仕事も遊びもクルマ漬け!ラジオパーソナリティ藤本えみりのカーライフ
クルマに関する話題を、心地よい音楽と共にお送りしているラジオ番組「THE MOTOR WEEKLY」(Fm yokohama)。この番組を担当するのは「土曜夜の、ドライバーの恋人」として人気の藤本えみりさん。ラジオパーソナリティになったきっかけや最近の活動について伺いました。
プロフィール
藤本 えみり(ふじもと えみり)
大学卒業後、地元山梨のラジオ局を経て、全国放送のラジオ番組パーソナリティを担当。2012年にはTHE MOTOR WEEKLYのパーソナリティに抜擢される。現在ではWEBメディア「Auto Prove」にて新車のリポートも担当している。
「THE MOTER WEEKLY」
Fm yokohama 毎週土曜日 20:00~20:30
http://themotor.jp/
※PodcastやYoutubeでバックナンバー配信中
(放送エリア外の方も視聴可能)
「Auto Prove」
http://autoprove.net/
ラジオパーソナリティになったきっかけを教えてください。
大学を卒業して、実家のある山梨のラジオ局でラジオパーソナリティの募集を知り、両親の薦めもあって応募しました。オーディションでは持ち前のフットワークの軽さをアピールして合格し、ラジオパーソナリティとして活動していくことになりました。ただ、最初はすごく怒られていましたね。まだ若かったこともあり、採用時は言葉使いも全く出来ていなかったと思います。そんな人がいきなりラジオのお仕事を始めて「すぐに喋れ」って言われても何もわかならくて。だから、仕事を経験していく中で、現場でゼロから鍛えられました。
当時のスタッフに話を聞くと、「この子はおもしろそうだから」と採用を決めたものの、3カ月後には採用したことを後悔していたみたいです。
今の藤本さんから新人時代の姿が想像できませんが、現場でしごかれたおかげでパーソナリティとして一人前になれたようです。
ラジオパーソナリティになって変わったことはありますか?
ラジオパーソナリティはしゃべることが本業ですが、このお仕事をするようになって「人の話を聞くこと」の大切さを感じるようになりました。それまでの私は自分のダメな部分を隠して、仕事場では優等生に見られたい、怒られたくないと素の自分を隠すようにしていたんです。でも、なかなか素の自分を隠すことなんてできないんですよね。それに本当の自分を知ってもらえなければ、取材の相手やスタッフの皆さんとコミュニケーションを取ることはできないとわかりました。それで勇気を出して、本当の自分をさらけ出していこうと心がけるようになりました。
お恥ずかしいことですが、私はすごく忘れっぽいんです。スタッフから「前に教えたよね」と言われることも多いし、クルマのスペックなども忘れてしまって…。この間はトヨタ86に装着されている「サウンドクリエーター」の機能を上手に説明出来なくて大変でした。こういう部分をもっと直していきたいですね。
ラジオは、見えないリスナーとの言葉のキャッチボール。リスナーやジャーナリストの話を聞いて、藤本さんが咀嚼し、彼女ならではの言葉で話をしてくれることがひとつの価値なんですね。
仕事を通して感じるやりがいは何ですか?
