「楽しみ方は1つじゃなかった」。青きSUBARU BRZが気付かせてくれた僕の本心
今回お話を伺ったのは子供の頃からSUBARUを愛してやまないY.Tさん25歳。
幼少期に父親に連れて行ってもらったSUPER GTをきっかけにスポーツカーに惹かれ、大学入学時には初めての愛車としてマツダ RX-7(FD3S)を購入。念願だったサーキットも走ることができ、思う存分スポーツカーを楽しんだといいます。
その後、SUBARUのレース活動に対する熱意に改めて共感し、自身もSUBARUの販売店への入社を決意。現在は、昨年購入したBRZ“Cup Car Basic”でカーライフを楽しまれているのだとか。
BRZを愛車に迎え入れてからは、レース以外の新たな楽しみ方にも気付いたそうですが、一体どんなカーライフを送られているのでしょうか。
今回は、Y.Tさん×BRZのお話です。
――全てのきっかけはお父様との思い出だったんですね?
そうなんです。父もスポーツカーが好きで、「昔RX-7に乗っていたんだよ」っていう話をよくしてもらったりしていて、どんどんスポーツカーに興味を持ち始めたんです。
父に連れられてSUPER GTを見に行った時に体感した大きい音やタイヤの焦げる匂いは未だに記憶に残っていて、そういう思い出が今の自分に影響していますね。
――初めての愛車はお父様と同じ車種だったとか?
はい。父から「100万円を予算に好きなクルマを選んで良いよ」と言われて、どうせだったらスポーツカーが欲しいと思い、父から話を聞いていたRX-7を購入したんです。それがスポーツカーに更にどっぷりハマるきっかけでしたね。
――その後、新しい愛車にBRZを選んだ理由はなぜだったんですか?
自分のお金で次の愛車を選ぶとなった当時、欲しいクルマがBRZ以外にもたくさんある状況でした。例えばWRX STIは、SUBARUのスポーツカーの中では名の知れたクルマというか、SUBARU好きな人が憧れるクルマで、候補の1つになりそうだったんです。
ただ「今しか買えないスバルのクルマってどれだろう」って考えたんですよね。今までのSUBARUの歴史を見てきても、自然吸気で水平対向、更に2ドアでFRのクルマってBRZしか無いんじゃないかなって思い始めて……。
――SUBARUのスポーツカーの中でも個性的なクルマが欲しいと思ったわけですね
そうです。SUBARUといったらターボ付きの四駆のスポーツカーっていうイメージでしたが、長い歴史を見た時に他とは違う独特なクルマだなって思ったんです。
最初に購入したRX-7もロータリーエンジンという個性にも惹かれて購入したクルマだったので、今思うと、僕が愛車に求めている条件は“他とは違う何か”なのかもしれないですね。
――カップカーベーシックという仕様のBRZですが、納車されるまでの期間は長かったですか?
納車までの期間は8ヶ月くらいでしょうか。BRZって普通のグレードだと約2ヶ月で納車されるんですが、車内のロールケージなどの特殊な装備が付いているので、通常の納車期間よりも6ヶ月プラスされたみたいなんですよ。ベース車両をスバルの工場で作って、内装のロールケージだったり、増設のオイルクーラーを別の工場から持ってきたりしていると聞きました。
――納車されるまではめちゃくちゃ楽しみだったんじゃないですか?
それはもう(笑)。実は、まだクルマが届いていないのに、車内のパーツを揃えてしまったりしていたんですよ(笑)。レカロのシートだったり、ドアの内張などのオーダーメイドまでして、先に作ってもらっていました。
――購入前からすごい熱意ですね! 今1番気に入っているカスタムってどこなんでしょう?
やっぱり、そのオーダーメイドした内装の箇所ですね。ドアパネルになるんですが、表皮全体を青くしてもらい、赤いストライプと刺繍を入れているんですが、これは今でも1番のお気に入りです。
実はオーダーメイドを依頼したメーカーさんが普段からスバルのパーツを作っているサプライヤーさんで、純正のカスタムとほぼ同じクオリティでカスタムが出来るんですよ。こだわりでもあるし、かなり気に入っています。
――Y.TさんがBRZに初めて乗った時、どう感じましたか?
