北九州から日本各地どこへでも!クルマ系動画の配信もこなすアクティブ女子とロードスター【NA8C】
「えっとですね、まず福岡からフェリーに乗って大阪へ、大阪南港から江ノ島に行こうと思っていたけど、SNSでよく見かける針テラスっていう看板を高速道路で見かけたので、そこで写真を撮るために高速道路を降りて、その後また高速道路に乗って江ノ島へ行き、憧れの大黒パーキングでクルマ関係の先輩と待ち合わせをして、そこから東京に行って、次の日は軽井沢を1日観光して、そして今日が軽井沢ミーティングという感じです。このあとは、富士山とロードスターの写真を撮りに行きたいと思っています!」
キラキラと目を輝かせてそう話す彼女は、クルマ系の動画を配信するYouTuberでもある福岡県北九州市在住のうぃきさん(25歳)。この話からも察せられるとおり、彼女は取材させていただいたイベント「軽井沢ミーティング」に友達とふたりで北九州から自走で参加していた、とってもアクティブな女性だ。
取材をさせていただくにつれて、うぃきさんが今回の旅以外にもこれまでさまざまな場所へロードスターとドライブに出かけていたり、動画用の企画として旧車紹介やDIYなどにチャレンジしてみたりと、ロードスターだけでなくクルマ全体に興味を持ち、彼女なりの目線でディープなカーライフを送っていることを知った。
彼女はなぜ、ここまでクルマに興味を持つようになったのか。そして愛車のロードスターで全国各地に行き、手間のかかる動画配信もしっかり続ける、そのパワーの根源に迫ってみた。
うぃきさんがこのロードスターを購入したのは約5年前。完全なひと目惚れだったそうだ。
「最初は、クルマにまったく興味がなかったんですけど、丸いポテっとした可愛いこのロードスターをたまたまお店で見かけたときに“ずきゅんっ”ときて(笑)。とりあえず契約というか、予約を先にしちゃったんですけど、そのときはオートマ車かマニュアル車かすら知らなかったんですよ」
「それで頭金を払って納車するまでの間にオートマの限定解除をしました。10月9日に開催されたロードスタージャンボリーっていうイベントに絶対乗って行きたくて、その前日に納車してもらってイベントに参加したのをよく覚えています」
このNA8Cロードスターは、免許を取得してからはじめて自分で買った愛車で、それまでは家にあったモコに乗っていたといううぃきさん。そしてロードスターに乗ったことをきっかけに彼女のカーライフ、というか生活全体が変化していく。
「納車してからは大阪に行ってみたり、下道で姫路城に行ってオアシスミーティングっていうロードスターのイベントに参加してみたり、とにかくめちゃくちゃいろんなところに走りに行きました。走りまわっていたら走行距離も納車時の9万2000kmから20万4400kmになりました!」
「ロードスターってコミュニティが広くて、本当にいろんなところでイベントを開催しているので、そこに行くのが自分のモチベーションにつながっていますね。『このイベントに参加したんだ』っていう思い出づくりにもなるし、現地について友達と合流して、いろんな人とお話しするのも楽しいです。それに道中では、いろんな景色の中で愛車を撮れるので、それがまた楽しくて!」
こうしてロードスターという最高の相棒を得て、コミュニティの広がったうぃきさんは、同じくクルマ好きな旦那様とも巡り会う。
「旦那とは、とあるクルマのミーティングで出会いました。ドリフトが好きで最近マークIIに乗り換えて、今はクルマを作っている最中なので、パーツが家の中に散乱していてヤバいです(笑)。週末は二人でドライブとかがほとんどですね。クルマ好きじゃないと理解できないところもあるので、旦那が共通の趣味でよかったです」
そして、ご自身がYouTubeをはじめるきっかけにもなった先輩YouTuberとの出会いも、ロードスターが引き寄せた巡り合わせだ。
「最初は、先輩のYouTuberさんに自分のクルマを何度か出させてもらったんです。そのときに『自分でもやってみたら?』と勧められたんですけど、自分なんかにできるのかな? ちゃんと続けていけるかな? と不安でした。でもまわりの後押しもあって思い切って2019年にはじめてみたんです」
「ただ、やはり本業の仕事が忙しくなり、一時期投稿ができない状態も続いてしまって……。でも『YouTube見ています!』って言っていただけるので、せっかくだからもう一度頑張ってみよう!って思い、落ち着いた2020年10月に再スタートを切りました」
そんなうぃきさんが配信する“うぃきちゃんねる”は、現在登録者数2.4万人と多くのファンを持つ。実際に取材中も何人もの方が彼女に声をかけていたのが印象的だ。ちなみに撮影はすべてiPhoneで、編集も動画編集アプリを駆使して自力で行なっているそうだ。
「もともとロードスターのイベントや自分のクルマのことを投稿しようと思ってはじめたんですけど、ほかのチャンネルが愛車紹介をやっているのを見て、自分でも撮影するようになったんです。そうしたらほかのクルマのことも知ることができて勉強にもなるし、楽しいなと思うようになって」
