【連載全14話】第3話 グラース・ゴッゴモビル・・・2サイクルエンジンのクルマ特集

現在のクルマのパワーユニットは実にさまざま。一方で絶滅危惧種となっている2サイクルエンジンのクルマを今回はピックアップ。日本やドイツで親しまれた小排気量車を中心に、週替わりで紹介します。

グラース・ゴッゴモビル

第2次世界大戦後の混乱が一段落した1950年代のドイツでは、「バブルカー」や「マイクロカー」などと呼ばれる超小型車が数多く登場した。そんななか、19世紀後半に設立された農機具メーカーだったグラースは、1951年にスクーターにより自動車業界に進出し、続いて1955年にはゴッゴモビルT250で四輪車製造を開始した。

1960年に登場した三菱初の量産乗用車である三菱500にも影響を与えたといわれる2ドア4座のセダンボディーは、全長2900mm、全幅1280mm、全高1300mmという、360cc時代の軽規格におさまるサイズ。その後端にドイツの二輪の名門だったアドラーの技術者が設計したといわれる、最高出力13.6PSを発生する空冷2ストローク並列2気筒247ccエンジンを搭載。4段MTを介して後輪を駆動した。

1957年にはエンジンを293/392ccに拡大したT300/T400を追加。またT250のものを含めた3種類のエンジンを2+2のクーペボディーに積んだTS250/TS300/TS400も加えられた。1966年にグラースはBMWに吸収され、一部の上位車種はBMWブランドに変更され継続生産されたものの短期間のうちにフェードアウトした。だがゴッゴモビルだけはグラースの名を冠したまま1969年までつくり続けられ、その生産終了とともにグラースブランドも消滅した。

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