このクルマは普通じゃないなって思いました。まず、乗り込む際にロールケージを跨がないといけないので、乗り込みづらいし降りづらいんですよ。だけどそれが嬉しいポイントというか、求めていたものだったので、テンションは上がりましたね(笑)。
とにかく、乗り込む時に普通のクルマとは違う雰囲気を感じたのを覚えています。乗り込んだ後は思っていたよりも普通のクルマで、例えば想像していたよりもハンドルはすごく軽く切れるんですよ。スポーツカーだから重いハンドルなのかなって勝手に思い込んでいたんですけど、操縦しやすいクルマだなと感じましたね。
――その後はすぐにドライブに行かれたんでしょうか?
納車された週の内に、新潟から大阪まで往復しましたね。実は、その時に車中泊に近いこともしました(笑)。BRZでもちょうど1人寝られるくらいのスペースを作ることができるんですよ。
道中のパーキングエリアで仮眠したりしながら、USJで遊んだりもして、それでまた車中泊しながら高速に乗ったり下道を走ったりしましたね。
――BRZを購入後、サーキットは走ってみましたか?
はい、サーキット走行も実際にしました。
――走ってみていかがでしたか?
ロングストレートでかなりのスピードから強くブレーキを踏んだ時に、クルマってこういう動きをするんだっていう体験をBRZはさせてくれましたね。クルマの限界域近くを走らせたのが初めてだったので、今までの走行体験とは違うなと感じました。
何より、純粋に自分のテクニックの限界も知ることができた良い機会になりましたね。
――ゆくゆくは何かのレースに出たいという気持ちがありますか?
最終的には出てみたい気持ちはあるのですが、このBRZを購入して、色々な意味で他の人とは違うことをしたいって思う自分もいるんですよ。例えばカスタムなんですが、自分の好きなカスタムをするとレースに出られなくなったりしてしまうんですよね。
なので、レースに出ることが全てではないんじゃないかなって最近になって気付きました。今の気持ち的にはレース以外の楽しみをこのBRZで味わいたいと思っています。
――これまでに印象深い出来事はありましたか?
このクルマでもさまざまなイベントに行ったんですが、その中でもSUBARU好きの有名な人に見てもらえた時に、「こんなに内装が青いんだ!」っていうコメントをいただけて、自分の中でその反応がめちゃくちゃうれしかったです。
SUBARUのイメージカラーでもある青がカスタムのポイントでもあったので、それを褒めてくださったのが「オーダーメイドをして良かったな」ってしみじみ思いました。
実は僕がしたカスタムって、その人のBRZにインスピレーションを受けてカスタムしたといっても過言じゃないんですよ。自分が影響を受けていた人から見てもらえたのが、とにかく嬉しかったです。
――今後はBRZをどのように乗っていきたいですか?
好みのカスタムをしつつ、自分ならではの個性を更に出していきたいと思っています。現状は、手の届く触れられる箇所や運転していて視界に入る箇所をカスタムしてきたので、今後はエクステリアを徐々に変えていきたいなと思っていて、それが楽しみです。
――今のY.TさんにとってBRZはどのような存在になっていますか?
自分の心を支えてくれる存在なんじゃないかなって思っています。日常生活では通勤からレジャーまで使っていますが、このクルマに乗るととにかく安心するんですよね。
『家に帰ると安心する』っていう言葉はよく聞きますけど、自分の場合、実家に帰った時の安心感に似た感覚は、このクルマに乗っている時に感じます。
父親の影響でスポーツカーに興味を抱き、RX-7ではその好奇心に従い積極的にイベントに参加してきたというY.Tさん。
BRZのカスタムは、さまざまな体験をした彼がたどり着いた、彼に合った楽しみ方なのだと感じます。そして、自身が影響を受けたSUBARU好きの人からの反応が、更に彼のカスタム欲をくすぐったのでしょう。
カーライフの中でうれしさを感じた瞬間を聞いた時「BRZに乗せた人たちが目を輝かせて喜んでくれた時」とも教えてくれました。
もしかしたら、この先Y.Tさんが向かう先は、自分自身で経験したことをもとに、人々にスポーツカーの魅力を伝えていくことなのかもしれないと、勝手に思う筆者なのでした。
(文:秦 悠陽 写真:Y.Tさん提供)
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