バイク女子を虜にしたオープンカーの開放感。AT限定解除して手に入れた5MTの黄色いコペン
「もともと私は父親の影響でバイクが好きやったんですよ。やけど、バイク仲間や夫がクルマ好きなので、いろいろなクルマ屋さんに連れて行かれるうちに感化されてしまったんです。夫とドライブ中に『あのクルマ何!?』って聞くとほぼ答えられるのが面白くて、めっちゃ聞きまくるということもありました(笑)」
クルマに興味を持つようになった経緯を、微笑ましいエピソードを交えて話してくれたのは、色鮮やかなジョーヌイエローのダイハツ・コペンローブS (LA400K)に乗るミズキさん。
アコード(CR7)に乗る旦那さんの『おかちゅーさん』とは、共通の趣味であるバイクのツーリングで出会ったことをキッカケに交際がはじまったそうで、取材日のわずか2週間前に入籍したばかりの新婚さんだ。
「性格とかギャップとか、全部可愛いんです」と言うおかちゅーさんに対して、「なんの話をしとったんか知らんけど、まぁ~たノロケみたいなこと言うとったんやろ(笑)。よう言ってくるんです」と突っ込むミズキさん。
まるで夫婦漫才のような会話からは、新婚夫婦のラブラブっぷりが溢れ出すように伝わってきて、あいにくの天気にもかかわらず撮影現場は暖かい雰囲気に包まれた。
そんなミズキさんだが、もともとはクルマに興味がなかったということもあってオートマ限定免許しか持っておらず、このコペンに乗るためにわざわざ限定解除したのだという。いったい何が彼女をそこまで突き動かしたのだろうか?
「当時はまだ彼氏だった夫が、マツダにクルマを見学に行くということでついて行った時に、そこに展示されていたロードスターに心を奪われてしまって。さすがに金額的にロードスターは諦めたのですが、それを機にカッコいいクルマに乗りたいと思うようになり、それならやっぱりMTやろ!オープンカーやろ!ということでクルマを探し始めたんです。そして、中古屋さんで出会ったこのコペンを即決で購入しました」
その日のうちに契約書にハンコを押し、必死に教習所に通ってわずか1週間で限定解除、卒検の日に免許証を受け取ってその足でコペンを引き取りに行ったというから、その行動力と勢いに驚かされる。
ミズキさんがクルマ好きになってくれて嬉しい反面、自分のせいで妻が大変なことになっているのでは?と思うこともあるというおかちゅーさんだが、1年前に比べると格段に成長したミズキさんの運転技術に驚かされることもあるという。
「卒業検定に合格して数時間後に納車だったので、僕もコペンの納車について行ったんです。隣に乗ったんですが、終始ヒヤヒヤしました。えっ、そのギアで進むん!?みたいな。本人も『3か5か4か全然分からへん!』なんて言うから、とりあえず大丈夫や!と励ましつつ(笑)工業地帯とか、誰もいない迷惑にならないような場所で何時間も練習しましたね。それが今じゃぁ…」
「夫の方がエンストさせてますね。ふとした拍子にエンストするんです。あと、エンブレをもっと効かせた方が良いんじゃないかと思うこともあります。私はシフトダウンするのが早いから、夫の運転を見ているとフラストレーションがたまるというか。まぁ、シフトチェンジのタイミングは人それぞれだから、何とも言えないですよね」
コペンを手に入れてから約1年ですっかり頼もしいMT女子に成長したミズキさんは「仕事から帰ってきた瞬間、はよ朝にならないかな~、会社まで運転したいな~、と思うんです。もともとバイクもニンジャ(250cc)のマニュアルに乗っていたので運転の感覚も似ているし、細い道をすり抜けていけるようなサイズ感も扱いやすくて楽しいんです。オープンにして出社すると眠気も吹っ飛ぶし、テンションが上がってなお良しです」と、コペンによって毎日の通勤も楽しくなった様子。
「オープンカーにもずっと憧れていたから、自分のクルマがそうなると嬉しくて。納車した時もまだ寒い時期でしたけど、乗ってすぐにオープンにしました。窓から見える景色だけじゃなくて、走りながら空まで一望できて、全身で風を浴びて。春は桜、夏は海、秋は紅葉、冬は夜空と贅沢すぎるドライブが年中できます」
「寒そうと思われるかもしれませんが、冬の夜空に輝く星をぼ~っと眺めるのは本当に幸せです。肌を刺すような空気でも、シートヒーターもあって暖かく気持ちよくドライブできるから」
絶景を探し求めてなら、長距離運転も苦にならないというミズキさん。道の駅に行って名産品を食べたり、海辺のワインディングをのんびり走ったりするのがたまらなく好きだそうだ。
平日は通勤でミズキさんが乗っているということもあり、最近は休日になるとおかちゅーさんが「運転したい!」と運転席の取り合いになることが悩みの種だという。
「最近は、行きは妻で帰りは僕というパターンが多いです。多分、帰りは疲れて寝たいんだと思います。ふと助手席に目をやると、気持ち良さそうに爆睡していることがほとんどですから(笑)」というおかちゅーさん。
対して、「そうそう! 私だって運転したいけど、帰りは譲ってもええかなって。運転できるからええやろ?」と言うミズキさんを見て、夫婦円満の秘訣とはこういうことなんだろうなとしみじみ感じさせられた。
そんな2人の相棒であるコペンローブS (LA400K)は、レカロシートやビルシュタインダンパーを装着したスポーティーグレードで660ccの5速MT。スポーツカーならではのデザインと、よく見ると愛嬌のある顔が魅力だという。
「キリッとしたライトの形はカッコイイのに、フロントグリルはポカーンとあいた口みたいでたまらないんですよね。ワーって言いながら走ってそうな顔でしょ(笑)?あとは、マフラーが社外品なのでそれなりにいい音がする所も気に入っています。小さいけど、ここにいるよ!ってアピールせなあかんでしょ」
ちなみにルーフにはメーカーオプションのカーボン調ラッピングが施されている。中古車屋さんでこのコペンに出会ったときに購入を決定づけたお気に入りポイントのひとつだという。
今後は、おかちゅーさんのアコードと共にお世話になっている姫路のチューニングショップ『ピットロードM』で、ECUの書き換えやウイングの装着、車高の変更など、少しずつ自分のコペンを作っていけたらと考えているそうだ。
「コペンは、私にクルマってこんなに楽しいんやと思わせてくれた子かな?乗って良かったと改めて思いますね。土日はオープンにして夫とドライブに行くことがほとんどなんですけど、暖かくなってきたら和歌山とか日本海の海沿いを走りたいねと話しているんです。次はコペンと、どんな楽しいことしようって毎日ワクワクさせてくれます」
最後に、クルマとは関係ないけれど、「夫の良いところは、甘やかしてくれるところですかね。お腹が痛いと言ったらバファリンとクスリを買ってきてくれたり。お腹が空いたと言ったら、仕事で疲れてるのにご飯を作ってくれるんです。あとは、仕事で使う服の首元の襟を石鹸でゴシゴシするんです。こんなマメな人間おるんやぁ~と感動しました。なんしか、優しくて、ほんまに良い人ですね」と照れくさそうに話すミズキさんを見て、おかちゅーさんは思わずニコリ。
コペンとアコードといっしょに、いつまでもお幸せに♡
(⽂: 矢田部明子/ 撮影: 平野 陽)
[GAZOO編集部]
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