前オーナーが守ってきた時間を大切に。三菱・GTO “継承”の物語

  • 三菱GTO左フロント4:6

長年憧れだった三菱GTOを、ついに愛車として迎えた20代の「トチキ@GTO」さん。

「自分よりも年上のクルマなので、おじいちゃんだと思っていたわっています」

そう話すトチキ@GTOさんからは、前オーナーへの敬意が伝わってきます。今回は、GTOとの出合いと愛車への想いをお聞きしました。

――このクルマに乗っていると、話しかけられませんか?

よくあります。年上の方が多いですね。「懐かしい」とか「昔欲しかった」といわれることもあれば「重くて曲がらないんでしょう?」みたいに、当時の車評を口にされることもあります。後者はあまりいい気持ちではないですけど、GTOがそれだけ記憶に強く残っているクルマなんだなと思うようにしています。

  • 三菱GTO左フロント5:5

――うらやましさや、若いオーナーさんが乗っていることへのうれしさもあって、つい声をかけたくなるのかもしれませんね。GTOを好きになったきっかけを教えてください。

きっかけは、実家の近所に住む方が所有するGTOの存在です。ボディカラーは赤でツインターボの前期型で、このクルマに中学生のころから憧れていて、自分が乗るGTOも前期型にこだわったくらい影響されています(笑)。

その方は、現在も大切に乗られています。しかも2桁ナンバーなんですよ。帰省した際にタイミングが合えばお会いしたいです。

――トチキ@GTOさんは、モータースポーツや漫画、アニメの影響を受けたわけではないようですね。

そうですね。自分のクルマ好きは、地元のGTOをきっかけに始まっています。移動手段としての「車」と、趣味としての「クルマ」の存在は別世界だと思っています。そのクルマにしかない個性に惹かれることが多いです。

  • 三菱GTO左フロント1:9

――では、愛車との出合いをお聞かせください。

前期型にこだわって探して、縁あって出合ったのがこの個体です。直感で「このクルマしかない!」と思うほど抜群のコンディションでした。1990年式で、当時の走行距離は10万7000キロ。NAモデルで4ATです。もともと年式が古い車種なので、車体への負荷を考慮してNAモデルを探していたことも希望通りでした。

――ボディカラーがホワイトも珍しい気がします。純正色ですか?

このホワイトは「ギャラクシーホワイト」という純正色だそうです。最初は近所の個体と同じ赤を探していたんですが、ホワイトもいいですね。

――とてもうれしかったんじゃないですか?

GTOを購入するためにコツコツお金を貯めてきたので、喜びもひとしおでした。のちに知ったのですが、前オーナーさんが免許返納を機に手放された個体で、所有している間は車庫で大切に保管されていたと聞きました。

  • 三菱GTOリトラクタブルライト

――前オーナーさんのことを知ったときは、どんな気持ちでしたか?

実は、前オーナーさんとはSNSでつながっていて、GTOの近況を報告しているんです。知り合ってお話を伺っていくうちに「まだ乗りたかったんだろうな」という気持ちが伝わってきたので、愛車になった喜びがあるいっぽうで「託された」という気持ちが強いです。

これからは自分が守っていかなければならないという気持ちがあります。車内には前オーナーさんが付けていたナンバープレートを載せています。

――胸にきます。納車の様子は、YouTubeチャンネルでも取材されたそうですね。

「ハチマルガレージインパクト」のYouTubeチャンネルで紹介していただきました。

あのときは「やっと乗ることができた」とうれしい反面「維持できるのか、部品調達は大丈夫だろうか」という先の不安がどっと押し寄せてきて、ステアリングを握りながら複雑な心境でした(笑)。

  • 三菱GTOホイール

――実際にGTOを所有してみていかがですか?

愛車を眺めていると幸せを感じます。全体の造形はもちろん、ダミーダクトやサイドフィンも美しいですね。前期型のみのリトラクタブル・ヘッドライトは、やっぱり良いなあと思います!

同じ年代のスカイライン(R32型:日産)やFD(RX-7:マツダ)と比べてもボディサイズが大きくて、独特の存在感があります。スポーツクーペでありながらラグジュアリーな雰囲気があるのはATだからですかね。ディアマンテがベースなのでそう感じるのかもしれません。

音も好きです。力強さがありつつ綺麗な音で、上品だなと思います。

――運転するときに心がけていることはありますか?

余裕を持った行動と丁寧な操作を意識し「急がない、あせらない、気にしない」をモットーにしています。運転前の点検も心がけています。

  • 三菱GTOリヤ

――普段の接し方はどんな感じですか?

前オーナーさんと同じように屋内保管にして、雨の日は乗らないようにしています。洗車は二週間に一度くらいのペースです。

出先では、できるだけ木陰に停めたり立体駐車場を使ったりしていますね。鳥の糞が落とされたらすぐ拭きとれるよう、常にウエスを載せています。

――前オーナーさんが車内で聴いていた音楽を、ご自身でも聴くようになったとか。

前オーナーさんが車内で聴いていた音源が残されていたので、聴くようになりました。五木ひろしさんや前川清さんの曲がお好きなようです。このGTOと前のオーナーさんが一緒にドライブしていた時間を追体験した気持ちになりますし、聴きながら走っていると、GTOが元気になるような気がするんですよ。

  • 三菱GTO@給油所

――カーライフに変化はありましたか?

かなり変わったと思います。これまではクルマ関係の知り合いは少なかったんですが、GTOに乗り始めてから、三菱車やGTOオーナーの友人が増えました。「西日本GTOミーティング」を主催している方とも仲良くさせてもらっていて、毎週のように会っていろいろとアドバイスをいただいています。

  • 三菱GTO@イベント01

    イベントでは、前オーナーのナンバーも飾るようにしている

――頼もしい仲間とのご縁、素敵ですね! 今後はGTOと、どんな時間を過ごしていきたいですか?

これからも良い状態で長く乗っていきたいので、近々リフレッシュを予定しています。左右のパワーウインドウレギュレーターの交換やラッシュアジャスターの交換、エンジンルームの遮熱板の取り付けなど。それと、オーディオとスピーカーも寿命を迎えそうなので、新調したいと計画中です。

自分自身、引っ越してきて間もないので、ドライブロードもいろいろ探索したいです。GTOと景色をからめて写真を撮ったりしながら、思い出を少しずつ増やしていけたらいいですね。

  • 三菱GTOイベント02

――この記事を前オーナーさんがご覧になるかもしれません。最後にメッセージをお願いします。

GTOは、ちゃんと元気にしていますとお伝えしたいですし「誰よりも愛情を注いでいる」といえるくらい、これからも大事にしていきたいと思っています。ほんとうにありがとうございます。

  • 三菱GTOライト点灯イメージ

この個体に注がれた前オーナーの愛情と、GTOへのまっすぐな想い、深い敬意が融合したカーライフ。取材中は、言葉の端々にトチキ@GTOさんの優しい人柄があらわれていました。これからも愛車と良い時間を過ごしてくださいね。

(文:野鶴美和 写真提供:トチキ@GTOさん)

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トシキ@GTOさん