「今は、一番興味がある旧車の愛車紹介の動画が結構多いんですけど、それ以外にもオーディオやドライブ企画など、いろいろチャレンジしています。なにかしら私が発信すると応援してくださるファンのおかげで頑張れている感じですね」
手間のかかる動画配信を義務感だけで続けていくのは本当に大変なこと。しかし、うぃきさんがコンスタントにアップし続けているのは、きっとそれ以上に彼女にとってプラスになっているからなのだろう。
そんなうぃきさんに愛車のお気に入りポイントを伺ってみたところ、一番に上がったのがマフラーだ。
「一番のお気に入りはインテグラル神戸さんのビートサウンドマフラーです。納車したときは純正だったので、変えたいなと思ってYouTubeでいろいろ調べて『これ!』って刺さったのがこのマフラーの音でした。社会人になってはじめての大きな買い物だったんですけど、走っているときにこのマフラー音を聞いているのがめっちゃ楽しいです」
YouTubeで音を聴き比べるところがさすがといったところ。また外装では、ボディのスムージングやホイールもお気に入りのひとつだ。
「納車時からサイドマーカーなどがスムージングされていたんですけど、さらにすっきりさせたくてトランクのハイマウントや鍵穴をスムージングしてみました。ホイールはF1Rの8Jで、アップガレージで購入しています」
「もともと渦巻き系の人と被らないデザインが好きだったんですけど、最初は買うつもりはなかったんです。でも旦那が『この価格でこのデザインだったら買っとけよ』と言ってくれたので、自分の気持ちも動いて買っちゃいました。もともとのサイズが7Jで物足りないなと思っていたので、ちょうど良かったので」
そして気になる内装は、純正を生かしつつもステアリングやブーツ類を交換済みだ。
「ナルディクラシックのステアリングは、旦那からのクリスマスプレゼントです。サイドブレーキとシフトのブーツは、YouTube企画で頑張って自分で交換してみました。あと最近は、音楽も聴いているので、オーディオも変えています」
「とくにこだわったのは、高音用スピーカーであるツイーターの取り付け位置ですね。だいたいの人は、ドアの上に穴をあけたり、ダッシュボードの上にちょこんと載せたりするけど、純正の内装が好きなのでエアコンの吹き出し口のところに目立たないように入れてもらいました。まあ風の角度はかえられなくなっちゃいましたけど(笑)」
こうして現在は、うぃきさんオリジナル仕様となったこのロードスター。だからこそ長く大事に乗るためメンテナンスにも気を使い、今後についてもしっかり計画を立てている。
「シフトブーツ交換などちょっとしたことや、やってみたいところは自分でやりますが、大切なメンテナンスはお店にやってもらわないと怖いのでお任せしています。今は幌が傷んできているので、マルハモーターズさんのものを注文しているので、次はそれをお店で交換してもらう予定ですね」
「あと、今は走行距離が20万kmなんですけど、25万kmになったらオーバーホールか、エンジンの載せ替えを考えているんです。できたらエキマニなんかも入れたいんですけど、まぁ、この辺はぼちぼちでいいかなって。とにかく元気に動いてくれればいいので!」
また、大好きなドライブ旅についても「これだけイベントを制覇しているので、次は北海道の富良野ミーティングに行ってみたいですね!」と、しっかり目標を設定済み。
ちなみに数あるドライブ旅のなかでも5泊6日の今回の旅が一番の思い出だという。その一番の理由がなんと大黒パーキングだとか。
「もう私の中で世界が変わりましたね。一言で感想を伝えるなら、グルグル(笑)。高速道路から大黒ふ頭に入っていくところが、グルグルまわっているじゃないですか? しかも雨の平日だったのに、あんなにクルマ好きな方が集まっているなんで驚きの光景でした。九州には、ああいったところはないので本当に楽しかったです」と、福岡を拠点とする彼女だからこその微笑ましい感想に納得だ。
「ロードスターはもちろん好きなんですけど、もしこれがダメになって違うロードスターに乗るかと言われたらちょっと違う。このロードスターが大好きだから乗ってるんです。納車してからめちゃくちゃいろんなところを走って。本当に大好きすぎてたまらないんです。女性か男性かというと女性の相棒ですね!」
自然体で、ご自身の興味の赴くままにロードスターとのカーライフを楽しんでいるうぃきさん。それだけでも十分素敵なのだが、彼女のすごいところはそれを自身で完結させず、動画配信をしてまわりの多くの方にも刺激を与えている点だ。
しかも彼女自身は、「配信のために企画を考えなきゃ」というスタンスではなく、「面白そう!」と思ったことを実行して配信しているだけなのだ。そしてその観点に視聴者も共感し、ファンとなり、その応援の声がさらに彼女自身を輝かせている。これがうぃきさんの一番の魅力だろう。
これからも続くかけがえのない相棒とのドライブ旅や動画配信のためのたくさんのクルマやオーナーさん達との出会いは、きっと彼女を今よりもっと輝かせる糧になるにちがいない。
(文:西本尚恵/ 写真:三木宏章)
[ガズー編集部]
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