【LAND CRUISER’S MEETING 愛車紹介】パワフルなディーゼル搭載の40系ランクルと人生の半分を共に過ごす女性オーナーの決意

今年で32回目を迎える『LAND CRUISER'S MEETING 2018』には、およそ800台もの新旧ランドクルーザーが集まった。

今でこそ『タフで走破性に長けた日本の四駆』というイメージが世界中に浸透しているランドクルーザーだが、それは1951年に誕生して以降、67年の間に何度もモデルチェンジをおこない、進化し続けてきた賜物と言えるだろう。
そして、その長い歴史の中でも一番長く走り続けたのがランドクルーザー40系。日本が高度経済成長の真っ只中、1960年に産声をあげた40系は、北米を中心に海外でも販売されるようになった20系の設計を見直し、生産体制を整え開発されたモデルだ。

『排気ガス規制』が厳しくなり、エンジンの改良や軽量化、シャシーのラインアップなど、小刻みにモデルチェンジを繰り返しながら、70系にバトンをつなぐまで24年にわたって販売。

今でも『ヨンマル』『フォーティ』という愛称で国内外に多くのファンから親しまれていて、今回のミーティングにも歩んできた歴史を彷彿とさせる劣化具合の個体から、フルレストアで新車なみに仕上げられた逸品まで、さまざまな40系に出会うことができた。

ちなみに海外から一世を風靡したFJクルーザーも、この40系のデザインがモチーフとなっている。

そんな、ランドクルーザー40系の第3期モデル『BJ41』に乗るのは、絢子さん(41才)。

ショートモデルのハードトップ、そして一番の特徴はなんといっても搭載されているエンジン。前モデルであるBJ40系のエンジンをベースとして、3168ccへと排気量が増しパワーアップした2B型ディーゼルエンジンを搭載している。
当時、国内向けディーゼル車の中で最も走りがたくましく、人気が高かった型式だ。

女性でランドクルーザーに乗っているというだけでも珍しいのに、BJ41を愛車として選んだ絢子さん。このクルマの魅力は?

「全体的に四角いフォルムなのに、ライトや角が丸いところですね。フェンダーの丸いカーブは肌馴染みがよくて、走ったあとには手を置いて『いつもありがとう』と話しかけています」

初めて出会った時はサイドに穴が空いていて現在よりもボロボロの状態。しかし、エンジンや足まわり、ミッションには全く不具合がないのを知ったとき、中身のしっかりした芯の通ったクルマだと感じたという。

また、リフトアップなどのカスタムもなく、誰の手も加えられてない純正というところも良かったと語ってくれた。

「古いとかはまったく気になりませんでしたよ。それよりも、これから私色に染めていける! 私が、このクルマの初めてになるんだって思ってワクワクしました」

それから絢子さんの大改造が始まった。手はじめにバン仕様からホロ仕様へとボディカスタムをおこない、フォークリフト用のウインカーを装着するなど細部まで自分らしさを追い求めたという。

オフロード走行のために赤いレカロシートも装着した。
「昔は意地になってオフロードを走りましたね。山形、栃木、あちこちのオフロードコースを制覇したっけなぁ~。でも今は、もうオフロードは走らないけどね」

思ったよりもサビの進行が早く、この車に乗り続けることを考えると、静かに壊さずに乗ることがベストだと判断したそうだ。

そもそも、オフロードを走りたいと思ったのは、走行性能を試したり、険しい道を制覇したかったワケではなく、このクルマと楽しく走りたいと思ったからだということに気付いたのだという。

「『一緒に楽しむ』から、ずっと一緒に時を過ごすための『延命措置』という道を選んだのかな? 私は」と、みずからの判断を再確認するように語ってくれた。

21年間、何度も修理を繰り返しながらこの愛車に乗り続けている絢子さん。「このランクルじゃないと嫌なんです。友達や旦那、大切な人に出会えたのもこのクルマのおかげです。私の人生を作っているのはこのクルマだといっても過言じゃないですね」

