【連載全12話】第2話トヨタ・スポーツ800・・・ルーフが開く日本生まれの2シーター

サンルーフやパノラマルーフもいいけれど、ルーフそのものが外せたら、さらに開放的なドライブが楽しめます。今回は、そんな屋根が開くモデルのなかから、2人乗りの日本車をピックアップし紹介します。

トヨタ・スポーツ800

1962年の東京モーターショーに出展されたパブリカスポーツと名乗るコンセプトカーに始まり、1965年に市販化されたトヨタ初の量産スポーツカー。コンセプトカーではドアがなく、戦闘機のキャノピーのようなスライド式のルーフを持っていたが、量産モデルでは通常のドアと樹脂製の着脱可能なルーフとなり、1台でオープンとクローズドクーペの双方が楽しめるようになった。

シャシーやパワートレインのベースとなったのは、トヨタ初の大衆車だった初代パブリカで、ツインキャブを備えた790cc空冷水平対向2気筒OHVエンジンの最高出力は45PS/5400rpmにすぎなかった。しかしCd値0.35と空力特性に優れており、ボンネットやトランクリッドにアルミパネルを使うなどして車重を580kgにおさめた軽量ボディーとの組み合わせによって、最高速度155km/h、0-400m 18.4秒という性能を発揮。しかも燃費は定地走行によるカタログ値でリッターあたり31kmと極めて良好だった。

モータースポーツでも活躍し、軽量コンパクトかつエアロダイナミクスに優れた車体で非力なパワーユニットを補い、パフォーマンスと経済性を両立させるというコンセプトは、とりわけ耐久レースで真価を発揮した。給油のためのピットロスが少なくて済むことから、しばしば大排気量車を食ってみせたのだ。“ヨタハチ”の愛称で呼ばれる愛らしく、親しみやすい姿に合理的なパッケージングを内包した、高効率なライトウェイトスポーツだった。

[GAZOO編集部]

【連載全12話】日本のオープン2シーター

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