3台目のビートは息子が名付けた「ビト吉」くん。親子の思い出も詰まったビト吉は愛犬や愛馬のような存在に
大島さんは、子供の頃からのクルマ好き。それも、スーパーカーブームと当時のファミリーカーの影響で、「走るクルマ」にもっぱら取り憑かれちゃった様子。
そんな彼の、これまで3台のビートに出会ってきた愛車ライフを、ちょっと覗いてみましょう。
――大島さんがクルマを意識したり、好きになったきっかけを教えてください
5歳くらいの頃だったと思います。ご存知かと思いますが、かつてスーパーカーブームがありました。その時に見たスーパーカーがカッコよくて、クルマを好きになったんだと思います。
――どんなスーパーカーがお気に入りでしたか?
定番ですけど、カウンタックでしたね。
――じゃあ、物心付いた子供の頃からのクルマ好きだったんですね
そうですね。クルマ好きだったのを父が知っていたので、親戚からハコスカを借りてきてくれたり、ゴルフGTIを知人から借りてきてくれて乗せてくれていました。貸してくれた人には、ガソリン満タンで返していたような記憶がありますね。
――へー、かなりマニアックなクルマを借りてきてくれていたんですね。そうするとやはり大島さんは、小さい時からいわゆる”走るクルマ”が好きだったんですね
ウチが商売をしていたのもあって、しかも6人家族だったので、我が家のクルマはキャラバンだったんです。その反動もあって、走りの良いクルマが好きになったんじゃないでしょうかね。
――そうでしたか。それでこれまで走りを意識したようなクルマに多くお乗りなんですね。
最初のクルマは姉のお下がりでアルト、その後はこれまた父のお下がりで4ドアのA101カローラやGXクレスタなどに乗っていましたが、初めて自分で購入したのはEP71スターレットでした。
そして、その頃に付き合っていた彼女がクルマを買う時に、ボクの好みで選んでくれというので、黄色いビートにしました。オープンカーに興味もあったのと、軽くて速いのかな、とか考えていましたね。
――実際に乗ってみてどうでしたか?
遅かったですね(笑)。当時乗っていたスターレットはSiでちょっと速かったのもありますけど、ビートはもう少し速いのかと思っていました(笑)。
けど、軽自動車でオープンなのに剛性があってしっかりしているなという印象でした。エンジンは高回転まで回ってくれて、ヒラヒラ曲がるのがとても気持ちよかったです。スペアキーも預けてくれて、よく使わせてもらっていましたね〜。
――それでビートが好きになったと。
その後、結婚したりクルマにあまりお金とか掛けられなくなって、ホンダ・ライフ(JA4)のマニュアルを新車で買って、せいぜいクルマの雑誌を買うくらいでしたね。Tipoとか読んでました。
それで、その頃ヤフオクが周りで流行り始めて、友達が実車を見もしないでバイクを落札したりしてたんですよ。あー、そんなに気軽に好きな乗り物買っていいんだとなって、ビートを探して買いました。
ヤフオクじゃなかったですが。今度は赤で、その頃ビートは底値の時代で30万円くらいでしたかね。けど、かなり状態は悪かったです。
――それじゃ、その赤いビートでだいぶ苦労されたんですか?
話は尽きないくらい、かなり酷かったですよ(笑)。
とにかく、ありとあらゆるところが。買ったときからエンジンの異常を知らせるランプが点いていて、メインリレーやコンピューターがダメでしたし、当然といっちゃいけないんでしょうけどエアコンは効かない(笑)。
雨の日に運転席側のワイパーがダメになったり、やはり雨の日に開けたパワーウインドウが上がらなくなったり……。一番大変だったのは国道1号線でタイミングベルトが切れてエンジンが壊れちゃったときですかね。
――うわっ、そんな大きな道で止まっちゃうと大変ですね。でもそれもきっかけでカスタマイズも徐々に増えていったりしますよね
エンジンは交換が必要になったんですけど、ちょうど調子がいい代わりのエンジンが見つかったので、それに載せ換えました。けれど、その3ヶ月後くらいに自分の不手際で事故を起こしてしまい、赤いビートは廃車になってしまいました。
――それはご自分のミスとは言え、残念…不具合が多くてもその分手をかけただけ、愛着もあったでしょうね
はい、だけど、3ヶ月くらいで次の愛車、現在の黄色いビートが見つかりました。今度は70万円くらいでした。
――おー、じゃあそれが3台目のビートとの出会いとなったんですね。ますます好きになったんじゃないですか?
そうなんです。赤いビートはフロントからいっちゃったので、サイドやリヤは無事だったので、足回りやホイール3本とか、その他の内外装パーツで使えるものは今度の黄色に移植しました。
それで、主治医と言えるショップさんに色々相談しながら車検に通るようにお願いしています。これまでに車両代以外に200万円くらい使ってるかもしれません
――すごいです。インスタに上げている写真もきれいですね。デジタルの一眼で撮ってるんですか?
はい、だけど、SONYのα6000という少し前のモデルで、レンズも3本くらいしか持っていません。どこかにクルマで出かけるときはだいたい持っていますね。
iPhoneとかでも綺麗に撮れたりもするんでしょうけど、やっぱりマニュアルで設定を変えてやると違った写真になったりして楽しいです。クルマのマニュアルと同じですね。面倒かもしれないけど、操作して上達する楽しさがあります。
――じゃあ、カメラ好きというよりは写真好きって感じなんですね
そうかも知れませんね。それで、同じ場所にドライブに来ている人の写真を撮ってあげてWi-Fiですぐに転送してあげたり。
クルマは運転していても楽しいけど、どこかに止めて缶コーヒー飲みながら眺めてもいいし、景色がいいところで写真を撮ったり、それがきっかけで知らない人と出会いがあったり。クルマってとても良いものだと思いますよ。
写真に凝ったお陰で、実際のホイールと同じTE37のミニチュアもレイズさんのインスタキャンペーンでもらっちゃいました。
――では、大島さんにとって愛車とはなんでしょうか?
自分は機械を擬人化したりするのって、あまり好きじゃないんですけど、車検に出すとき息子の”ゆうが”が「しばらく”ビト吉”と会えないね〜」と言って悲しんでくれたりして、名前まで付けてくれて家族同然ですね。愛犬とか、実際に乗るから愛馬のようなものでしょうか。
――じゃあ、当然これからもずっとこのビートに乗っていくんですね!
そうですね。一時期、周りに旧車に乗る人が増えて、510ブルーバードとかA110サニー、KP61スターレットとかいいなぁ、買おうかなと思った時期もあったんですけど、やっぱりやめました。息子との思い出もありますし、可能な限り維持していきたいです。イジるより維持る、でしょうかね〜。
若い頃に出会ったビートに縁があって今も乗り続けている大島さん。途中、乗りやすかったり便利だったり、あるいは違う個性のクルマにも出会ってきたようですが、まだまだビートへの愛は冷めることはないようですね。
皆さんは、色んなクルマを次々と乗り替えていきたいほうですか? それとも一台のクルマにずーっと乗り続けたいほうでしょうか? 世の中に様々な車種やタイプがあるようにクルマへの愛し方、接し方も色々あって、ひとつの答えや正解はありません。それもまたクルマの楽しさであり、クルマ好きがたくさんいる理由なのではないでしょうか。
楽しいクルマを見つけるのもいいですし、クルマの楽しみ方を見つけるのもいいかも知れませんね。
【Instagram】
大島 一善さん
(文:小林和久<(株)ヘンシュウシャ>)
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