2024 WRC 第2戦 ラリー・スウェーデン レポート

  • 18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)

目次

1.スケジュール
2.チーム&ドライバーズ / コ・ドライバーズ
3.ランキング
マニュファクチャラーズランキング
ドライバーズランキング
4.レース 結果&レポート
・第1戦 ラリー・モンテカルロ 結果 レポート
・第2戦 ラリー・スウェーデン 結果 レポート
・第3戦 サファリ・ラリー・ケニア 結果 レポート
・第4戦 クロアチア・ラリー 結果 レポート
・第5戦 ラリー・ポルトガル 結果 レポート
・第6戦 ラリー・イタリア サルディニア 結果 レポート
・第7戦 ラリー・ポーランド 結果 レポート
・第8戦 ラリー・ラトビア 結果 レポート
5.WRCとは

第2戦 ラリー・スウェーデン レポート

滑りやすいスノーロードを舞台とするラリー・スウェーデン。特殊な金属製のスタッド(=スパイク)が埋め込まれた「スタッドタイヤ」が、圧雪路や凍結路にしっかりと食い込むため、路面のグリップ力は想像以上に高い。そして、緩やかな高速コーナーが続くステージが多いこともあり、平均速度はWRCの中で例年3本の指に入るほど高い。ハイスピードラリーにおいてはクルマの空力性能も非常に重要であり、十分なダウンフォースが得られれば高速コーナーでも安定して速いスピードを保つことができる。
今大会、TOYOTA GAZOO Racing WRTは、ラリー・スウェーデンで2年連続王者のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン(69号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(33号車)、勝田貴元/アーロン・ジョンストン(18号車)の3台のGR YARIS Rally1で参戦し、初勝利を目指した。

DAY1
スウェーデン北部のウーメオーで、午前中にシェイクダウン、日没後の夜7時過ぎから1本のナイトステージが行われた。
オープニングステージとなる「ウーメオー・スプリント1」は、全長5.16kmのショートステージ。ハイスピードな森林セクションからスタートし、大勢の観客が見守るテクニカルなセクションでフィニッシュするステージとなる。
今シーズンWRC初出場となるロバンペラが、ベストタイムを記録し総合1位に、勝田が総合2位に、エバンスが総合3位につけ、TOYOTA GAZOO Racing WRTは1-2-3体制で競技初日を終えた。

DAY2
この日から、フルに走行する「フルデイ」がスタート。サービスパークの西側から北側にかけてのエリアで、合計7本 距離107.90kmのステージが行なわれた。
朝から雪が降り続け、午後は急激に降雪量が増え10cm以上の雪が降り積もったステージもあり、激しい降雪により視界も非常に悪く、ドライバーたちは一日を通して厳しいコンディションでの走行を強いられた。
勝田は、SS4でベストタイムを刻み総合1位となったが、降雪量が増えた午後の再走ステージでは、出走順が早かったため苦戦を強いられ総合2位を死守。
エバンスは、SS3で360度スピンを喫したものの、上手くリカバーしてタイムロスを最小限に。しかし、午後2本目のSS6から前走者の問題により出走順が一番手となり、非常に不利な走行条件となったため、総合5位で一日を終えた。
ロバンペラは、オープニングのSS2でベストタイム、SS3で2番手タイムを記録したが、SS4で多くのクルマが足もとをすくわれた場所でスピンを喫し雪壁に接触。ラジエーターにダメージを負いデイリタイアとなった。

DAY3
大雪に見舞われたデイ2から一転、午前中から爽やかな青空が広がり、太陽が力強く雪面を照らすなど好天に恵まれたデイ3。サービスパークの西側から北側にかけてのエリアで、7本合計125.96kmのステージが行なわれた。
エバンスは、午後1本目のSS12でベストタイムを記録するなどし、2位との差をじわじわと縮め総合3位に。
デイ2でデイリタイアを喫したロバンペラは、DAY3から再出走。SS10ではベストタイムを刻み総合45位となった。
勝田は、オープニングのSS9からハードにプッシュし、SS10でも攻めの走りを続けたが、コーナーでクルマの姿勢を乱し雪壁に激突し、痛恨のデイリタイアとなった。

DAY4
サービスパークの東側エリアとサービスパークのすぐ近くで、3本のステージを走行。その合計距離61.08km。前日に続きウーメオーの上空には青空が広がり、気温は早朝マイナス10度まで下がった。
エバンスは、オープニングステージSS16「ベステルビーク1」で2番手タイムを、さらに、SS16の再走ステージであるSS17ではベストタイムをマーク。また、ボーナスポイントがかかる最終のパワーステージでは2番手タイムを記録し、総合2位でフィニッシュ。結果、日曜日の合計ステージタイムのみで争われる「スーパーサンデー」を制したことで、合計24ポイントを獲得し、今大会どのドライバーよりも多くのポイントを手にすることに成功し総合2位となった。
ロバンペラは、SS16とパワーステージのSS18でベストタイムを記録。結果、総合順位は39位ながらスーパーサンデーでは2位に入り、パワーステージを制したことで、ドライバーズポイントおよびマニュファクチャラーズポイントを獲得。
エバンスとロバンペラの貢献により、チームは日曜日に獲得可能な最大ポイントである22ポイントを得た結果、ヒョンデと同ポイントながらマニュファクチャラー選手権首位の座を死守した。
勝田は、この日ラリーに復帰し、オープニングのSS16では3番手タイムを、最終のパワーステージではダメージを負ったクルマで5番手タイムを記録。スーパーサンデー6位による2ポイントと、パワーステージ5番手による1ポイントの、合計3ポイントを獲得し、総合45位で完走した。