見た目は自然体、楽しみ方は自分流。アバルト500と過ごす12年目のカーライフ
「派手にはしない。でも、自分の理想は徹底的に追求する」 -- そんな言葉が似合うアバルト500に乗るのは“毒バルトの人”さんです。2014年に購入した愛車との付き合いは、すでに12年目。エンジン、吸排気、足回り、内装まで「ひと通り」手を入れている一方で、外観はあえて変えない。そこには“丸っこいシルエット”への強い愛着と「長く楽しめるクルマでありたい」という明確な哲学がありました。
若いころはRX-7などでサーキットや峠を走ったという毒バルトさん。そんな彼がたどり着いた“今のカーライフ”とは─。
――まず、「毒バルトの人」さんの愛車を紹介してください。
アバルト500のベースグレードです。2014年に買ったので、10年以上の付き合いです。
――長い間、大切に乗っていらっしゃるんですね。カスタマイズはしておられますか。
そうですね。エンジンや吸排気系、足回りといったところを「ひと通り」。今は、内装とオーディオにこだわってカスタムをしています。触れるところは、ひと通り手を入れたって感じですね(笑)。
――今はオーディオにこだわっているということで、どんなカスタマイズをされているのですか?
スピーカーの交換はもちろんですが、アンプやウーハーを追加しました。それから、デッドニングもやりました。
――オーディオ関係も「ひと通り」というか徹底的ですね(笑)。オーディオに関しては、お好きなブランドはありますか?
詳しくないんですが、行きつけのお店のデモカーの音が心地よかったので、同じメーカーのものを使っています。フランスの「BLAM」というメーカーのスピーカーです。
――走りに関係するハードウェアのカスタマイズで、イメージ通りの走りになりましたか?
今のところは満足していますが、長年乗ってると、その間に好みが変わってくるんです。それに合わせて、全体的なバランスが崩れないようにカスタムを進めています。
――進化を続けるカスタマイズですね。基本的な考え方というか、ポリシーのようなものがあるように感じます。
「運転しやすいカスタム」が私のイメージです。例えば「車高が低い方がかっこいい!」とは思いますが、走りを損なわない姿勢になるように考えています。それから、いろんな所に走りに行きたいので、心地の良い乗り味やハンドリングになるようなカスタマイズが好みです。
――バリバリに走りに振ったチューニングではなく、運転して気持ちの良いオールマイティな味付けが、毒バルトの人さんの好みということですね。
そうですね。
――わかりました。 「いろいろな所に走りに行きたい」というお話がありましたが、サーキットとか峠、ワインディングロードから日常までっていう幅広い感じですか?
サーキットは走らないんです。ロングドライブも好きなので、フェリーに乗って九州や北海道などに仲間たちと一緒に行っています。
――なるほど。アバルト以前はどんなクルマに乗っていらっしゃったんですか?
最初に買ったのは丸目4灯のホンダ・インテグラです。次にFC3SのRX-7(マツダ)に12年乗りました。そのクルマはサーキットや峠、ゼロヨンといった感じで走りに「全振り」しました。
――走りに全振りしてサーキットを走った時代もあったのですね!?
エアコンも何もないような状態にカスタマイズした時代もありました(笑)。その後、結婚して子供が生まれたので「走りのクルマ」は一旦お休みして(笑)、オデッセイを2世代乗り継ぎました。子供が大きくなって、アバルトという流れです。
若いころには(カスタマイズを)「やりたいだけやった」感じです。それも楽しかったんですが、クルマが長持ちしなかったんです。アバルトからは、長く楽しめる限界が「ここらへんかな?」っていうところで止めるようになりました。今の好みやライフスタイルに合った楽しみ方を考えたときに「これ以上はやめよう」っていうところを自分の中で決めて、その範囲で楽しめるクルマを作るようにしています。
――若いころはいろいろやったけれども、落ち着いて大人な楽しみ方に変わったという感じですね?
落ち着いてるか…わからないですけど(笑)まあそういうイメージですね。
――先ほど「丸っこいエクステリアが好き」だとおっしゃっていましたけども、アバルト500を選んだ決め手はそこですか?
やっぱり見た目ですね。一目でピンときました。で、試乗したらとても楽しかったので、すぐに決めました。
――とても楽しかったというのは、ハンドリングとか挙動とか?
