多分これが最後のMT車! マツダ ロードスターが教えてくれたオープンカーならではの爽快感と走り
チエさんが「還暦を迎える前に叶えたいこと」は、もう一度MT車に乗ること。気に入って10年以上乗っていたというランドクルーザープラドを手放してまで手にしたのが、久しぶりのMT車であるマツダ ロードスター。
真っ赤なボディカラーのオープンカーということで購入した当初はちょっと気恥ずかしさもあったといいますが……その真っ赤なオープンカーはチエさんにこれまでになかった刺激と楽しさを与えてくれたそうです。
そんな、チエさん×ロードスターのお話です。
――現在、ロードスターに乗られているということですが、これまではどんなクルマに乗っていたんですか?
このクルマの前にランドクルーザープラドに10年くらい乗っていて、その前がRAV4……ずっとトヨタの四駆に乗っていました。
――今まで乗っていたクルマとはだいぶ景色が違う感じがするチョイスですが、なぜロードスターを選ばれたんですか?
私ももう55歳になって、子育てもひと段落した事もあり、大きい車はもういらないかと。それなら久しぶりに、MT車に乗りたいなって思い、それで買い替えることにして。
――MT車に乗りたいという思いが強かったようですが、ロードスター以外のクルマで候補となったものはありますか?
最初はトヨタのハイラックスも気になっていたんですが、趣味がゴルフで、ゴルフ場に行くのにハイラックスはちょっとテイストが違うかな?って気がして。
――ゴルフすることを考えたら、ロードスターも厳しそうですが……?
トランクにゴルフバッグが入らないので、普通は選択肢から外れますよね(笑)。でも、あと5年で60歳になる事を考えたら、できることもだんだん限られてくるので、今ならまだ乗れるかなっていう思いがあったんですよね。
――もともとロードスターに憧れがあったんですか?
二十歳ちょっとすぎた頃、六本木でモスグリーンのロードスターを見かけて「こんな車があるんだ」って斬新で、すごく記憶に残っていたんです。
もともと前のプラドも凄く気に入っていたのでなかなか次のクルマを選べなかったんですが、若いころに見たロードスターの強烈なインパクトを思い出して……。
そんな時、会社近くのマツダのショールームに赤いロードスターが展示されたんです。なんだか私のことを呼んでいる気がして(笑)。3日間横目で見ながら通勤して、4日目の休みの日に見に行き、そこで決めちゃいました!
――まさにグッドタイミングでしたね。ボディカラーも赤に決めていたんですか?
買う時にちょっとだけ迷ったんですよね。仕事中も使うので、赤いスポーツカーだと派手すぎないかな?とも思ったんですが、マツダの営業さんは「絶対に赤です!赤にしないと後悔します!」って赤一択でした(笑)。
初めから赤は考えていなかったし、決して押しの強い営業さんではなかったのに、そこだけは強く推されて、なんだかだんだんその気になってしまって(笑)。
もともと展示車に惹かれたというところもあるから、多分無意識のうちにずっと赤が気になっていたんでしょうね。
――そうして手に入れたロードスターですが、最初に乗った時はどんな感想を抱きましたか?
今までとは全然違いましたね。プラドやRAV4と比べると車高が低いので、まるで地を這うような走りで。
だから横に並ぶと、タイヤしか見えないような大型車の前に車線変更するとき、相手には自分のことが見えているのかが不安で、車線変更はホントに怖かったです(笑)。プラドは大きかったので、周りの車も進路を譲ってくれる感じでしたしね。
――クルマのキャラクターが大きく違うから、そういう感想になりますよね。オープンカーも初めてかなと思いますが、屋根のないクルマという点はどうですか?
思っていた以上に楽しいなって。毎日乗っていても全然飽きないし、もっともっと楽しくなりそうな感じがしています。
子育ても終わって、息子や息子の友達を乗せることがなくなり、私も完全に子離れしなくてはなりません。これからはひとり時間をこのちっちゃいクルマで楽しみたいなって思います。今ではこのちっちゃさ、窮屈さが愛おしいです!
――ロードスターに買い替えたことで息子さんからはどんなリアクションがありましたか?
もともと「ロードスターってどう思う?」みたいな会話はしていたので、あまり驚いていなくて。むしろ夫の方が「ホントに買う気?」って感じで驚いていました。
「衝動買いじゃないの?」
「ゴルフ行くのにクラブも積めないじゃん」
「せめてATにしておいたら?」
とかいろいろ言われましたが、最後に「もう決めてるんだろ?じゃあオレが何言っても無駄だな(笑)」って私の性格を一番よくわかっている人なので、許可してくれました(笑)。
――旦那さんは心配されていた感じですが、息子さんは好意的だったんですか?