ラジオは1対1のメディアとよく言われます。聞いていただいているリスナーさんに直接話しかけることで、より深いコミュニケーションをとることができる。私がたくさんインプットしたことを、自分なりに解釈して自分の言葉で伝え、それに対してリスナーさんが共感してくれるのは一番嬉しいですし、やりがいを感じますね。
先日10代のリスナーさんから「番組を聴いてクルマに興味をもちました」というメッセージをいただき、本当に嬉しくてすごく励みになりました。それと、最近では新型車のプレス向け試乗会に連れて行ってもらえるようになり、登場したばかりのクルマに乗れることにワクワクドキドキしています。インプレッションさせていただいたクルマの魅力を自分の言葉でどう伝えようかと毎回悩みますけど、とてもやりがいがあります。
若者のクルマ離れが話題になっている今、藤本さんのラジオを聞いて興味を持つ人が増えていく。これは既存のクルマメディアになかなかできないことですが、藤本さんが伝えるクルマの魅力に共感する人が多いという現れなのでしょう。
現在の活動で何か課題はありますか。
大好きなクルマが仕事になって毎日が楽しいですが、趣味ではなく、いざ仕事となるとクルマの世界は奥が深いです。聴いてくださっているリスナーの皆さんにクルマの魅力をわかりやすく伝えることが今の私の課題ですね。
クルマの魅力は人それぞれ違うと思っていて、「私にとってのクルマの魅力は何だろう」とよく考えるんです。私にとっての魅力は、まず「リラックスできる、一人になれる空間」であること。自分のクルマに乗って出かける時は開放感があってストレスも発散できます。そして、家族や友達とワイワイ出かけられること。この2つは公共の乗り物では味わえない、プライベート空間のあるクルマならではの魅力だと思います。
単なる移動ツールではないということを自分の言葉で伝えられるように、日々ジャーナリストの方や開発を担当されている方に積極的に質問させていただいています。
クルマ本来の魅力をしっかり伝えるということが、藤本さんにとっても、クルマメディアにとっても大切なことと言えます。新たなファンが生まれて、たくさんの人にクルマの魅力を知ってもらえるといいですね。
お休みの日はどのように過ごしていますか。
年に1回長期のお休みをいただいて、海外のレースやクルマのイベントに行っています。昨年はアメリカのラスベガスで開催されるSEMA SHOW(※)とラリークロスを見に行きました。初めてラリークロスという競技を見たのですが、すぐにハマってしまいました。狭いコース幅で、様々な路面を走る、まるで障害物競走みたいなものですが、出場しているクルマの半数が最初のコーナーで大破していなくなるんです。残ったクルマもドアがないとか窓がないとかメチャクチャなんですけど、それが普通に走っているんですよね。最初は衝撃的で開いた口がふさがらなかったですけど、途中からこんなワイルドなレースはない!と熱狂してしまいました。(笑)
週末はサーキットにいることが多いですね。様々なレースを観戦して一人で興奮しています。
※SEMA SHOW
特殊部品市場協会(SEMA)による、
総入場者数10万人を超える世界最大級の自動車部品のビジネスショー。
週末にどこかのサーキットに行けば、藤本さんに遭遇できるかもしれませんね。
プライベートでクルマを運転することはありますか。
はい、プライベートでもよく運転しています。横から見た四角いカタチに一目惚れしてチェロキーを購入し、もう10年になります。走行距離は14万kmを超えました。愛車がこんなにワイルドなSUVというのは珍しいかもしれませんが、クルマ好きな父親の影響が大きいんですよ。父親は私が幼い頃にランドクルーザーに乗っていて、60から70と乗り継いでいました。週末にはキャンプやスキーなどのお出かけに行ったり弟とリアシートで寝たりしていたので、私にとってクルマといえばSUVだったのかもしれません。
エンジンが掛からないことがあったり、左の窓が開かなかったり、色々なトラブルがあるんですけど、ちょっと手の掛かるところが人間みたいで、愛着があって手放せないんですよね。新車番組のパーソナリティとしては怒られてしまうんですけど。(笑)
これだけ藤本さんに愛されているチェロキーがうらやましいですね。小さい頃の思い出が将来のクルマ選びに大きく影響するというのは間違いないと思います。
理想のドライブデートを教えてください。
チェロキーよりももっと大きなSUV(北米仕様のタンドラとか)に乗ってアメリカのルート66を延々と走ってみたいです!助手席でも幸せだけど、できれば私が運転して走破したいですね。
なんともワイルドなドライブデートを語る藤本さん。いつかその理想のデートが叶うことを祈っています。
今後の夢や目標について教えてください。
日本はもちろんですが、世界のクルマ文化をもっと勉強していきたいです。私はクルマの専門家ではありませんので、ラジオパーソナリティとして体験して疑問に思ったことをリスナーに問いかけていきたいですね。
例えば、欧州ではクルマの種類によって走行する車線が分かれていて、そのルールを守っているので追い越し車線ばかり走るクルマはいないんですよ。クルマに乗る人がもっと意識をすることで、全体の運転マナーはもっと良くなると思うんです。それから、色々なクルマに乗せていただく度に日本車の素晴らしいところがどんどん見えてくるので、日本で生まれた日本独自のクルマ文化を海外の人にも伝えられれば良いなと思っています。
日本発のクルマカルチャーを世界に伝える。一見すごくスケールの大きな話のようですが、ラジオというメディアを使えば案外ハードルは高くないのかもしれません。日本車の評価がさらに海外でも高まるよう、藤本さんならではの言葉で伝えていってもらいたいですね。
[ガズー編集部]
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