私にしっくりくる86。乗ることで、憧れだった女性に近づけた気がするクルマ

  • トヨタ・86とオーナーの竹本さん

当時、走りを楽しみたい人に人気だったというMR2に乗っていたのは、今回の愛車オーナーである「竹本さん」。
スポーツカーに乗りたい!と思い立ち、すぐにディーラーに行き購入したため、家族に少し怒られたと笑いながら話してくれました。

そんな竹本さんの現在の愛車は、老若男女問わずに人気の86。一体、どんなカーライフを送っているのでしょうか?

今回は、竹本さん×86 のお話をお届けします。

――MR2に乗ってらっしゃったんですね。

  • トヨタ・MR2

そうなんです。運転することが大好きだから、そういうのを楽しめるクルマが良いなと思い購入しました。80年代に生産されていたクルマだから、今のスポーツカーと比べると性能は落ちるけど、とても面白かったんですよ。

乗り回していたから、足周りもクタクタになって“ほにゃんほにゃん”って感じでしたけど(笑)、素敵なクルマでしたね。

ちょっとジャジャ馬感があるのも、また良いんです。ステアリングの角度がピタッとハマれば綺麗に曲がるけど、それが合わないと言うことを聞いてくれない……みたいなね。

――手放した理由は何だったのですか?

  • トヨタ・MR2の左リアビュー

年齢的なことや、安全装置が付いていないから、事故にあったときに怖いな~と思ったんです。古いから故障も増えていたし、メンテナンスのことを考えるとそろそろなのかなって。

あとは、決して飽きたとかではないんですけど、あまり乗らなくなっていたから、次のオーナーさんに乗ってもらった方がMR2にとっても良いのかなと。

――なるほど。それで86を購入したんですね。86を選んだのは何故だったのですか?

  • トヨタ・86のリアビュー

冒頭でもお話したんですけど、走りを楽しめるクルマだったからです。そういうクルマって各メーカーから販売されていると思いますが、その中で私が86を選んだのは“後ろから見たときの姿”がカッコよかったからです。

――えっ?そこですか!?走りとかじゃなくて!?

そうそう(笑)。お尻がプリっとしていて可愛いし、そこにインスピレーションを感じたから、きっとイイクルマだわ!とか言って試乗せずに購入しちゃいました(笑)。

――試乗無し……。なんか、お尻って重要なんだなと思い知らされました。

あはは(笑)、とっても重要なんですよ(笑)♪本当はすぐにでも購入したかったんですけど、MR2を買うときに即決して家族に怒られたので、1週間後にディーラーに買いに行きました。

――それでも早いですね(笑)。1週間って……。

結構我慢したんだけどなぁ~。でも、待っただけの甲斐はあって、思った通りの走りをしてくれましたよ。

――例えば、どんなところですか?

  • サーキットを走るトヨタ・86(前期)

まずはハンドリングですね。ステアリングを切ると、フロントがスッと素直に入ってくれて、自分が行きたい方向に走ってくれるんです。初めて86に乗った時に、ノーマルでこんなに走ってくれるの!?って驚いちゃいましたから。

サーキットに行ってスピードを出しても、空力がよく考えられているから安定感があるし、多少運転が下手でも電子制御が入っているおかげで、ある程度はクルマが助けてくれますしね。安心して走れるというのは嬉しいポイントです。

ほかには、全てが新しいことも思った通りでした。いや、当然なんですけどね……。なにせMR2が古かったもので……(笑)。メーターもデジタルだし、最新の設備が搭載されているし。私の中で、止まってた時間が動き出したって感じ!

――タイムスリップしちゃった感じですね。サーキットと仰っていましたが、よく行かれるんですか?

  • トヨタ・86の助手席に座る竹本さん

行ってましたね。なんてったって、通勤に使っていないのに年間で2万kmも走っていましたから。広いコースを思いっきり飛ばせるというのが爽快で、ストレス発散に最適だったし楽しかったんです。

シートはブリッドに変えて、車高調はアラゴスタ、ブレーキキャリパーはエンドレスのものにしました。

――“行ってましたね”ってことは、今は走っていないのですか?

年に1回は走ってますけど、その程度ですかね。というのも、初めて購入した86を乗り回していたら、6万km越えたあたりからガタがきだしたんです。ギアが上手く入らなかったりだとか、月に2・3回は修理に行ってたかなぁ~。

サーキット以外にも、仕事終わりに道内をあちこちドライブに行ってましたから。86にとっては、過酷だったかもしれない……。それで、前期86から後期86に乗り換えたんです。

――ということは、86は2台目ですか!?

  • 十勝スピードウェイを走るトヨタ・86
  • トヨタ・86でドライビングトレーニング

はい。前期で充分乗り回したので、今度はサーキットは出来るだけ走らずに大事に乗ろうかなと思うんです。とかいいつつ……、よく考えたら年に5回くらい走ってますね。

――さっき1回しか走ってないって言ってたのに(笑)!?そして、5回はまあまあ走っている方なのでは(笑)!?

う~ん。どうですかねぇ~。

――なんか、5回以上走ってそうだな……。

とりあえず、前期の86で装着していたアイテムは全て移植して、ヴォルテックスのリアウイング、HKSのエキゾーストマニホールドは新たに取り付けました。

――竹本さん、後期86でも絶対にサーキット走るな…(ボソッ)。

ん?なにか?

――いえ、なんでもありません!最後に、竹本さんにとって86はどんな存在ですか?

  • トヨタ・86のオーナーズミーティング

カッコイイと思うクルマに乗れる幸せだったり、所有欲を満たしてくれる存在ですかね。

母の同僚に“花ちゃん”という人がいたんです。当時私は8歳で、初代MR2に乗っていた花ちゃんに、よくドライブに連れて行ってもらっていました。それが面白かったし、花ちゃんに憧れていたんです。

そういうキラキラ輝く思い出や、自分が憧れの女性に近づいた気持ちにしてくれるのが86なのかなって。

  • トヨタ・86の前で笑顔を見せる竹本さん

走行性能も申し分ないということですが、今は86を通じて知り合った人の方が大切な宝物だと話してくれました。竹本さんは、これからも86に乗り続けていくのでしょう。

(文:矢田部明子 写真:川上竜也)

[GAZOO編集部]

MORIZO on the Road