すべてです。ハンドリングは軽快だったし、走りも軽やかで。馬力も、街中で乗るには全然十分。色もよかったんです。当時あまり見なかった水色の展示車がディーラーにあったんです。白とだいぶ迷ったんですが、丸っこいシルエットに可愛いポップな感じの水色がとても気に入りました。
――丸っこいシルエットという意味では、フィアット 500(チンクエチェント)は考えませんでしたか?
元気よく走れるクルマで、かつ、マニュアル(MT)っていうのが条件だったので、考えなかったですね。
――エクステリアは大幅に変えないということを先ほど伺いましたが、それはどうしてですか?
アバルト500の“丸っこさ”が好きなので、外装は触っていないんです。ウイングとかフロントスポイラーとか、パーツはいろいろ出ていますが、シルエットを変えたくないんです。
僕のクルマは車高もそんなに低くないので、見た目は普通です。けど「蓋開けたらすごいぞ!」っていう仕様にはなっていると思います(笑)。もし何かやるとしても、今のシルエットが変わらない程度に留めるつもりです。
――エクステリアデザインはオリジナルを尊重して楽しみたいわけですね。
完成されているデザインだと思うんです。だから、ひとつ手を加えたら、全体的に変えないとバランスが取れないんじゃないでしょうか。そうするとシルエットが変わってしまうので…。
――今のアバルトは12年目だと思いますが、以前から1台のクルマと長く付き合うスタイルなのですか?
そうですね、以前のRX-7も12年乗りました。オデッセイも2台乗り継いでいるので、気に入った車種には長く乗るタイプです。アバルトも、気がついたら12年。飽きないんです。
――そんな飽きない愛車に、今後はどのようなカスタマイズを計画していますか?
計画というか、傷んだ塗装をオールペンで直したので、次にやりたいなと思っているのは足回りをエアサスペンションにすることです。停めている時は車高を下げてかっこよく。走る時は車高を上げて、快適に走れるようにしたいと思っています。
あとダッシュボード回りなど内装の樹脂類が傷んできたので、補修する代わりに革巻きにしたり、表面の素材を替えてみたりしたいと思っています。
――長距離ドライブがお好きとのことで、これまで行かれた中でお勧めスポットはありますか?
九州の阿蘇は好きな場所です。あと、北海道の猿払付近にエサヌカ線っていう道があります。ひたすらまっすぐな道なんですが、そこも良かったです。
いちばん印象に残っているのは、四国のUFOラインです。山道なんですけど、スリリングな思い出があります(笑)。
――どういう意味でスリリングなんですか?
対向車が来たらすれ違えないような狭い峠道を登っていくんです。そこがスリリングなんですが、登りきった所からの眺めは最高です!
――今後、行ってみたい所は?
東北方面かな…。あと、自分のクルマで沖縄を走ってみたいですね。でも、最終目標はイタリアです。
――ご自身のアバルトで?
そうです。
――素敵な夢ですね。イタリアでは、特に「この地方」という場所があるのですか?
詳しくないんですが、フィアットの本社があるトリノなど、フィアットがたくさん走ってる街に行きたいです。「本場に行ってみたい」って思っています。
――私(筆者)が昔イタリアに行ったときには、昔のチンクエチェントがたくさん走っていました。あの型のフィアット 500に乗るのが夢なんです。
僕も、大好きです! やっぱり可愛いんですよね。で、アバルト500は可愛いし、かっこいい。
――分かります! 話は尽きませんが…最後の質問です。毒バルトの人さんにとって、クルマとは?
クルマとは…友だちです。
――これまでは「相棒」とか「日々の生活を豊かにしてくれる存在」といったコメントが多かったですが「友だち」っていうのは、今日のお話から納得できる気がします。見た目を派手にすることも極端なカスタマイズをすることもなく、気の合った相手と楽しみながら長年付き合うっていう感じですよね。
そんな「心地よい友だち」って感じかなと思います。
愛車を「走りに全振りした」若いころを経て、今、楽しんでいるのは「長く付き合えるクルマ」とのカーライフ。見た目はあくまで自然体。でも、中身にはしっかりと自分のこだわりを詰め込む。そのバランス感覚が“毒バルトの人”さんらしいアバルト500を作っているのでしょう。
「クルマは友だち」。最後にそう話してくれた言葉が、この一台との付き合い方をよくあらわしているように感じる今回のインタビューでした。
【Instagram】
「毒バルトの人」さん
(文:石川 徹 写真:「毒バルトの人」さん提供)
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