気の赴くまま、行き当たりばったり。それを助けてくれる欠かせない相棒N-BOX

高校時代、ハンドルがギュッと曲がった、競輪選手が乗るような“ちょっとええチャリ”で通学していたと、誇らし気に話してくれた「トンネルなめこ」さん。

電車やバスで通学するのではなく、あえてチャリ（自転車）を相棒に選んだのは、時間に縛られることなく、自分で色々な場所に行けたからだと話してくれました。

時は過ぎ免許取得後、相棒はチャリからクルマに変わったものの、移動の自由を求めるスタイルは変わりませんでした。

今回は、トンネルなめこさん×N-BOXのお話をお届けします。

―――私の学生時代は「ちょっとええチャリ」に乗ってたら、クラスのヒーローになれたもんです（笑）。

そうそう。僕の時もそうでしたよ！　「お前のチャリ、めっちゃカッコええやん！」みたいなね（笑）。

―――いつの時代も同じですね（笑）。

僕はこの“チャリ通学”が、むっちゃ楽しかったんですよ。いつもとは違う道から帰って、思いがけず近道を見つけたり、すぐ隣の通りに新しいお店がオープンしていたり。

とにかく、帰路じゃない方に進んでいけば必ず新たなる発見があって、そういうのにワクワクしたんです。もちろんチャリですから、自分で運転して進むというのも面白かった！

だから、免許をとってからは、旅の相棒がチャリからクルマになって、行動範囲がどんどん広がっていきました。

―――初めての愛車は何だったのですか？

2代目のトヨタ・スプリンターカリブです。リヤコンビネーションライトのデザインが独特な八の字をしていてカッコよかったし、フルタイム四駆だからある程度の道は行けるだろうと購入したんです。

とても素敵なクルマだったんですけど、残念ながら僕のカーライフとはマッチせず、その後何台かのクルマに乗り継いで、辿り着いたのが“軽自動車”だったんです。

初めての軽自動車はホンダ・バモスで、これがガッツリハマってね。

―――バモスですか！　懐かしいですねぇ。

このクルマもテールランプが八の字で、街で見かけるたびに「やっぱデザインがええなぁ〜」と感じて購入に至りました。

何より僕を虜にしたのは、その使い勝手の良さです。それまで乗っていたのが 日産テラノというクロカン四駆だったから、軽自動車＝荷物が積めないんじゃないか？というイメージがあったんです。

でも、小さいから狭い道も走りやすいし、思いの外荷物も十分積めるし、フルフラットにはならずとも車中泊はできるしで、旅好きな僕にピッタリだったんです。それこそ、チャリに乗っていたときの“あのワクワク”を思い出すというかね。

そして、あの頃と同じように色々な場所に行き、車中泊を楽しむようになりました。

―――コロナ禍で車中泊が流行り始めましたが、もしかしたら、トンネルなめこさんは先駆けかもしれませんね（笑）。

もしそうだったら、かなり胸を張れるなぁ（笑）。大体30年前から本格的に車中泊を始めたのですが、当時は道の駅なんていう小洒落た施設はありませんでした。

トイレとカレーライスとかの自販機が置いてあるだけのドライブイン。もしくは、寂しい国道の外れで車中泊するという感じでした。まぁ、僕の場合は車中泊というよりは、走り疲れて「もうあかんわ……」と言いながらそのまま寝るという感じだったんですけどね（笑）。

さっきも話した通り、バモスはフルフラットにはならないから寝心地が良いとは言えなかったけど。その点、N-BOXは言うことないです！　だから、N- BOXは2台乗り継いでいます。

―――トンネルなめこさんは、走り疲れて寝てしまうくらい、何を求めて走るのですか？

逆ですよ。どんな面白いネタが転がっているか分からないから、それを探すために走るんです。ここ最近で面白かったのは、池の中からニョキっと生えたカーブミラーです。見た感じ、人も映していなければ、道も映していない。まさに、何のために設置されたのか謎のカーブミラー。

―――えっ！？何ですかそれ！　面白い！！

そうでしょう？　走っていると、こういうのに出合えるんですよ。想像ですが、農業用の溜池だから、昔はこのミラー付近に水門があって、その門の開閉を見る用だったのかな？なんて。

水門は閉鎖されたけど、ミラーを撤去するのにお金がかかるからそのままになってしまったか、あるいは、昔はそこに道路が存在していて、災害か何かで水没してしまったとか……こんな風に考察をするのが好きなんです。

―――このカーライフ、私好みかもしれません。こういうのが良いんですよね。

なかなか良いもんでしょう。カーライフには色々な楽しみ方があると思いますが、僕はこんな感じでずっと楽しんでいます。そして、これからも、クルマでどこかへ行く生活は、ずっと続けていこうと思っています。

昔から全て下道で、あちこち寄り道しながら、全くナビ通りに行かないルートを進むのにハマっているから、ETCは取り付けたことがないんです。歳も食ってきたから遠出はできませんが、可能な限りは冒険し続けますよ！

今後もN-BOXで秘境の地に行くのが夢だと言うトンネルなめこさん。最近YouTubeも本格的に始めたそうで、軽自動車が1台通れるかどうかのスレスレの道など、謎に感じたり深掘りしてみたいという場所を探求しているそうです。

「クルマでしかいけない、面白スポットを探しに行くのが好きなんです」という声が忘れられず、取材後に寄り道して帰ったのはここだけの話。

【YouTube】
トンネルなめこさん

（文：矢田部明子　写真：トンネルなめこさん提供）