おうち時間でまさかの手芸 ~クルマ離れ世代のクルマ好き男子の野望 Vol.17~
皆さんお元気ですか? 新型コロナウイルス感染症がまだまだ広がりを見せる中、緊急事態宣言も発令され、今、外出が困難ですよね。自宅にガレージがあれば、クルマを触ったり弄ったりしてみたいものですが、マンション住まいで立体駐車場に車を入れているため、そんな魅惑の城はありません…。しかし、在宅時間が増えたこともあり、何かやろうかな?と考えた結果、内装のおめかしを思いつきました。先日、ステアリングとシフトノブの補修及びドレスアップを行いましたので、私のしがない「おうち時間」を紹介させていただきたいと思います。
70スープラを購入した際に、前のオーナーさんが装着していたステアリングが傷んでいたため、新しい物を購入しました。物はMOMOの合皮生地に白いステッチの3本スポークのステアリングです。最初は気に入って使用していましたが、ある日突然ステッチの部分が解れて切れてしまいました。固くなった手のひらのマメがステッチに引っかかってしまうことが原因でした。
形がとても気に入っていたので、正直落ち込みました。新しいものを購入する事を考えましたが、値段が高く手が届きません。糸が千切れてもステアリングとしては機能しますので、一旦は我慢しました…。
しかし、ステアリングを気に入ってはいるものの、夏場に手に汗をかくとグリップの合皮部分が滑り易くなってしまうとか、いずれは白色のステッチから赤い色のステッチに換え、車内を黒と赤で統一したいという事が脳裏に浮かびます。ですので、新しいものが欲しいという気持ちは変わりませんでした。
そこで、ステアリングの張り替えをしてもらおうと思いました。内装の張り替えを行っている業者さんのホームページで価格を調べると、約3万5000円近い価格。ステアリングの価格以上、予算オーバーです。ドレスアップよりも走りに関して体感出来るパーツやメンテナンスに使いたいのが心情…。やっぱりそっち方面にお金は掛けたくない…、でもステッチだけ変えたい…という事で、どうしたのかというと、自作することを考えました。そうです、いきなりの手芸!自分で縫ってしまえ!ということです。
まずは、完成予想図を思い描き、生地を選びました。合皮特有の滑り易さを軽減する為に本革を考えたものの、以前にアルカンターラ素材のステアリングを握った事をふと思い出しました。某スーパーカーにも使われているあの素材に憧れを持っていたので、ひょっとしたら生地が売っているのか?とダメ元で調べてみたところ、何とありました!驚きでした。かつ、アウトレット品だった為、速攻ポチりました。これで、自作の決心は後戻り出来なくなりました。
生地の色は、黒とダークグレーの中間。続いてステッチ用の糸!色は、もちろん「赤」ですが、強度の無い糸だとまた解れたり千切れたりするので、レザークラフト用を選択しました。自分でやれば約200ポンドの節約になります!どこかで聞いたフレーズですね。
せっせと裁縫に励みどうにか完成したのですが、またほどいて縫い目をメンテナンス中です。しかし、まあまあの出来!
握り心地がソフトでも滑りにくく、素材の厚み分グリップが太くなったので、ますます握り易くなりました。ただ生地に汗が付くと汚れ易くなりそうなので、こまめに清掃する必要がありそうです。
これに気を良くして、シフトノブも交換することにしました。僕のスープラは2.5GTツインターボRというグレードであり、純正の状態でシフトノブにMOMOの刻印が入っています。買った時から糸が解れていたり、革の生地が傷んでいたりとボロボロの状態でした。最初はクルマを所有する喜びの方が勝り、特に気にも止めていませんでした。しかし、気になり始めボロボロだったシフトノブをカーボン調の汎用品の物に交換しました。他のスープラ乗りの方から、シフトノブはレアだから取って置いた方が良い!とアドバイスを受けたので、補修作業に着手です。
ただ、一つ問題がありました。ステアリングとは異なり、革を剥いでしまうとMOMOのロゴや5速パターンの刻印が消えてしまうのです。そこで、たまに行う靴磨き(革靴磨き、皮ジャン磨きはとても楽しい…)の要領で、800番の紙ヤスリと靴用のクリームとワックス、糸の解れを直す為の太い糸で作業を始めてみました。既存の革を痛めない様に補修する必要があったので、大変でしたがどうにか上手くいきました。
シフトノブ、見事に生まれ変わりました。
みなさんはこのような補修はどのようにされていますか? ステアリングに関しては、メーカーは勿論、径が小さい物やグリップの太さ、ディープコーン、スポーク数、生地やステッチの色と縫い方等色々ありますね。また、純正状態でエアバッグがある車両は任意保険料の兼ね合いや、交換が大変であるといった懸念事項がありますので、ご注意ください。
車のメンテナンスやチューニングが一段落したら、内装のドレスアップにも手を出してみたいと改めて思いました。理想は、純正のダッシュボードやパネルに穴あけ等はせず、いつでも元に戻す事が出来るカバーの様なもので、あくまでもシンプルに、です。元々こうでした!と言っても信じて貰える様な仕様が理想です(笑)。
今回の作業は、別の側面から愛車と向き合うことが出来、意外にも楽しい時間を過ごす事が出来ました。みなさまも今のこの自粛の時間を使って何か出来ると良いですね。という訳でまさかの手芸報告でした。
(写真、テキスト ナナマル)
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
随時、クルマに関する様々なイベント・テーマでレポートしていきます!
[ガズー編集部]
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