【連載全13話】第8話 アストンマーティン・ラゴンダ・・・みんなで乗れる高性能車 スーパーセダン特集

いわゆるスポーツカーやスーパーカーとは異なる4ドアボディーを持ちながら、卓越した走りで知られたハイパフォーマンスモデル。今回は、そんな“スーパーセダン”を週替わりで紹介します。

アストンマーティン・ラゴンダ

この連載で最初に紹介したラゴンダ・ラピードのデビューから13年後の1974年、今度はブランド名だったラゴンダをモデル名に冠したアストンマーティン・ラゴンダ(シリーズ1)が登場した。これは主力モデルだったアストンマーティンV8のホイールベースを延ばして4ドアサルーン化したものだったが、当時アストンの経営が不安定だったことからわずか7台しかつくられなかった。

それから2年後の1976年のロンドンショーで、経営が刷新された新生アストンマーティンから、名称こそ同じラゴンダながらまったく新しいボディーをまとったシリーズ2(写真)が衝撃的なデビューを飾った。DBSと同様に社内デザイナーだったウィリアム・タウンズの手になる全長5.3mに迫るボディーは、強烈なウエッジシェイプの前衛的なフォルムが特徴。インテリアは従来どおりコノリーレザーを多用するものの、メーターは量産車としては世界初となるLEDによるデジタル表示、しかも多言語切り替え式という未来的なデザインで、エクステリアともどもコンセプトカーをそのまま市販化したような雰囲気だった。

パワーユニットはアストンマーティンV8と共通の5.3リッターV型8気筒DOHCで、3段ATを介し、公称最高速度225km/hを実現した。自慢のひとつだったデジタルメーターの開発に手間どり、デリバリーが開始されたのは1978年。その後1985年にエンジンがインジェクション化され、メーター類をCRT(ブラウン管)に変更したシリーズ3となる。さらに1987年に登場したシリーズ4ではボディー各部のエッジが丸められるなど、変更が加えられるたびに未来感とインパクトは薄れていったが、1990年までに計645台がつくられた。

[GAZOO編集部]

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