彼女ができてダルマセリカに乗り替え。“偶然の産物”の2T-Gエンジンはスペシャル仕様
子供の頃にグランツーリスモにどハマりし、実際にこういう風に走ってみたいと思うようになったという「山脇さん」。そんな山脇さんの愛車は、セリカ1600GTV。
ちなみに、セリカの前はサーキット仕様のローバーミニに乗っていたそうだが、彼女が出来たことをキッカケに快適性を重視してセリカに乗り換えたのだそうです。
今回は、山脇さん×セリカ のお話をお届けします。
――ローバーミニからセリカに乗り替えるキッカケは、何だったのですか?
なんか、照れちゃうんですけど……。彼女が出来たことをキッカケに乗り替えました(笑)。
――リア充じゃないですか!羨ましい!
あはは(笑)。そう言われると、ますます恥ずかしくなってきたな……。
ローバーミニはエアコンも付いてないし、ワンメイクレースに挑戦していたから乗り心地も悪かったし、マフラーの音も大きかったので流石に……という感じだったんです。
隣に座って、せめて耐えられるようにしてあげたいと思ったんですよね(笑)。
――なるほど。それでセリカを購入したというわけですね。快適になりましたか?
う〜ん。どうなんでしょうか……?
エアコンも付いていますし、この年式のクルマってパワステが付いていないのがほとんどなんですけど、僕が購入した個体は後付けで取り付けてあったし、ローバーミニと比べると快適ではあったんですけど……。
――あったんですけど?
排気量を1600ccから2000ccに変えて、駆動をタイミングチェーンからカムギアトレーン車にしました。
乗り心地を重視するつもりだったのに、カムシャフトはレース用にしてしまったので、乗り心地は……格段に上がったというわけではないですね。
あっ、でも、加速とトルクが向上したわけだから、走行性能はレベルアップです。それって大事ですよね〜♪
――良かったですね〜!と言いたいところですが、当初の目的とは少しずれてしまっているような?
……。でね!
――あっ、話をそらした!
あとは、スペシャルパーツを装着しています。それこそ、さっき話したカムギアトレーンと、フルカウンタークランクシャフトが付いているんです。
これにすると、ウィーンウィーンというような映画のレーシングカーみたいな音がするようになったので、かなり気に入っています。ただ、本当はスペシャルパーツを付けるつもりは無かったんですけどね。
――気が変わった、とかですか?
いえ、偶然の産物? という感じです。僕のセリカは50年以上経っていたから、そろそろオーバーホールしようかな〜と友達にお願いして、エンジンを下ろして開けてみたんですよ。
そしたら、燃焼室に直せないようなキズが付いていたこともあって、載せ替えた方がいいということになったんです。
でも、なかなか見つからなくて……。やっぱり出てこないのかな?と思いながらヤフーオークションを見ていたら、ある時8万円で出品されていたんです。
――私からしたら、なかなかのお値段です……
当時まだ社会人になってそんなに経っていなかった僕からしても、なかなかのお値段でした……。ただ、この時点で3週間出品されていて買い手がついていない所を見ると、このまま売れずに来週も出品されるだろうと踏んだんです。
見事予感は的中して、1円スタートで出品されました(笑)。その結果、25000円で購入出来た!とここまでは良かったんですけどね。
――何かあったんですね?
はい。チューニングされていたエンジンだったんです。同じ型式のエンジンであることに間違いはなかったのですが、そのまま載せることは出来ない状態でした(笑)。
――不足の事態ですね……。
でしょ?幸いエンジンをバラバラにして組み換えると、何とかいけそうだったので、腰上を購入したエンジン、腰下を元々のエンジンにしました。せっかくだから、購入したエンジンに付いていたチューニングパーツは使うことにしたんです。
――なるほど!それで偶然の産物ってことですね。
なんとか形にはなったんですけど、キャブレター式のエンジンをチューニングしているから手間はかかりますけどね。
キャブレター式って、平たくいうと、霧吹きのように燃料を勢いよく噴出して空気と混ぜて燃焼させるという仕組みになっているんです。
この噴射する霧吹きの穴を、寒かったら穴を大きくする、暑かったら小さくするとか、大きさを調整しなければいけないんです。春夏秋冬で変えなくちゃいけないから、結構大変ですね。
――その作業をすると、季節の変わり目って感じですね(笑)。
そうそう。そうやって、手が掛かるところが愛おしくもあるんですけどね。これからも可能な限り、ずっと維持していきたいと思います。
そう話してくれた山脇さん。優しい声がとても印象的でした。その優しさで、これからもセリカを包み込むことでしょう。
(文:矢田部明子)
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