そうですね、多分。息子の上司がNAのロードスターにずっと乗っているということで写真を送ってくれたりしたので。
――このクルマで仕事をされるとお客様からも注目を浴びますよね?
常連のお客様には「クルマ替えたんだ?カッコイイじゃん!」「お洒落ねー!」みたいな感じで褒めてもらえることが多いです。
それとお子さんたちからも人気が高いんです。正直、遊び全開ってクルマですからね(笑)。ロードスターで仕事ってどうかな?と思っていたのですが、だいぶ安心しました。
――周りの方たちは結構、好意的に見てくれたんですね
逆に、私の気持ちが引き締まりました。遊び要素の強いクルマで仕事していると、仕事がいい加減に思われてしまいそうなので、更にしっかりやっていこうという感じになりましたね。
――前のクルマと比べてドライブする頻度とか、クルマでお出かけすることって増えましたか?
まだ遠出はあまりしていなくて、ゴルフの時と通勤で使うことがメインです。ゴルフの時はもちろんですが、オープンにして通勤すると普通に職場に行くだけなのに、特別な仕事をするみたいな、気持ちがアガるというか非日常感を味わっています。
――では、これまでで一番印象的なドライブはありますか?
ゴルフ場に向かう途中の高速道路で、友達が偶然見つけてくれて「赤いオープンカーで隣りにキャディバッグ載せて、メッチャ目立つからすぐチエちゃんだってわかった!」って(笑)。
彼女もミルクティみたいな可愛い色のジープに乗っていて目立つので、私もすぐに気づいて。高速道路で友達を発見するって、なかなかないじゃないですか。それからは2台でツーリングする感じで一緒に走ってゴルフ場に行ったのが楽しかったなって。
――ちなみにロードスターでゴルフに行く際、ゴルフバッグはどう置いていますか?
助手席にドンって置いています。ロードスターを買う時にYouTubeでゴルフに行くロードスターオーナーの動画を見たり、ロードスター乗りのゴルフ友達に聞いたら、助手席に置くしかないって言われて、ずっとそうしています。
――日常のドライブとかゴルフの時とかはこのクルマで行くということですが、MT車を運転するのは苦じゃない?
苦じゃないですね。今はゴルフ場へロードスターで向かう方が、ゴルフより楽しくなっちゃってます(笑)。
年末に、ロードスター乗りの友達が長野から来てくれて、館山のゴルフ場まで一緒に走ってゴルフ場入りしたんですが、それだけで大満足でした(笑)。1日ゴルフをした後の、帰り道のクラッチ操作も今のところ大丈夫です。
――このロードスターでチエさんが特に気に入っているところはありますか?
思っていた以上に乗っていて楽しくて、愛おしくもなってる感じですね。
ボディカラーを赤にして、周りからはどう見られているのかな?と思っていたころに、いつも給油しているガソリンスタンドの奥さんに「赤イイじゃない!赤は女性にとって特別な色なんだから」って言ってもらえた時に、この色にしてよかったなって。
女性としても人生の大先輩にそう言っていただけて、嬉しかったですね。
あとは仕事先に来店されたお客様にも「赤いスポーツカーに乗っているスタッフさん」ってことで覚えてもらって。今まではクルマで覚えてもらうことなんてまずなかったのですが、このクルマに替えたらそういう呼ばれ方をしたので、すごくインパクトがあるんだろうなって思いました。
――では、このロードスターってチエさんにとってはどんな存在ですか?
うーん……例えるなら「日常を非日常」に、「平凡を特別」に変えてくれるクルマであってクルマの域を超えた“魔法のアイテム”ですかね。オトナの贅沢な遊具。
毎年仕方なく歳は重ねるけど「遊び心」だけは忘れたくない、そんな私にぴったりのクルマだったと思います。
息子さんが独立して家を出て以来、ちょっと寂しい気持ちにもなっていたというチエさんでしたが、ロードスターと巡り合えたことで毎日が楽しくなったと嬉しそうに語ってくれたのが印象的でした。
今まで経験したことがなかったという車高の低いクルマならではのスピード感やオープンカー特有の爽快感、そしてMT車を運転する楽しさはこれからもチエさんにワクワクをプレゼントしてくれることでしょう!
【Instagram】
チエさん
(文:福嶌弘)
ロードスターを楽しむ女性オーナー
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