3台の3Sエンジン搭載車を乗り継いだ中華料理人の愛車カルディナGT-FOUR!【取材地:GR Garage札幌厚別通】
幼少期からずっと北海道で育ってきたというお筆さん。小学生のころにはすでに実家の畑で軽トラやTE27型レビンなどに試し乗りする機会もあったとか!?
それに加えて、当時流行っていたのがスポーツカーで公道を走る若者たちの姿を描いたVシネマ。映像を見て憧れを持ち、自身が免許を取るころにはビデオに登場する走り屋とおなじようにクルマをいじって乗ることが当然になっていったという。
「免許をとって最初に乗ったのは、親父のお古のカリーナサーフでした。それは事故で廃車になって、つぎはAA63カリーナ。当時はオカネもないのに結構カリカリにイジろうと頑張って、結果エンジンブローしちゃったんですけどね(笑)」
そして、次に乗り換えたのは親戚から購入したAE86。しかし、攻めた走りをする上では1.6リッターNAのエンジンパワーが物足りなかったお筆さんは、そのスタイルのカッコよさにも憧れたというMR2(SW20)へ乗り換えることになる。
ここまでの愛車歴を伺うと、バリバリの走り屋だったことが想像できる内容だが、20代になるとしばらく事情があってクルマから離れる時期が訪れる。
「中学のころからよく通ってる中華屋があって、そのお店で『将来はパティシエになりたい』という夢を相談していたら『中華料理にもいろんなお菓子があるよ』と言われたんです。それを聞いて、自分の好きな中華とパティシエを両立できる!と思い、本格的に香港のホテルの中華レストランで修行することを決意したんです」
そうして21才からの1年と、26才になってから5年の合計6年間を香港で過ごし、現在は中華調理人として忙しい日々を送っているという。
そんなお筆さんが、最初のカルディナに乗り始めたのは香港での修行を終え、北海道に戻ってきてからのこと。選んだ理由はエンジンに対する思いからだった。
「MR2の3Sエンジンの良い印象が強く残っていたんです。そこで日常の使いやすさも考慮してAT車でNAの3Sエンジンが乗っているST215G型のカルディナを買いました」
もちろんこの愛車もノーマルでは満足できず、最終的にはレース車両で使用していたという中古の社外コンロッド&ピストンを手に入れて組み込むなど、エンジンチューンまでおこなっていたという。
そんな1台目のカルディナを40才を迎える8年ほど前まで所有したというお筆さんが、10万キロほどの走行距離を重ねたタイミングで乗り換えたのが、次の世代のカルディナ(ST246W型)。最上位スポーツモデルである4WDターボの『GT-FOUR』が、現在も乗る相棒となっている。
このカルディナに積まれている3S-GTEエンジンは、3Sエンジンの集大成とも言える260PSの馬力を誇るモデル。しかも、前の愛車からエンジンパーツを移植し、ECUのリセッティングまで施した快速仕様に仕上がっている。「3Sエンジンは歴史があって、世代間でもいろいろ共通して使える部品があるのも魅力のひとつですね」とお筆さん。
腰痛を抱えているためマニュアル車の運転は避けているそうで、このカルディナにATグレードしか存在しないこともかえって好都合だったという。たしかに、マニュアルモデルがあったらお筆さんはそっちを選びたくなってしまうに違いない!?
とはいえ操作自体はマニュアルのほうが慣れていることから、シフトノブはマニュアル風のロングノブに変更。マニュアルモード時のシフトアップとシフトダウンの方向を逆にするマニアックなアイテム、トムスの『GTシフター』も装着しているという。
エクステリアは、あえて純正オプションのスポーツグリルとステッカーチューンくらいに留めているとお筆さん。いっぽうで弟さんと共同所有していると言うもう1台の愛車ハイラックスの方は、中身がノーマルで外装をTRD仕様に仕上げているそうだ。
最近はソロで行くデイキャンプにも使用するため、カルディナのリアトランクの広さが役立っているとのこと。基本的には日帰りで、その場で調理する食事が楽しみなんだとか。
カルディナはこれ以降のモデルが発売されず、すでに生産終了から15年ほど経ってしまっているけれど「高年式なクルマになったので、いたわって乗り続けます」と、これからも相棒としての立場は変わらず続いていきそうだ。
取材協力:GRガレージ札幌厚別通
(文:長谷川実路 写真影:平野 陽)
[ガズー編集部]
GAZOO取材会@GR Garage札幌厚別通
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