠れているため、2ドアクーペのように見えるなど、見れば見るほど個性的かつ斬新なスタイルとなっている。
たかやまさんは、そんな外観にさらに一手間を加えて、TRD「ストリートモンスター」フルエアロを装着してから納車を迎えている。車高を落とし、ワイド&ローなスタイルで男らしい要素をプラスしたのだ。
さて、一手間を加えていると記したが、これは2021年春の話だ。2023年夏の今現在は、何手間かけたか分からないくらい進化を遂げている。
「一番最初に変えたのは、シフトノブでした。革の部分を、赤のパンチングメッシュに変更したレクサスESのシフトノブにしてもらったんです。」
カスタムは考えていなかったのに、ということだが、挑戦しようと思ったきっかけはこうだ。
C-HRを契約して納車するまでの2ヶ月間で、車内で使える便利グッズを調べていたところ、エアロパーツや内装カスタムパーツなどを開発しているショップ「Grazio&Co.(グラージオ・シーオー)」のホームページに辿り着いたのだという。
如何なものかとクリックすると、そこには純正のデザインを生かしつつ、自分の好きなようにカスタムされているクルマが沢山載っていたのだそうだ。
「純正っぽいんだけど、人とはちょっと違うというこだわりがすごく良いなと思ったんです。それで、シフトノブとシフトブーツをグラージオさんに注文しました。」
続いて、C-HRとハイブリッドのエンブレムをブラックオニキスに塗り、車内のライトを全て高輝度LED に、リアについているトヨタマークは、GRバージョンで色を赤にしたものに変えていったそうだ。
これらはちょっとした変化で言わなければ気付かない人もいるくらいのカスタムだったということだが、それでも一味違うC-HRになったと、ふふふと笑みが溢れたという。
その後も、街中でC-HRとすれ違うと、あのボディーカラーなら自分はどうやってカスタムするだろうか?とイメージを膨らませたり、グラージオのブログにアップされたC-HRのカスタムを見て、こういうやり方もあったのかと頷く日もあったと話してくれた。
そんな たかやまさんが何気なくブログを見ていたある日、黒いパーツ全てを赤くしたC-HRがアップされていたそうだ。
「それを見た時に、自分も唯一無二のクルマにしたいと感化されちゃったんです。C-HRは樹脂そのままのパーツが多いんですけど、それをピアノブラックに塗装してシボを取ることで高級感をアップさせようと思いました。」
パーツが出来るまでに1ヶ月以上かかったそうだが、その間は心が躍ったという。いざ取り付けてみると、水に濡れたように黒く光るピアノブラックのお陰で、読み通り高級感がアップし、ボディー色の赤とのコントラストがはっきりし、一際目を引くようになったと満足気に話してくれた。
だが、ここで終わらないのが たかやまさんのすごいところだ。
「一度たがが外れると、すごく細かい所までこだわりたくなっちゃったんです。
基本的にグラージオさんと相談してカスタムをしていくのですが『そこはまだ手をつけなくても良いんじゃない?』と言われた箇所もあります(笑)。友達には、よく見ないと分からないから、僕のカスタムは間違い探しだと言われたくらいです(笑)」
例えばどこかというと、ドアミラーの根元部分だ。上半分がボディ色で、下半分とクルマ本体に繋がる樹脂パーツの部分が純正色だが、この部分をボディー色と同様の赤に、ドアミラーのターンランプのレンズ部分もクリアからブラックオニキスに変更したのだという。
一見かなりよく見ないと分からないカスタムにも思えるが、たかやまさんはそうは思わないと言う。
「ドアミラーって、運転中に何度も見るでしょ?だからその度に、よし!カッコいいな!と、何度も思えるんですよね。それぞれ色々な考え方があって、どのカスタムも素敵だと思うのですが、僕のカスタムは〝自分だけが知っている、秘密基地のようなカスタム″を施しています」
もちろん、秘密基地カスタムは内装にも施してある。シートを黒ベースに赤の差し色となっている限定品レカロに、ダッシュボードとエアバッグのカバーを黒のスウェードに張り替えるというのは誰の目にも明らかだ。
さらに、助手席から運転席の前にあるフロントウインドウの境目部分に少し赤を入れ、ドアショルダーアッパーからグルッと赤いラインが繋がるようにしているのは目を凝らさないと分からない。
そして、ドアショルダーアッパーにフレアレッドの革を貼るというカスタムは、内装で1番気に入っている箇所とのことで、瞳をキラキラさせながら説明している顔が、あまりにも楽しそうで嬉しそうで、むしむしした夏の暑さが吹っ飛んだ。
「この赤いラインは乗り降りするときに目に入るし、外からも窓ガラス越しに見える。ドアミラーで後方確認する時も目につくので、本当に気に入っているんです」とのことだ。
ちなみに、Aピラーのところにある三角の小さい窓の下の部分にある長方形の部分を赤くしているのも、間違え探しの答えとなっている。
そして、未だかつて正解した人がいない答えは、イージードアクローザーにしていることだそうだ。まさかC-HRにその機能は付いていないだろうと、みんな思い切りドアを閉めるそうだが、その横で、実は……と優しくドアを閉めるのがお決まりになっているそうだ。
「愛車に迎えて2年ほど経っているんですけど、駐車場にC-HRを迎えに行くと、『あ〜かっこいいな〜』っていまだに思うんですよ。それが、すごく大事なことだと思っていて。
僕の場合は色々なことをやり過ぎていますが(笑)、最初の頃にエンブレムを換えただけでもそう思っていたんです。だって、それだけでも人とは違う、世界で1台だけのクルマだと感じていましたから。自由に、オリジナリティを加えながら、思ったようにカスタムしていくのって、すごく楽しいですよ!」
最近は たかやまさんのカスタムを真似する人もいるそうで、「良いと思ってもらえるなんて、すごく嬉しいです!!」と、満面の笑みで答えてくれた。
たかやまさんの話を聞いていて、カスタムとはキャンバスに絵を描くようなものなのかもしれないと感じた。創作意欲が人間の心をぐわぐわと煽ってきて、完成したものは世界に一枚だけの最高傑作となるのだ。
たかやまさんのC-HRは、まさしくそういうものなのだろう。
(文:矢田部明子 写真:中村レオ)
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