悪路と格闘する美人ラリードライバー!いとうりなが語るラリーの魅力

泥だらけの悪路やアップダウンの激しい峠道を走るラリーは、数あるモータースポーツの中で最も男性色の強いカテゴリーと言えます。しかし、そのラリー界で印象的な活躍を続ける女性ドライバーがいとうりなさん。人気レースクイーンでもあるいとうさんが語るラリーの魅力とは?

プロフィール
いとう りな

モデル活動と並行し全日本ラリー選手権に参戦中。ラリーには2011年から参戦し、2015年の第3戦若狭ラリー2015ではマツダ・デミオを駆り、JN3クラス3位入賞。SUPER GTではレースクイーンを務めるほか、女子オンリーの3人組レーシングユニット「supArna(スパルナ)」を結成。カートイベントを中心に、モータースポーツを盛り上げる活動も行っています。

いとうりなさんのブログ
http://ameblo.jp/love-rina-24/

――現在の仕事について教えてください。また、その仕事を選んだ理由は何ですか?

レースクイーンを中心にモデル活動をこなしながら、ラリードライバーとしてラリーの魅力を伝える活動をしています。また、日本や韓国で開催されるサーキットのレースにも参戦しています。私はもともと人前に出るのが苦手で、それを克服するために今の仕事を始めたのですが、モータースポーツに出会い、ドライバーの仕事をするようになりました。

SS(スペシャルステージ)を攻めるいとう​選手のエムスポーツデミオ。ラリーは公道を閉鎖しタイムを競う競技で、ナビゲーター役のコドライバーとペアを組んで戦います。
SUPER GTではGT300クラスの「♯360 RUNUP Group&DOES GT-R」のレースクイーンを務めています。ラリードライバーとレースクイーンのギャップが魅力的。
「Fuji 86 Style with BRZ 2015」のステージに立つsupArnaの3人(左から3人まで)。左から恋七さん、いとうりなさん、織田千穂さん。

――ラリーとレースの違いは何ですか? またラリーに挑戦することになったきっかけを教えてください。

ラリーは自分との戦い、レースは目の前のライバルとの戦いです。なぜならレースは目の前のライバルを抜けば順位が上りますが、ラリーはSSを走り終えないと自分の順位がわからないからです。ラリーを始めたきっかけは、ライセンス取得の相談をしたのがラリー屋さんだったから。ラリーをやればサーキットも速く走れると聞き、やってみようという気持ちになりました。最初の1年目はペースノートも作れず、ガタガタ道を必死に走っているだけという感じでした。

※ペースノート…走行中にコドライバーが読み上げる、カーブの曲がり具合や直線の長さなどが記入されているノート。
事前の試走(レッキ)の際に作成する。

――ラリーの魅力や苦労話などを教えてください。

ラリーの魅力は、狭い道や高い山の上を限界で走るところや、優れた運転技術を持っていないと速く走れないところです。予備知識ゼロからのスタートだったので、かなりの刺激を受けました。うれしかったことはようやくSSでトップタイムをマークできるようになり、今年の全日本ラリー第3戦でクラス3位をゲットできたことですね。

苦労するのは、SS中のコースオフやタイヤバースト時。自力でコースにクルマを戻さなければならないので、泥だらけになりながらコース上に戻し、タイヤ交換をしています。また、ラリーは毎回路面状況が変わるので、自分の運転技術やコドライバーとの相性も含めて、全部が完璧にならないと速く走れないのも苦労している点ですね。

※タイヤバースト…走行中に何らかの原因でタイヤが破裂し、パンクすること。走行不能になるケースが多い。

ラリーでは写真のような悪路を走ることは日常茶飯事。万が一のアクシデントやトラブルの時は、ドライバーとコドライバーが協力して復旧にあたります。

――現在の課題は何ですか? それをどのように克服していますか?

くねくねした山道を克服することです、小さいコーナーはスピードが落ちる分怖くないのですが、タイムが落ちてしまいます。ペースノートの表現を変え、コーナーに入る前にクルマの向きを変えられるようにイメトレもしています。上手なドライバーさんの隣に乗って、コーナリングの感覚を体で感じてみたいですね。​

――今後の目標を教えてください。

子供たちや女性を中心とするモータースポーツをあまり知らない人たちに、モータースポーツの魅力を広められたらと思っています。そして私をきっかけにレースを始め、クルマに興味を持ってもらえたら最高ですね。また、海外のラリーやレースに日本人女性ドライバーとして積極的に挑戦したいですね。​

プライベートについてお聞きしました♪

――お休みの日はどのように過ごしていますか?

休みの日は愛犬「LOVE」(トイプードルの♀、1歳)とまったりし、家の掃除や洗濯をしています。元気な時はカートやオフロードバイクに乗り、冬はスノーボードをすることもあります。大勢で遊ぶよりも、1人や2、3人で何かをしていることが多いですね。

愛犬LOVEとの貴重なオフショット。休日は一緒に散歩やドライブなどを楽しんでいるようです。
スノーボードは長野や新潟、北海道のゲレンデにも行きます。上から下までどれだけ速く下りられるかチャレンジしているのがいかにもラリードライバーらしいところ。

――プライベートでクルマを運転することはありますか?

都内で1人暮らしをしているため、マイカーは持っていません。持ち運びができない大きな物を買いに行く時や、家族に会いに行く時は、カーシェアリングを利用します。いつかはマイカーが欲しいので、たくさんお仕事をしないといけないですね!

―――理想のドライブデートを教えてください。

カッコいいクルマで景色がキレイなところに行き、静かで自然がたくさんあるところで陽が沈む瞬間を一緒に見たいです。山の上から見下ろす街の景色や、海の見えるキレイな場所に行きたいです。誰も知らない絶景ポイントに連れてってほしいなぁ。

ドライビングテクニック向上へのモチベーションが、ひと際高いいとうさん。ラリー仕込みのテクニックで国内外のラリー/レースで活躍する姿が、遠くない将来に見られそうですね。

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road