貴重な2桁ナンバー。初代インプレッサ・スポーツワゴン(GF5)に25年乗り続けるオーナーの想いとは?
時代に合わせて進化し続けているスバルを代表するスポーツモデル、インプレッサ。その中でもスポーティなスタイルと使い勝手の良い機能を追求した5ドアハッチバックモデルは、初代の1992年に誕生してから現在まで“インプレッサスポーツワゴン”“インプレッサSPORT”“インプレッサ”と名前を変更しながら現在まで販売されて続けている、人気モデルだ。
そしてそんな5ドアハッチバックのインプレッサの中でも初代にあたる1997年式のインプレッサ・スポーツワゴンを新車で購入し、フルノーマルのまま現在まで乗り続けている方がいる。スーパー耐久第6戦岡山国際サーキットの会場で取材させていただいた、ノブ@大阪さんだ。
「気がつけば人生の3分の1をこのクルマと過ごしていた」というノブ@大阪さんに、カーライフについてお話しを伺った。
父親がガソリンスタンド勤務だったこともあり物心ついた時からクルマが好きで、特にWRC(世界ラリー選手権)が好きだったというノブ@大阪さん。インプレッサを愛車にしようと考えたのは、その当時WRCで活躍していたからだという。
「僕が1番最初に乗ったクルマは親が乗っていたマーチで、その後はカッコよくて小回りも効いたいすゞのジェミニを乗っていたんですけれども、ちょうどエンジンが不調になったタイミングで近くにあったいすゞの営業所がなくなってしまいまして。故障したり車検の時に不便だからと乗り替えることにしたんです。ちょうど1990年代後半のその頃はWRCでインプレッサが活躍していたので、スバルのお店に行ってこのクルマを買うことにしたんですわ」
1992年にデビューした初代モデルは、ボディタイプはセダンとスポーツワゴンの2種、エンジンも1.5Lや1.6L、2.0Lなど豊富なバリエーションが用意されていた。特にWRCに参戦し、ハイパワーなターボエンジンを積んだ4WDのインプレッサWRXは今でも人気の高いモデルだ。
そしてこれだけ豊富なバリエーションがある中で、ノブ@大阪さんがこの時に選んだのはインプレッサスポーツワゴン(GF5)で1.8Lの4速ATのFFモデルだったのだ。
「インプレッサというとWRXやセダンタイプが有名やねんけれども、僕は普通の街乗りに使うつもりだったのと当時魚釣りなんかもしていたんで、荷物がたくさん入る形のスポーツワゴンにしようかなと。それに走り屋さんじゃないので別に2リッターとかターボのエンジンのクルマはいらないので最初は1.6Lにしようと思ってディーラーにいったんですけども、そこにこの1.8Lのモデルがあったんです。こっちの方が標準装備のCDプレイヤーとか装備がよく1.6Lに後付けするのと値段も変わらなかったので、こちらにしました。
ボディカラーについては落ち着いた濃い色でシックな感じにしたかったので、この色にしました。スバルブルーは僕からするとちょっと明るすぎるので。これくらいならちょうどいいかなと」
大好きなWRCで活躍するインプレッサの中でご自身のカーライフにマッチするモデルをセレクトした結果、ノブ@大阪さんの愛車はこの1997年式で1.8Lのスバル・インプレッサスポーツワゴン(GF5)となったというわけだ。そしてその後25年以上乗り続けていることからも、その選択がライフスタイルにマッチしていたということだろう。
「インプレッサでは街乗りや魚釣りに出掛ける時に使ったりするのがメインでしたね。シートを倒して車中泊することもあるし、トランクも広いから荷物もたくさん積める。折り畳み自転車や冷たいものを入れるためのクーラーボックスもいつも積んでいますよ。自転車はいろんなところに行った先で歩くのがしんどくなってきた時に使えば、行動範囲も結構広がるしすごい便利やなと思ってずっと重宝してます」
最近では魚釣りの代わりにドライブを兼ねたサーキットでのレース観戦に出掛けたり、仕事の勉強会ついでに金沢に立ち寄ったりとインプレッサで充実したカーライフを楽しんでいるノブ@大阪さん。
しかしこの25年の間には荷物も積めて乗って楽しいスポーツワゴンタイプやSUVも様々なモデルが登場しているわけだが、乗り替えを考えなかったのだろうか。
「その頃って、ちょうどこういう荷物を詰めてそれなりに走れるコンパクトなクルマってあんまりなかったんですよね。それに当時の日本の道路って田舎の細い道とか走るのにすれ違いができなくてしんどかったりするし、マンションの駐車場も5ナンバーで基本設計されていると思うんで駐車もちょっと大変やし、このくらいのサイズがちょうどいいなと。それにこれまで乗ってきた車がそんなに大きなクルマでなかったし、僕らの体格なら十分広く感じていて不自由を感じなかったというのもあります。
あとは、やっといいなと思うクルマが出てきたころには金銭的に苦しくなって買い替えることもできなくなってしまって…(苦笑)」
金銭的不安があったにしろ、自分の生活スタイル的にこのクルマでも十分で買い替える必要を感じなかったというノブ@大阪さんは、現在までセカンドカーを増やすこともなく愛車はこれ1台のみ。カスタムをすることもなくフルノーマルのまま乗り続けている。
そしてこれだけ長く乗り続けるのは愛着が湧いたからというのはもちろんのこと、クルマ自体を気に入っているということも大きい。
「気づけばもう人生の3分の1を一緒に過ごしているので、それなりに愛着はありますよ。見た目のスタイルも気に入っていますし。それに僕がこれを乗り始めた当時は今より10kg以上体重があってこれまでのクルマはシートが早くフニャっとなってしまうんですけど、このシートは割としっかりしていて乗り心地も良かったのでお気に入りなんですわ」
ちなみに一般的に愛車を乗り替える大きな理由の一つが車の故障や不調、または事故だったりするわけだが、その点は大丈夫だったのかが気になるところ。
「エンジンそのものは今のところ特に不調にならずに順調なんですよね。でも足まわり関係の消耗部品は傷んできているところもあって、そういった部分は車検のたびに直しているのでおっきなトラブルは今のところないですね」
車検のたびにしっかり整備をしているからこそ、今も快調に走っているというわけだ。
「ただ、修理の費用が結構な金額になるときもあるので『もう、ええかな』と車検のたびに乗り替えるか悩んでいて…。でも走行距離は12万kmで壊れないしまだまだ乗れるし、クルマが古くなって部品がなくなって車検が取るのが大変とかでない限りは特に不具合が出なければ乗り心地もいいし乗っていこうかなと思います。
あとはここまで乗ったからお金があったらたとえばちゃんとレストアするとか、そういうこともできたらいいなとも思うし…。それで綺麗になって乗り続けられるならそれもいいよね。愛着もあるからね。それに貴重な大阪2桁ナンバーですから」
どうやら整備をしつつインプレッサワゴンに乗り続けるのか、それとも思い切って別のクルマに乗り替えるかはまだまだ決めかねている様子だ。
ノブ@大阪さんは「気がつけばズルズルと乗り続けている感じで…」と終始苦笑いしながら取材を受けてくださったが、「まだ乗っていられるうちはこのままで」と25年以上も乗り続けるということは、もうご自身にとって手放したくない大事な愛車なのだろうと思う。
きっと次の車検でも買い替えを悩むのだろうが、最終的にはまた乗り続ける…そんな気がした。
(文:西本尚恵/撮影:稲田浩章)
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