最後に『もしこのクルマに乗れなくなったら?』という、少し意地悪な質問をぶつけてみた。

「正直、何度も考えましたよ。でもね、最近答えが出ました。このクルマに乗れなくなるのは私が死ぬときです。もし全損という事故を起こしたとしてもフレーム修正してボディを作ればいい。どれだけ大変でも修理して乗りますよ」
と笑顔で語る絢子さんは、あたたかい眼差しで愛車を見つめていた。

「このクルマに出会えて良かった」と絢子さんは言うが、それはランドクルーザー40 BJ41も同じだと思う。2人は通じ合っている。

(テキスト:矢田部明子 / 写真:平野 陽)

[ガズー編集部]

「LAND CRUISER'S MEETING @静岡県-大野路ファミリーキャンプ場」の記事

  • 【LAND CRUISER'S MEETING 愛車紹介】若きファーマーが旅の相棒として選び日本縦断に挑むランドクルーザーHJ60V
    【LAND CRUISER'S MEETING 愛車紹介】若きファーマーが旅の相棒として選び日本縦断に挑むランドクルーザーHJ60V
  • 【LAND CRUISER`S MEETING 愛車紹介】パワフルなディーゼル搭載の40系ランクルと人生の半分を共に過ごす女性オーナーの決意
    【LAND CRUISER'S MEETING 愛車紹介】パワフルなディーゼル搭載の40系ランクルと人生の半分を共に過ごす女性オーナーの決意
  • 【LAND CRUISER'S MEETING 愛車紹介】外出時には天気予報を常にチェック!雨漏りもトラブルも子供たちとなら楽しいBJ43
    【LAND CRUISER'S MEETING 愛車紹介】外出時には天気予報を常にチェック!雨漏りもトラブルも子供たちとなら楽しいBJ43
  • 【LAND CRUISER’S MEETING 愛車紹介】砂漠を駆け抜け、日本の道路を走る。サウジアラビアから逆輸入したランクル200
    【LAND CRUISER’S MEETING 愛車紹介】砂漠を駆け抜け、日本の道路を走る。サウジアラビアから逆輸入したランクル200
  • 【LAND CRUISER’S MEETING 愛車紹介】オーナーの一生に寄り添うランドクルーザーFJ56。息子へと受け継がれていく特別な存在へ
    【LAND CRUISER’S MEETING 愛車紹介】オーナーの一生に寄り添うランドクルーザーFJ56。息子へと受け継がれていく特別な存在へ

あわせて読みたい「ランドクルーザー」の記事

  • クルマで走ると笑顔が増える。宮城トヨタグループ モーターフェスティバル
    クルマで走ると笑顔が増える。宮城トヨタグループ モーターフェスティバル
  • 史上最多の800台のランドクルーザーが集まる「LCM」
    史上最多の800台のランドクルーザーが集まる「LCM」
  • ランクル、ハイラックス、FJクルーザーで泥んこ遊び!宮城トヨタ「4駆祭り」
    ランクル、ハイラックス、FJクルーザーで泥んこ遊び!宮城トヨタ「4駆祭り」
  • 新しいカーライフを提案! ファッションブランド「Ungrid」がリノベーションカーをプロデュース
    新しいカーライフを提案! ファッションブランド「Ungrid」がリノベーションカーをプロデュース
  • オフロードモータースポーツが集結し、地域を盛り上げる。京都・城陽市の若者たちの取り組みとは
    オフロードモータースポーツが集結し、地域を盛り上げる。京都・城陽市の若者たちの取り組みとは
  • 【トヨタ ランドクルーザープラド 試乗】快適クルーザーまで、あと一歩…内田俊一
    【トヨタ ランドクルーザープラド 試乗】快適クルーザーまで、あと一歩…内田俊一

あわせて読みたい「クルマイベント・オフ会」の記事

愛車広場トップ

MORIZO on the Road